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『KOBE TRAIL』とは?
大会のレース種目は21km男子、21km女子、15kmシングル、15km駅伝、4kmシングル、4kペアの計6種目。初日の21kmは、世界大会『ゴールデントレイルワールドシリーズ』※の初戦として開催。一般のランナーも参加できることも相まって、選手、応援者ともに注目のレースに。2日目の15km、4kmはトレイルラン初心者でも参加できるようなカジュアルなプログラムとして用意されている。
さらに、サテライト会場の「神戸ハーバーランド高浜岸壁」ではレースの模様を大画面でパブリックビューイングできるなど、レースに参加せずとも楽しめる仕様で開催された。
※ゴールデントレイル ワールドシリーズ
賞金総額約4500万円を懸けた〈サロモン〉が主催する世界で唯一のトレイルランニングのワールドシリーズ。UTMBのようなロングトレイルと異なり、21〜42kmと比較的短距離のレースを競い合うことが特徴のひとつ。
2024年は第1戦が日本の『KOBE TRAIL』で開幕。その後、中国、スペイン、フランス、スペイン、ポーランド、アメリカで開催される7つのレースをツアー形式で巡り、ポイントランキング上位30名がグランドファイナルへと進出する。2024年初の試みとして、競技人口が増えつつあるアジア会場(日本・中国)が追加された。特に初戦となる『KOBE TRAIL』は注目の試合だ。
-Day1-会場の様子
当日の天気はうす曇りの晴れ。会場に到着するバスから降りてくる選手の出で立ちを見ているだけで、これから本格的なレースが見られるんだという高揚感に包まれる。その一方で、会場の展望台には家族連れや、楽器を持ち寄って演奏する方など、地元出身と見られる参加者も多く、賑やかなムードも同居。選手として参加せずとも居心地がいい。
-Day1-参加者のアウトフィット
出走が目前に迫る中、会場にいる選手たちがどんなウェアとギアを身につけているのかコーディネートをチェック。まずはトップアスリートの豪華な面々から。
Cesare Maestri / イタリア / 31歳
トップス:NIKE / サングラス:NIKE / パンツ:NIKE / シューズ:NIKE / 時計:COROS
Abigail Woolaston / イギリス / 22歳
トップス:Salomon / キャップ:Ciele / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin
Marco Filosi / イタリア / 28歳
トップス:Salomon / キャップ:Salomon / ベルト:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin
髙村貴子 / 日本 / 31歳
トップス:Salomon / ヘッドギア:HALO / グローブ:R×L / ベルト:UltrAspire / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / テーピング:New-HALE / 時計:COLOS
Nicholas Turco / アメリカ / 26歳
トップス:adidas / サングラス:BLIZ / ベルト:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:INOV8
牧野 公則 / 日本 / 43歳
トップス:Salomon / ヘッドギア:Salomon/ サングラス:Oakley / バックパック:Salomon / パンツ::Salomon / シューズ:Salomon / テーピング:KT / 時計:COLOS
ランナーに加えて、存在感あるスイーパーのスタイルにも注目。
古川公也 / 日本 / 41歳
トップス:Salomon / ヘッドギア:Salomon / サングラス:goodr / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:HOKA / 時計:EPSON
-Day1-レースの模様
海外からの招待選手の紹介を終えると、いよいよ出走。まずは女子選手から、法螺貝の音をきっかけにスタートを切ると、和太鼓の演奏と声援が選手を送り出す。その30分後に男子選手がスタート。
コース紹介
スタートとゴール地点、そしてエイドステーションは共通。このポイントを起点に山中に設けられた4つの環状コースを順に巡る21km。舗装されたルートもあれば、岩が露出したワイルドな坂道も。累計のアップダウン差は2km超と、起伏の激しいコースを選手が駆け抜けていく。
フィニッシュムードに沸き立つ中、ひときわ悔しさを滲ませていたのが上田瑠偉選手。
2019年にスカイランナー世界シリーズでチャンピオンに輝き、2022年に開催されたゴールデントレイルワールドシリーズで4位に輝いた成績を持つ選手からすると、今回のコースはどのような印象だったのか。
「今日のコースの特徴はなんといっても、非常にタフ。階段もあり、岩場、木の根が露出した足場も多いので、ヨーロッパ選手からすればかなり走りづらいルートだったのではないでしょうか。さらに、ほぼアップダウンしかない。細かい足さばきが必要になるので、もしかすると日本人選手がトップを狙えるのではと思ったのですが、まさかのケニアの選手が一位。面白い試合でしたね。今回、シーズンインのレースなので注目されているのかなとは思っていましたが、想像以上に応援してくれる人々がたくさん来てくれて、まるでヨーロッパで開催されているような活気あるムードはとても嬉しかったです」
続いて、今回12位でゴールした近江竜之介選手にも話を聞いた。
「地元が京都で、六甲山には小学生の頃から何度も訪れたことがあるので、ある意味ホームコースというか。勝手は把握していたつもりなのですが、走ってみるとやっぱり狭いし特殊だと感じました。大きく4回も登るコースはそう多くないので、前半は細かい足さばきで乗り越えられても、3、4ループでは足がもつれてくるような感覚もあって…….。全力を出し切れたレースでしたが、過酷でした。でも、コースの過酷さはランナーにとっての魅力でもあると思いますし、来年以降も参戦してくれる人が増えてくれるといいなと思います」
-Day2-会場の様子
2日目は残念ながら霧が立ち込め、大粒の雨が降る展開。それでも、会場には嬉々として参加者が集まってくる。この日用意された種目は15kmシングル、15km駅伝、4kmシングル、4kペアの4種目。
初日と比べるとライトなため、参加者のランニングスタイルもより自由だ。一般参加者のスタイルを見ていこう。
-Day2-参加者のアウトフィット
渡邉みのり/販売員/25
トップス:lululemon / バックパック:Salomon / パンツ:lululemon / シューズ:Salomon / 時計:Apple
大木美紀/看護士/50
トップス:Patagonia / バックパック:Salomon / パンツ:THE NORTH FACE / スリーブ:THE NORTH FACE / シューズ:ALTRA / 時計:SUNTO
関谷広和/会社員/47
キャップ:milestone / トップス:THE NORTH FACE / バックパック:Salomon / パンツ:Teton Bros. / シューズ:MERRELL / 時計:CASIO
姥谷正浩/会社員/38
キャップ:on / トップス:adidas / ベルト:FlipBelt / パンツ:ASICS / シューズ:on / 時計:Garmin
岩本徹/介護士/63
キャップ:2XU / トップス:MIZUNO / バックパック:Salomon / パンツ:THE NORTH FACE / スリーブ:WORKMAN / シューズ:HOKA / イヤホン:Shokz / 時計:Garmin / グローブ:WORKMAN
千葉つかさ/フィットネストレーナー/26
トップス:Salomon / バックパック:Salomon / パンツ:Salomon / シューズ:Salomon / 時計:Garmin
傘を差さなければ5分ほどでずぶ濡れになってしまうような雨の中、出走開始。
思いきり雨に濡れる機会を楽しむかのように、初日以上のボルテージで走り出す。多くのランナーが安全に走破することを目標に設定し、『KOBE TRAIL』の2日目も大盛況のまま行われた。
〈サロモン〉 マーケティングディレクター Marion Blache氏インタビュー
『KOBE TRAIL』に合わせて、〈サロモン〉のマーケティングディレクター・ Marion Blache氏が来日。今回のレースの印象やトレランシーンの現在、そして展望について尋ねた。
ー今回のレースを見て、どのような印象を受けましたか?
「とてもよくオーガナイズされていて、選手、観客の双方に開かれたいい大会だったと思います。フィニッシャーにお酒が提供されていたり、和太鼓の演奏が用意されていたり、日本で開催する意義がきちんと反映された素晴らしい機会でした」
ーヨーロッパで開催されるレースと、大きく異なった点は?
「まずコースレイアウト。ヨーロッパよりもずっと強烈でした(笑)。上りも下りも急で、階段もあり、とにかくハード。参加者にとっては挑戦だったと思いますが、それを楽しんでくれていたようにも感じます。
今回実施した4つのループで構成されたコースは、参加者が新鮮なコースを走り続けられることに加えて、固定のエイドステーションを何度も通過することで、応援する人は何度も選手を観られる喜びがある。この形式のレースを今後も継続していきたいと思いました」
ー〈サロモン〉は今後どのようにトレイルランニングをサポートしていくのでしょうか。
「今回のような、和太鼓の演奏のような音楽も楽しめ、会場で食事もできるようなイベントを拡大して、より多角的に楽しめるパーティを実施していきたいと思っています。走る人はもちろん、観る人も、そのイベントに遊びに来た人も全員が楽しめるようなイベントをサポートしたい。トレイルランニングに限らず、広くスポーツに興味を持ってもらえる入口が作れたらと考えています。
ー『ゴールデントレイル』のような活動に力を入れている背景には、どのような思いがあるのでしょうか?
「トレイルランに限らず、日常の中にスポーツがあることはとても大切なことだと考えています。一番は自分で体を動かして参加することですが、観るだけでも充分に楽しめるのがスポーツの醍醐味。つまり、みんなで楽しめるもの。
だからこそ、本当はもっと身近な公園などで開催してもいいと思っているんです。どの国、どの街にも公園はあって、少し移動すれば身近な山もありますよね。そのような場所でカジュアルに楽しめることもトレイルランニングの魅力の一つなので、より初心者の方がやってみようと思えるイベントを手掛けていきたいです。なにより、スポーツを通して自然と触れ合うことはとても素敵なこと。それは〈サロモン〉の理念とも通じます。自然と楽しく触れあえる機会を提供していきたいという思いは、今後も変わらないでしょう」
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