花粉症の「症状と生活スタイル」に応じた薬選び(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は花粉症をやわらげる「薬の選び方」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
鼻がムズムズするシーズンがやってきた!
花粉の季節がやってまいりました。反応する人はもう反応し出してますね。皆さまいかがでしょうか? 花粉症の根本治療には腸活が欠かせませんが、腸活をするにしてもしないにしても、今出ている困った症状は、今なんとかしなければなりませんよね。
ときどき頑なに「花粉症の薬は飲まない!」という方に会います。かなりしんどそうですが、薬を飲んでも飲まない時とパフォーマンスが変わらなかったから、というのがお薬を拒む理由だそうです。
お薬で嫌な思いをすると、「もう飲むもんか!!」という気持ちにもなりますね。でも、花粉症のお薬が何もかもダメなわけではなく、これは残念ながら自分に合っていないお薬にあたってしまったんですね。
花粉症のお薬はけっこう種類がありますから、他にも選択肢があることを是非知っていただいて、次のお薬選びに活かして欲しいなと思います。
市販薬を選ぶポイントとは
私は漢方屋なので漢方薬をおすすめするのですが、抗アレルギー薬と呼ばれる、いわゆる分子標的薬の選び方について簡単にお話しします。一般にいう、花粉症の薬、です。
この花粉症の薬、選ぶときに運転に関する記載を見ていただきたいのです。花粉症の薬は運転に関して、大きく3つに分けられます。
- 運転に関する記載のないもの
- 運転には注意を要するがしてもいいもの
- 飲んだら運転不可のもの
この3つです。
運転してもいいものに比べると、運転不可のお薬は抗アレルギー作用が強い傾向があります。アレルギー症状をビタッと抑えてくれる一方、眠気や猛烈な渇きを引き起こすなど、副作用も強めです。運転に注意が必要なお薬は、効き目も副作用もそれらの中間の強さということです。
困った花粉症の症状をとにかく止めたいから、効き目の強い薬を飲みたい気持ちはよくわかります。でも強すぎて却って辛い思いをしてしまうことがあるんですね。
眠気が心配であれば漢方薬を選ぶのもあり
花粉症に用いる代表的な漢方処方、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)はどちらも運転に関する記載がなく、眠気を催すことはありません。
でも弱くて効かないということは全くなく、服用後20分程度で症状はかなり緩和されます。注意点としては、服用するとどちらもドーピング陽性になります。公式のスポーツ大会に出場の予定がある方は他の選択肢を。
お薬は漢方薬に限らずどんなものでも効き方に個人差があります。運転注意の薬の方が、運転不可の薬より効き目も副作用も強く出てしまうこともありえるのはご了承ください。
服用回数が少ないもの、とにかく作用が強烈なもの、マイルドでも充分に効果の実感できるもの、ご自身のパフォーマンスを高められる相性の良いものを探して、辛い季節を乗り切ってください。