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優木まおみさんと学ぶ〝快眠学〟。「爽やかな朝、迎えていますか?」

世界で特に睡眠時間が短い日本の女性。育児や家事など、睡眠まで考えられない人も多い。優木まおみさんと、女性の睡眠の悩みに詳しいドクターの対談から、その実情を探ってみた。

優木まおみさん 1980年3月、佐賀県生まれ。テレビ番組のMCやコメンテーター、女性誌のモデルをはじめ「身体美容家」としての活動など、まさにマルチタレント。2児(いずれも女子)の母でもある。

池上あずさ先生 〈くわみず病院〉(熊本市)院長。専門は睡眠・呼吸器内科で、周産期や更年期を含めた女性の睡眠研究の第一人者。同院の睡眠センターでは、睡眠時無呼吸症候群を含めた睡眠関連の疾病の治療を行う。

ピラティスを始めたことで、眠りとの付き合いも改善

優木さん
2人目の子どもを出産した後、自分のペースで眠れないことで、ココロまで落ち込んだ経験があります。あまりに辛かったので、カラダもココロも整えようとピラティスを始めました。ピラティスを通じて呼吸が深まって、カラダのこわばりまで取れたので、眠りとの付き合い方も良くなっていきました。
池上先生
私が女性のための外来を始めたのは、優木さんのような産前産後や妊娠中の女性、そして更年期の方の睡眠の改善のためでした。日本人の睡眠は平均7時間17分で世界的にも短さが問題になっています。40代、50代の女性はさらに1時間ほど短いといわれているので、大変な状況だと言えます。
優木さん
早起きするお母さん=良いお母さん、という世間の風潮は、多くの女性を辛くさせていると思います。私は、ピラティスに出合って、そして子どもも大きくなったことで、気持ちもカラダも楽になりました。料理も上手じゃないし、掃除も得意ではないですが、“こんな母ちゃんがいてもいいじゃん”って(笑)。今では11時には寝て、朝7時に起きています。
池上先生
十分な睡眠によって、脳の中では情報が整理され、ストレスも軽減します。適切な睡眠時間は個人差が大きいのですが、平均的には7~8時間といわれています。
優木さん
仕事などで早起きして睡眠が足りていないと、脳にモヤがかかって、目の奥に違和感を覚えます。次の晩、普段通り寝るとシャキンッとなるので、今の睡眠が合っているのだと思っています。寝る前は、夜の9時くらいにお風呂で湯船に浸かって、その後にストレッチと瞑想をしています。
池上先生
優木さんの睡眠は素晴らしいですね。目覚めた時にすっきり満足できる“休養感”は重要です。休養感がある方は、糖尿病や高血圧などの心疾患のリスクも低いというデータもあります。女性は更年期に入ると、睡眠時間は短くなり、睡眠そのものも浅く、途切れがちになります。睡眠時間にこだわりすぎると、無理が生じることも要注意です。

女性は更年期に入ると、眠りに問題を抱える人も

優木さん
若い頃は生活も不規則で、いつでもどこでも眠れたのですが、今は睡眠が取れているので、昼間に眠気を感じません。
池上先生
女性は更年期に入るまでは、女性ホルモンによって睡眠と呼吸が守られています。いびきや睡眠時の無呼吸などが女性に少ない理由です。でも更年期を迎えると、入眠障害や中途覚醒、いびきや睡眠時無呼吸(SAS)といった問題を抱える方が増えます。
優木さん
いびきや睡眠時の無呼吸って、太った男性の印象でしたが、違うのですね。
池上先生
不眠で悩む女性が、実はSASが原因という例はたくさんあります。SASによって眠りが浅くなり、中途覚醒もするので、休養感が得にくく、日中も疲れを感じやすくなります。パートナーや家族の方は、女性の不調やかわいいいびきに気づいたら、睡眠に問題がある可能性にも配慮したいですね。医療機関では検査も受けられますし、治療によって世界が変わったという患者さんもいらっしゃいます。
優木さん
私はピラティスのインストラクターもしているのですが、更年期の方も参加されています。ピラティスは呼吸を促すワークなので、呼吸を通してリラックスすることができます。
池上先生
不眠の治療※1でも、カラダの緊張をほぐし、過度な覚醒を鎮める目的で、リラクセーションが取り入れられています。昼間の活動量を増やすことは、睡眠の質を高めるので、運動を取り入れることはよいことですね。更年期になると体重が増えるだけでなく、たるみも出ます。たるみの解消はSAS対策としても良いことです。
優木さん
ピラティスのワークではないのですが、舌を根元から持ち上げてキープする「ミューイング」というトレーニングをしています。舌を鍛えられますし、フェイスラインもスッキリ小顔になれます(笑)。
池上先生
鼻呼吸に自然になるので、よさそうですね。患者さんに勧めてみます(笑)。

STUDY
睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に、無呼吸(10秒以上呼吸が止まる)や浅い呼吸(低呼吸)が何度も繰り返し起こる状態を睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ぶ。SASは舌根沈下(舌の根元が喉の奥に落ち込む状態)によって引き起こされる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が種類として最も多い。いびきを伴うことが多く、ベッドパートナーの睡眠も妨げるため、互いのさまざまな健康問題に繫がる。体重の過多や肥満、加齢、喫煙、寝る前の飲酒もSASのリスクを上げる。日本では中等症以上のSASの患者が推定で900万人※2。医療機関による睡眠検査と診断を経て、適切な治療を受けることが大切だ。

中年男性だけじゃない! 女性もSASになる可能性がある

女性も年齢を問わずSASを発症する可能性がある。SASは、顎が小さかったり※3、上気道が狭いなどの身体的な特徴が原因とされるためだ。世界で最も睡眠時間が短い日本※4で、女性の睡眠が特に短いことが問題視されている。女性は更年期に入ると睡眠に変化が起きやすく、下記のような症状を伴うことがある。本人のみならず家族も含めて女性の睡眠への理解を深めるとともに、適切なケアのために医療機関への相談も選択肢に加えておこう。

※1 https://sleepspot.resmed.jp/symptoms/insomnia/treatment-options/ ※2 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31300334/ ※3 https://sleepspot.resmed.jp/symptoms/sleep-apnea/ ※4 https://link.resmed.com/jp-sleepstudy-pdf

CHECK
レスメドの 「睡眠セルフチェック」で自分の睡眠を知ろう。

※睡眠時セルフチェックは、睡眠に関する症状の一般的な因子を持っているかを検査する自己評価ツールです(診断や医学的なアドバイスをするものでは決してありません)。睡眠チェックの結果はあくまでも指標なので、もし必要と思われたら、自身の判断で、できるだけ早く医師に相談されるとよいかもしれません。なお、睡眠セルフチェックの内容は、不定期に更新されることがあります。

ResMed (レスメド)

睡眠に関するテクノロジーで人々をトータルにサポートする企業。オーストラリアのシドニーで1981年に創業し、現在は日本を含めた世界140か国以上でサービスを展開している。ResMedが掲げる目標は「良質な睡眠習慣を促進し、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害に対する認知を高めることで、人々に最高の目覚めと健康的な生活を楽しむための手段を提供すること」。健康な呼吸を表す、青から赤へのパルス曲線をシンボルとしている。

取材・文・編集/大田原 透 撮影/小川朋央、津久井珠美(池上先生) スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/久保フユミ

初出『Tarzan』No.876・2024年3月21日発売

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