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にしだ・こうじ/2000年に哲夫と〈笑い飯〉を結成。10年『M-1グランプリ』優勝、20年には個人で『IPPONグランプリ』の王者に。中学時代、忍者に憧れて鎖帷子を自作するも、金属アレルギーの反応が出たために、1日で着用を断念した。
『M-1グランプリ』『IPPONグランプリ』と数々の賞レースを制した実力派お笑いコンビ〈笑い飯〉の西田幸治さん。実は幼少期からアトピーに悩み、症状を和らげるために、あらゆる方法を模索してきたそう。そんな西田さんにアレルギーにまつわるエピソードとたどり着いた付き合い方を教えてもらった。
「ある朝、妻から“夜中にお布団でおかきを食べてなかった?”と聞かれたんです。でも、何のことか分からんかった。別の晩にアトピーの痒みが出たのでボリボリ搔いていたら、隣にいた彼女が“それそれ!”と。“これはおかきじゃなくてカラダを搔いている音や!”と説明したものです」
夢の中でも、アトピーのムズムズは止まらない。幼少期から西田さんの格闘は続く。
「4歳の時に痒すぎて眠れんくて、血が滲むまで搔きむしった夜がありました。それからは両親が寝る前に僕の手に布を被せるようにしていましたね。これなら搔いても皮膚にダメージがないと。寝ている間は無意識なんで制御できないんですよ」
暗闇の寝室に響き渡る謎の音は西田さんがおかきやおせんべいを嚙み砕いているように聞こえたそう。
アトピーの症状を和らげるために、あらゆる方法を模索してきたそう。
「肉と油を断ち、3年ほど漢方を服用していました。でも、僕には合わんかったようで。今は酒も飲んでいます。火照ると悪化するらしいですが、我慢するストレスでも症状は出るので。
だったら、楽しい方がいい。ちなみに痒い場所は年代で変わりますね。最近は胸の間。中年太りで形成された谷間が汗で蒸れるらしく、痒い。だからスベって変な汗をかきたくないんです(笑)」
かかりつけ医が処方する保湿剤の《ヒルドイドローション》で毎日保湿。炎症がひどくなった時の手当て用に《ロコイド軟膏》を携帯。
取材・文/松岡真子 撮影/石原敦志
初出『Tarzan』No.875・2024年3月7日発売