【花粉症対策に】アレルギーを抑える部屋づくりのコツとおすすめアイテム
寝ている時間を含め、一日を通して人が最も長く過ごすの自分の住まい。花粉をはじめダニやカビ、ペット由来のものなどアレルギーを引き起こすトリガーは数多く、症状緩和のためには居住空間から見直したい。では、具体的にどうするか。ここでは、アレルゲンの対策や除去方法を啓発する白井秀治さんと、日本が誇る空調機メーカー〈ダイキン〉にその方法を聞いてまとめた。おすすめアイテムも併せてご紹介。
取材・文/重信 綾 撮影/吉松伸太郎 スタイリスト/豊島 猛 取材協力/白井秀治(東京アレルギー呼吸器疾患研究所環境アレルゲン研究班 班長)、ダイキン工業(株)
初出『Tarzan』No.875・2024年3月7日発売
教えてくれた人:白井秀治さん
しらい・ひではる/ NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所環境アレルゲン研究班班長、環境アレルゲンinfo and care(株)代表。専門はアレルゲンに関わる室内環境整備。アレルゲンの対策や除去方法、測定や評価法について対策を啓発する。
エントランス&リビングルーム
花粉対策は玄関から。しっかり除去を
花粉など外からやってくるアレルゲンは、できる限り家に入れないように工夫することが重要。
「まず衣服に付着したアレルゲンを玄関で払い落とし、上着は必ず脱いで部屋まで持ち込まないように。玄関や部屋の出入り口、アレルゲンの溜まりやすい場所に空気清浄機を設置することも効果的です。湿度を40〜60%に保つことでカビやウイルス対策に繫がります」(ダイキン広報)
多くの時間を過ごすリビングには、ソファやクッションなど、ダニの温床となる毛足の長い、人が触れる頻度の高いインテリアアイテムがたくさん置かれがちだが、
「布ではなくダニや埃がつきにくいレザーやビニールの素材を選ぶことも一つのアイデア。物を置かないことも対策になります」(白井先生)
上着は玄関で脱ぎ、スチームアイロンを使用する
帰宅時は衣類や髪についた花粉を玄関先でしっかりと落とす。上着は玄関近くに収納、また、スチームアイロンを当てることで熱に弱い花粉やダニ対策ができる。アイロン《Steamery》26,400円、WEBサイト
空気清浄機を設置する
家に侵入した花粉や、ダニのフンや死骸を減らすには、空気清浄機の活用が有効。低い場所に溜まりやすいので、床付近に置くと効果的。空気清浄機《F-VXW70-W》(パナソニック)71,500円、WEBサイト
ソファやクッションは革製やビニール張りのものにする
滞在時間が長く、人が触れる機会の多いソファやクッションは、ダニやカビが繁殖しやすい。特に、布で包まれたアイテムはダニのすみかとなるため、レザーやビニール素材などダニが入り込めない素材を選ぶことも大事。
布製のぬいぐるみなどは置かない
ソファやクッションと同様、布製のぬいぐるみはダニやカビの温床となりやすいので、特殊素材のものを選ぶように。《クリニックミニぬいぐるみ》(カービック ジャパン)各1,320円、WEBサイト
床にはできるだけ物を置かない
ダニのフンや死骸、花粉は低いところに溜まりやすい。そのため、床に置くものを減らすことで掃除機をかけやすくなり、部屋の隅々までアレルゲンを除菌できる。また、ラグはダニやカビのすみかとなるため、敷かないのがベター。
湿度計を置いておく
ダニは湿度が高いと活発に動き、花粉は空気が乾燥している空間で飛散しやすい。アレルゲンに応じた湿度管理(40〜60%)を。湿度計15,400円、ホルダー3,300円、共にGeorg Jensen、WEBサイト
花粉対策にはブラインドよりもカーテンが有効?
花粉の入り口となる窓につけるなら、隙間の多いブラインドよりも、花粉をキャッチして侵入を防ぐカーテンがおすすめ。除湿機《Albert》(StadlerForm)64,900円、WEBサイト
アレルギー対策グッズ
ベッドルーム&クローゼット
空気清浄機や防ダニアイテムの活用がカギ
家の中で最も、生きているダニや、その死骸やフンなど、さまざまなアレルゲンが存在するベッドルーム。
「布団の上げ下ろしをすることでリビングの約1000倍、寝返りを打つと約8〜10倍のダニのフンや死骸のタンパク質が寝室空間に浮遊。また、そのほとんどが約30分後には床などに落ちていきます。掃除に加え、空気清浄機をベッド近くに置く、寝具に防ダニ効果のあるカバーを掛ける、ラグやぬいぐるみなどダニの行き場となるアイテムを置く場合にはお手入れするなど、対策をしましょう」(白井先生)
「空気清浄機の周りに障害物を置かないようにしましょう。エアコンの向かい側に設置すると、エアコンの気流との相乗効果で効率が上がります」(ダイキン広報)
空気清浄機を設置する
寝室に置くならベッドから1m以内の近い場所、さらにアレルゲンが溜まりやすい床に設置すると効果的に除去してくれる。空気清浄機《Airdog X1D》(エアドッグ)59,400円、WEBサイト
除湿機を併用する
寝室は湿度も上がりやすい。湿度が60%を超えると、ダニやカビが繁殖したり、ダニの活動が活発に。湿度は40〜60%の間を保てるようにしよう。除湿機《CV-R60》(シャープ)オープン価格、WEBサイト
布団には防ダニのカバーなどを利用する
寝具のダニを減らすには、布団の中にダニが侵入することを防ぐ高密度生地のカバーを使うことも手。《マットレス保護カバー》11,500円〜、《布団カバーセット》12,000円〜、共にKoala、WEBサイト
ベッドの両脇に空気の通り道を作る
ベッドは、できるだけ壁につけないように配置して、空気の通り道を作るように。通気性がよくなることで、花粉やダニ、埃などのアレルゲンが溜まることや、カビの繁殖防止につながる。掃除がしやすいところもポイント。
床にはできるだけ物を置かない
リビングの項で触れた通り、ダニや花粉などのアレルゲンは低いところに溜まりやすい。特に寝室は寝具があることでダニが増えやすいため、すみかになりやすいものは置かないように。どうしても置きたいなら洗えるものに替えよう。
布製のぬいぐるみなどは置かない
ダニやカビが繁殖しやすいぬいぐるみは避け、樹脂やプラスチックなど、布以外の素材を使ったインテリアアイテムを飾ろう。《レゴ® スター・ウォーズ™ R2-D2™》(LEGO®)オープン価格、WEBサイト
クローゼットはできるだけ換気を
衣類などの繊維には、生きたダニ、その死骸やフンなどがつきやすい。また、今の時期は外出先でついた花粉がクローゼットの中に入ってくる可能性も高いので、こまめに換気をして、アレルゲンが溜まらないようにすること。