グッと力んでから寝る。腹凹に導く安眠術|腹が凹む7つの習慣⑥
出てるお腹を凹ませたい。とはいえ辛いフッキンはやりたくないし、食事の内容を大きく変えるのはどうせ続かない…。こんな自分でもお腹は凹ませられる? その問いに対する答えはイエス。「凹ます」のは「割る」ほど難しくない。ちょっとした習慣を取り入れるだけで十分なのだ。今回着目するのは「睡眠」。寝不足だとホルモン環境が乱れ、過食→体脂肪蓄積に至る。忙しくても良質な眠りを過不足なく取るための習慣を知ろう。意外にもあえて力むとリラックスして寝入りやすいのだ。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/豊島 猛 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/三上数馬 取材協力/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション最高技術責任者)、神戸貴宏(Body Design Studio ASK代表)
初出『Tarzan』No.878・2024年4月18日発売
睡眠時間とお腹の関係
眠りとお腹。一見無関係そうだが、実は深い関わりがある。睡眠時間が短い人は太ってお腹が出やすいのだ。
理由は、食欲を調整するグレリンとレプチンというホルモンの分泌が乱れるから。グレリンは食欲を増進し、レプチンは逆に食欲を抑える。睡眠不足だとグレリンが増えてレプチンが減るため、過食から内臓脂肪が増えてお腹が出やすい。日中眠気を感じない1日7〜8時間の睡眠を確保すれば、お腹は凹みやすい。
決めた時刻に床へ入り、すっと眠って睡眠を効率的に取るのに有効なのは、あえて力んでから眠ること。
「昼間の緊張が強すぎると、夜になり“眠る前に脱力してリラックスしよう”と思っても、一向に脱力できないもの。軽く力んでから力を一気に抜くと、リラックスしやすくなり、安眠へ導きやすいのです」(パーソナルトレーナーの神戸貴宏さん)
これは「筋弛緩法」として知られるメソッド。全力で力むと緊張が強くなりやすいので、全力の60〜70%で力むのがポイント。4つのポーズを紹介したので、眠る準備ができてから寝室で試してみよう。
筋弛緩法のやり方
- リラックスできる環境、服で行う。
- 10秒間力を入れて緊張させる。
- 力む際は全力の60〜70%に留める。
- 15〜20秒間脱力・弛緩する。
- 力むときも脱力・弛緩するときも呼吸を止めない。
手・腕
床で仰向けになり、両脚を腰幅で伸ばす。両腕は体側で「ハ」の字に開き、手のひらを天井に向ける。拳を握って手首を内側へ曲げ、肘も曲げ、肩をすくめるように、手・腕全体を緊張させる。一気に力を抜いて両腕を床に戻し、手首、肘、肩を緩めてリラックスする。
足・脚
両膝をピンと伸ばし、爪先を脛に向けるように足首を曲げ、股関節から両脚を引き上げ、足・脚全体を緊張させる。一気に力を抜いて両脚を床に戻し、両膝と足首を緩めてリラックスする。
頭・首
首を曲げて顎を引き、首まわりを緊張させて頭を床から起こす。一気に力を抜いて頭を床に戻し、首まわりを緩めてリラックスする。
体幹
お腹を緊張させて両脚と上体を同時に床から起こす。一気に力を抜いて両脚と上体を床に戻し、お腹を緩めてリラックスする。
他にもある、安眠のための工夫
切り替える時間を作る
日中覚醒し続けているのに、就寝時刻になったら突如スイッチがオフになり、眠れるわけではない。「覚醒と睡眠の間に10〜20分のトランジションタイム(切り替える時間)を設けてください」(フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さん)。切り替え時にやるべきルーティンを決めると暗示効果で寝入りやすい。筋弛緩法以外にストレッチや深呼吸などを取り入れて。
全身入浴ができない日の新習慣
浴槽入浴で体温を上げると、1時間ほどすると反動で体温が下がり始める。そのタイミングだと寝入りやすくなるが、毎日浴槽入浴するのは大変。お薦めは、洗面器にお湯を張って行うハンドバス(手湯)やフットバス(足湯)。血液は全身を循環しているから、全身を浴槽で温めなくても、手足を温めるだけで体温は上がり、その後の体温降下フェイズで入眠しやすい。