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  • 提供:サロモン

トレイルランニングのワールドシリーズ初戦『KOBE TRAIL』で参加者をスナップ!

2024年4月20、21日の2日間、神戸・六甲山地を舞台にトレイルランニングの大会が開催された。初日は〈サロモン〉が主催する世界大会『ゴールデントレイルワールドシリーズ』も兼ねているため、国内外からトップ選手が集結。大会当日の模様とともに、参加者がどんなギアを身につけていたのかドキュメントした。

『KOBE TRAIL』とは?

大会のレース種目は21km男子、21km女子、15kmシングル、15km駅伝、4kmシングル、4kペアの計6種目。初日の21kmは、世界大会『ゴールデントレイルワールドシリーズ』※の初戦として開催。一般のランナーも参加できることも相まって、選手、応援者ともに注目のレースに。2日目の15km、4kmはトレイルラン初心者でも参加できるようなカジュアルなプログラムとして用意されている。

さらに、サテライト会場の「神戸ハーバーランド高浜岸壁」ではレースの模様を大画面でパブリックビューイングできるなど、レースに参加せずとも楽しめる仕様で開催された。

※ゴールデントレイル ワールドシリーズ

賞金総額約4500万円を懸けた〈サロモン〉が主催する世界で唯一のトレイルランニングのワールドシリーズ。UTMBのようなロングトレイルと異なり、21〜42kmと比較的短距離のレースを競い合うことが特徴のひとつ。

2024年は第1戦が日本の『KOBE TRAIL』で開幕。その後、中国、スペイン、フランス、スペイン、ポーランド、アメリカで開催される7つのレースをツアー形式で巡り、ポイントランキング上位30名がグランドファイナルへと進出する。2024年初の試みとして、競技人口が増えつつあるアジア会場(日本・中国)が追加された。特に初戦となる『KOBE TRAIL』は注目の試合だ。

-Day1-会場の様子

当日の天気はうす曇りの晴れ。会場に到着するバスから降りてくる選手の出で立ちを見ているだけで、これから本格的なレースが見られるんだという高揚感に包まれる。その一方で、会場の展望台には家族連れや、楽器を持ち寄って演奏する方など、地元出身と見られる参加者も多く、賑やかなムードも同居。選手として参加せずとも居心地がいい。

出走前の選手たち。身につけるギアも多種多様で、それぞれのこだわりが垣間見える。

会場の摩耶山掬星台は標高700mから神戸の街を見晴らせる絶景の展望台。

展望台では、定期的に当日参加可能なフリーマーケットも開催しているという。

大会のオフィシャルパートナーである〈サロモン〉の特設ブース。ここでフィニッシャーに日本酒が提供された。

-Day1-参加者のアウトフィット

出走が目前に迫る中、会場にいる選手たちがどんなウェアとギアを身につけているのかコーディネートをチェック。まずはトップアスリートの豪華な面々から。

Cesare Maestri / イタリア / 31歳

トップス:NIKE / サングラス:NIKE / パンツ:NIKE / シューズ:NIKE / 時計:COROS

バックパックは持たず、まるで軽めのランスタイルで参加

袖先からはランナー御用達の〈カロス〉がのぞく。

ぴちっと伸びた白いソックスが全身を上品な印象に。

〈ナイキ〉のサングラス。テンプルにももちろんスウッシュ。

Abigail Woolaston / イギリス / 22歳

トップス:Salomon / キャップ:Ciele / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin

赤いシューズ、トップスに走る赤のラインがコーディネートに統一感をもたらしている。

〈サロモン〉のロゴが象徴的なバックスタイル。

足元は〈サロモン〉の《PULSAR 3》。さらっとしたアッパーが都会的。

随所に見えるカラフルなパターンによって快活な印象に。

Marco Filosi / イタリア / 28歳

トップス:Salomon / キャップ:Salomon / ベルト:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin

ちょっとそこまで、と軽やかに走り出しそうなリラックスした佇まい。

Cesare選手と楽しげに歩いていたMarco選手。普段はトレーナーとして活動しているという。

靴下とシューズのコントラストで互いを引き立てている。

バックパックはなしでベルトのみ。短距離レースならこのスタイルの選手も少なくない。

髙村貴子 / 日本 / 31歳

トップス:Salomon / ヘッドギア:HALO / グローブ:R×L / ベルト:UltrAspire / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / テーピング:New-HALE / 時計:COLOS

ハキハキと応えてくれる髙村選手の明るいパーソナリティが全身に表れている。

ベルト、グローブ、パンツの黒が全身を引き締め、色のバランスをキープ。

さっとまとめたようなお団子が、こなれた印象に。

随所のカラフルなテーピングは会場のムードまで上げてくれる洒脱さ。

Nicholas Turco / アメリカ / 26歳

トップス:adidas / サングラス:BLIZ / ベルト:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:INOV8

ぎゅっと重心高めなスタイリングの肝は、ゆるめのトップス。

生地とロゴが同色でも、しっかりと下半身のアクセントになる〈サロモン〉のロゴ。

シューズは〈サロモン〉の《S/LAB PULSAR SOFT GROUND》。

レース数日前に到着して、有馬温泉でリラックスしてからの参加だという。

牧野 公則 / 日本 / 43歳

トップス:Salomon / ヘッドギア:Salomon/ サングラス:Oakley / バックパック:Salomon / パンツ::Salomon / シューズ:Salomon / テーピング:KT / 時計:COLOS

遠くからでも気迫を感じる、赤、赤、赤!

男性選手ではレアなノースリーブスタイルで参加。

もちろん、テーピングも赤という気合の入りよう。

普段は消防士をされているそう。赤が似合う理由はそこにある?

ランナーに加えて、存在感あるスイーパーのスタイルにも注目。

古川公也 / 日本 / 41歳

トップス:Salomon / ヘッドギア:Salomon / サングラス:goodr / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:HOKA / 時計:EPSON

一見ラフに見えても、ジャストなサイジングが美しい。

全身シックな色で主張しすぎず、黒子としての配慮まで感じる。

時計はレアな〈エプソン〉のもの。しっかりGPSも内蔵されている。

首元のポップな手ぬぐいによって、声のかけやすさも演出?

-Day1-レースの模様

海外からの招待選手の紹介を終えると、いよいよ出走。まずは女子選手から、法螺貝の音をきっかけにスタートを切ると、和太鼓の演奏と声援が選手を送り出す。その30分後に男子選手がスタート。

出走直前の面々。ワールドシリーズの初戦に少し緊張した様子も。

いよいよレースのスタート。勢いよく先導するアスリート選手に、一般参加の選手が続く。

出走の合図は法螺貝! 和太鼓の演奏とともに選手を鼓舞する。

コース紹介

スタートとゴール地点、そしてエイドステーションは共通。このポイントを起点に山中に設けられた4つの環状コースを順に巡る21km。舗装されたルートもあれば、岩が露出したワイルドな坂道も。累計のアップダウン差は2km超と、起伏の激しいコースを選手が駆け抜けていく。

すれ違うのも難しいような幅の狭路を競り合う選手たち。

淡々とペースを落とさずに走り続けるパトリック・キプンゲノ選手。

歩くのもやっとな坂道をまるで転がり落ちるようなスピードで駆けるモード・マティス選手。

足へのダメージが蓄積する石畳の箇所も。

何度も選手が通過する箇所に設置されたエイドステーションでのやりとりは、見どころのひとつ。

選手の個性が見えるエイドの数々。事前に背番号と名前を書いて、自ら設置しておくスタイル。中には、煎餅やコーラを補給する猛者も。

一瞬で補給を済ませながら走り去る選手を間近で観られるのも嬉しい。

最終ループに近づくに連れ、疲弊していく選手たちを間近で観ていると、ゴールへの期待と緊張感が高まっていく。

女子スタートから2時間52分8秒後、ゴールを飾ったのはスイスのモード・マティス選手。

女子の一位がゴールした直後、男子一位となったケニアのパトリック・キプンゲノ選手がフィニッシュ。タイムは2時間22分17秒。

ゴールしたトップ選手同士のやり取りから目が離せない。

ゴール後、にこやかに完走を喜ぶ選手。

一方、レースを嘆き自省する選手も。

互いの健闘を称え合う姿は、観ているだけでも胸が熱くなる。

ゴール直後に倒れ込む上田瑠偉選手。いわく、これほど多くの選手がゴール後に力尽きることは稀だといい、今回のコースの厳しさがここにも現れている。

走破した選手を労うエイドスタッフ。

女子トップ5の選手によるシャンパンファイト。華やかな開栓とともにシャンパンの香りが立ちこめると、観客からも再び称賛の声が上がった。

女子9位でゴールした髙村貴子選手と男子17位でゴールした近江竜之介選手。固い握手を交わしながらメディア取材に応える。

フィニッシュムードに沸き立つ中、ひときわ悔しさを滲ませていたのが上田瑠偉選手。

2019年にスカイランナー世界シリーズでチャンピオンに輝き、2022年に開催されたゴールデントレイルワールドシリーズで4位に輝いた成績を持つ選手からすると、今回のコースはどのような印象だったのか。

「今日のコースの特徴はなんといっても、非常にタフ。階段もあり、岩場、木の根が露出した足場も多いので、ヨーロッパ選手からすればかなり走りづらいルートだったのではないでしょうか。さらに、ほぼアップダウンしかない。細かい足さばきが必要になるので、もしかすると日本人選手がトップを狙えるのではと思ったのですが、まさかのケニアの選手が一位。面白い試合でしたね。今回、シーズンインのレースなので注目されているのかなとは思っていましたが、想像以上に応援してくれる人々がたくさん来てくれて、まるでヨーロッパで開催されているような活気あるムードはとても嬉しかったです」

続いて、今回12位でゴールした近江竜之介選手にも話を聞いた。

「地元が京都で、六甲山には小学生の頃から何度も訪れたことがあるので、ある意味ホームコースというか。勝手は把握していたつもりなのですが、走ってみるとやっぱり狭いし特殊だと感じました。大きく4回も登るコースはそう多くないので、前半は細かい足さばきで乗り越えられても、3、4ループでは足がもつれてくるような感覚もあって…….。全力を出し切れたレースでしたが、過酷でした。でも、コースの過酷さはランナーにとっての魅力でもあると思いますし、来年以降も参戦してくれる人が増えてくれるといいなと思います」

ゴール後に家族と和やかに話していた上田瑠偉選手。

足元の跡からも、激戦の様子が伺える。

今回は惜しくも17位という結果に表情を曇らせていた。

サテライト会場の神戸ハーバーランド高浜岸壁。ポートタワーを横目にするロケーションでパブリックビューイングと表彰式が行われた。

サテライト会場に設けられた〈サロモン〉のポップアップストア。店頭ではトレイルランニングの入門パンフレットが配布され、アウトレット価格でギアを購入することもできた。

雨がちらつきはじめた夜、皆が選手の表彰を祝うクライマックス。レース中と打って変わって、リラックスした選手の姿を見ることができた。

-Day2-会場の様子

2日目はあいにくの雨。20m先が見通せないほどの霧が立ち込める会場に、嬉々として参加者が集まってくる。

会場の足元には、しっかりと水たまりが。選手は雨で体を冷やさないよう、直前まで軒下に固まって出走に備えていた。

2日目は残念ながら霧が立ち込め、大粒の雨が降る展開。それでも、会場には嬉々として参加者が集まってくる。この日用意された種目は15kmシングル、15km駅伝、4kmシングル、4kペアの4種目。

初日と比べるとライトなため、参加者のランニングスタイルもより自由だ。一般参加者のスタイルを見ていこう。

-Day2-参加者のアウトフィット

渡邉みのり/販売員/25

トップス:lululemon / バックパック:Salomon / パンツ:lululemon / シューズ:Salomon / 時計:Apple

アーシーな雰囲気でまとめたルック。実はトレラン参加は初めて。〈ルルレモン〉のウェアは、自身が働くお店のアイテムだとか。

トレラン経験のある友人2人と参加。「目標はゴールすること!」

《アップルウォッチ》も立派なトレランギアだ。

腰のポケットにスマホを収納。シューズとバックパックは〈サロモン〉で揃えて、準備万端!

大木美紀/看護士/50

トップス:Patagonia / バックパック:Salomon / パンツ:THE NORTH FACE / スリーブ:THE NORTH FACE / シューズ:ALTRA / 時計:SUNTO

雨の山中にブルーのトップスが映える。

地元神戸からの参加。怪我せず完走、と堅実な意気込み。

ランニング経験は少し、と言いながらもこなれた小物使い。

トップスとリンクする靴下の色使いにセンスが伺える。

関谷広和/会社員/47

キャップ:milestone / トップス:THE NORTH FACE / バックパック:Salomon / パンツ:Teton Bros. / シューズ:MERRELL / 時計:CASIO

「こういう格好をするのが好きなだけです」との弁。出走前に人だかりから離れて一人黙々とストレッチをしていた。

雨が降ろうと、構わずに白! 潔さとこだわりを感じる。

赤×赤はトレランの鉄板? 目を引くカラーが会場の温度まで上げる。

こだわりが随所に見え隠れする小物選び。アナログな《G-SHOCK》が渋い。

姥谷正浩/会社員/38

キャップ:on / トップス:adidas / ベルト:FlipBelt / パンツ:ASICS / シューズ:on / 時計:Garmin

フルマラソンは10回ほどの経験者。トレラン初戦でもどこか余裕を感じる。

ベルトのみの軽装で、ロードランナーのようなスタイルを一貫。

この日人気だったのは〈オン〉。曇天にホワイトが映える。

内側に着けるか、外側に着けるか好みが分かれる時計。姥谷さんは外側派。

足元とキャップは〈オン〉で統一。

岩本徹/介護士/63

キャップ:2XU / トップス:MIZUNO / バックパック:Salomon / パンツ:THE NORTH FACE / スリーブ:WORKMAN / シューズ:HOKA / イヤホン:Shokz / 時計:Garmin / グローブ:WORKMAN

モノトーンで決めた上品なベテラン勢もキャッチ。

バックパックはフラスク付きの〈サロモンの〉《ACTIVE SKIN 8》をチョイス。

指先の細かい動きは担保しつつも岩場や枝で手をケガしないため、指ぬきのグローブをチョイス。

薄暗い山中で重要な視認性も、バックパックのグレーで確保。

コーディネートの中で唯一カラフルな足元。

千葉つかさ/フィットネストレーナー/26

トップス:Salomon / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin

インフルエンサー兼フィットネストレーナーとして活動中の千葉さん。納得の佇まい。

初心者、経験者問わずに人気な〈ガーミン〉はシックな黒をチョイス。

ライムグリーンのラインが爽やかな〈サロモン〉の《SENSE RIDE 5》。黒ベースで主張しすぎないのも好ましい。

シンプルにまとめたバックスタイルに〈サロモン〉のロゴが映える。

出走直前は土砂降り。それでもランナーの顔色は一様に明るかった。

傘を差さなければ5分ほどでずぶ濡れになってしまうような雨の中、出走開始。

思いきり雨に濡れる機会を楽しむかのように、初日以上のボルテージで走り出す。多くのランナーが安全に走破することを目標に設定し、『KOBE TRAIL』の2日目も大盛況のまま行われた。

〈サロモン〉 マーケティングディレクター Marion Blache氏インタビュー

〈サロモン〉のマーケティングディレクター・ Marion Blache。

『KOBE TRAIL』に合わせて、〈サロモン〉のマーケティングディレクター・ Marion Blache氏が来日。今回のレースの印象やトレランシーンの現在、そして展望について尋ねた。

ー今回のレースを見て、どのような印象を受けましたか?

「とてもよくオーガナイズされていて、選手、観客の双方に開かれたいい大会だったと思います。フィニッシャーにお酒が提供されていたり、和太鼓の演奏が用意されていたり、日本で開催する意義がきちんと反映された素晴らしい機会でした」

ーヨーロッパで開催されるレースと、大きく異なった点は?

「まずコースレイアウト。ヨーロッパよりもずっと強烈でした(笑)。上りも下りも急で、階段もあり、とにかくハード。参加者にとっては挑戦だったと思いますが、それを楽しんでくれていたようにも感じます。

今回実施した4つのループで構成されたコースは、参加者が新鮮なコースを走り続けられることに加えて、固定のエイドステーションを何度も通過することで、応援する人は何度も選手を観られる喜びがある。この形式のレースを今後も継続していきたいと思いました」

ー〈サロモン〉は今後どのようにトレイルランニングをサポートしていくのでしょうか。

「今回のような、和太鼓の演奏のような音楽も楽しめ、会場で食事もできるようなイベントを拡大して、より多角的に楽しめるパーティを実施していきたいと思っています。走る人はもちろん、観る人も、そのイベントに遊びに来た人も全員が楽しめるようなイベントをサポートしたい。トレイルランニングに限らず、広くスポーツに興味を持ってもらえる入口が作れたらと考えています。

ー『ゴールデントレイル』のような活動に力を入れている背景には、どのような思いがあるのでしょうか?

「トレイルランに限らず、日常の中にスポーツがあることはとても大切なことだと考えています。一番は自分で体を動かして参加することですが、観るだけでも充分に楽しめるのがスポーツの醍醐味。つまり、みんなで楽しめるもの。
だからこそ、本当はもっと身近な公園などで開催してもいいと思っているんです。どの国、どの街にも公園はあって、少し移動すれば身近な山もありますよね。そのような場所でカジュアルに楽しめることもトレイルランニングの魅力の一つなので、より初心者の方がやってみようと思えるイベントを手掛けていきたいです。なにより、スポーツを通して自然と触れ合うことはとても素敵なこと。それは〈サロモン〉の理念とも通じます。自然と楽しく触れあえる機会を提供していきたいという思いは、今後も変わらないでしょう」

 

取材・文/梶谷勇介 撮影/伊藤明日香 

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