花粉症、二日酔いなどに…。即効性のある漢方薬3選(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は「即効性のある漢方薬」をご紹介。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
20分で効く漢方薬もある!
花粉症の季節に活躍する漢方薬を紹介すると、なぜか多くの場合「どうせ効かないんでしょ」と侮られることがあります。いいえ効きます!!しかも即効です。
こんな誤解が生じるのは、漢方薬に「体質改善薬」としての側面があるからのようです。確かに体質改善はある程度の時間を要するものです。
花粉症の治療はまさに体質改善の良い例で、やはり時間がかかります。そして生活の見直しも必須です。今出ている症状を止めたいのに流暢に体質改善に取り組んでいる余裕がないのは重々承知。でも安心してください。体質改善薬とはまた別の、症状に対応できる即効漢方薬もあるんです。
今出ているくしゃみや目の痒み、鼻炎症状を止めるなら、お悩み解決までほんの20分です。
① 花粉症には…小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
今回は常備しておくと便利な即効漢方薬をご紹介致します。
まず一つ目は先述した花粉症の即効漢方薬です。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、透明でさらさらとした鼻水や痰、くしゃみ、鼻詰まり、目の痒みなどに効果があります。麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)も同様の症状に効きます。
② 痛み止めには…芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
二つ目は痛み止めの即効漢方薬、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)です。芍薬甘草湯は別名「去杖湯(きょじょうとう)」といい、筋肉の痙攣を伴う痛みに有効です。こむら返りの妙薬として有名で、早ければ5分前後で効果が現れます。急な腰痛や腹痛の他、多くの女性が経験する生理痛にも効きますので、心配な方は持ち歩くと安心です。
③ 二日酔いには…五苓散(ごれいさん)
三つ目は二日酔いの救世主、五苓散(ごれいさん)です。二日酔いの困った症状といえば頭痛、吐き気などですが、そのどちらにも五苓散は効きます。なんなら浮腫みもとってくれます。
飲酒前に服用して二日酔いを予防するのは、漢方を生業にする人の間ではよく見られる光景です。黄連解毒湯(おうれんげどくとう)も同じく二日酔いの即効漢方薬です。
いかがでしょうか。漢方薬って意外と頼りになると思いませんか?
もちろん、体質によって効きやすさに差はありますし、血圧の高い方は注意が必要なものもあります。そして、これら即効漢方薬はほとんどの場合、飲み続けることで体質改善が叶うものでもありません。自分のカラダ、症状に合ったものを上手に選んでみてください。