テレビシリーズの撮影を経て臨んだ映画版。役者としての成長を感じた半年
地球から遠く離れた天体M421からやってきたウルトラマンブレーザーが活躍する本シリーズ。劇場映画では、日本の首都・東京を舞台に、ウルトラマンブレーザー&SKaRDと大怪獣の壮絶な戦いが繰り広げられます。
テレビシリーズに引き続き、搗宮さんはアオベ エミ、内藤さんはミナミ アンリ、梶原さんはバンドウ ヤスノブとして出演。
3人とも同じ作品にこれだけ長期にわたって携わる初めての体験だったそう。ただ、約半年に及ぶ撮影のなかで役者として成長できたからこそ、映画の撮影にも自信を持って臨むことができたと話します。
搗宮「テレビシリーズは隊員が集められるところから物語が進んでいくのですが、実は私たち自身もほぼ初めましての状態だったんです」
内藤「物語の進行と同じくらいの感じでリアルでも仲良くなったよね。それに私はドラマの現場自体が初めてだったから何もかも新鮮だった。最初はカメラの位置とかもよくわかってなくて(笑)」
搗宮「本当? まったく感じなかった」
内藤「内心はすごく焦っていて、ドキドキだった!」
梶原「僕も同じ役を半年も演じるのは初めてのことだったので、やりきっただけですごく自信になった。役者として、ひと皮もふた皮もむけた気がします」
搗宮「梶原くんはすごく変わったよね。葛藤しながら演じている雰囲気もあって、それが良い意味で演技に出ていた気がする」
テレビシリーズの撮影を経て変化したのは、搗宮さんや内藤さんも同じでした。それぞれに演技と向き合うことで、自分の新しい一面を知ることになったそうです。
搗宮「役について研究すればするほど、自分の知らない一面に気づくことができました。エミちゃんは諜報員ということもあって、変装していろんな場所に潜入するのですが、話し相手や話の内容によって声のトーンとかテンションとかを変えるのが得意なんです。そうした役を演じるなかで、こんな自分がいるんだってハッとする瞬間があって。それには驚きました」
内藤「アンリは私と似ている部分がすごく多いんですね。たとえば、初めて体験することに弱いとか。私自身、今回の撮影は初めて尽くしで思い通りにいかないことが多かったんですけれど、この経験は次に絶対に活きるなと思っています。
あと、役柄から影響を受けたこともあって。アンリは自分が思っていることをポンポンと言える性格で、それに影響されて日常生活でも意見をはっきり言えるようになりました」
トレーニングで鍛えた技術や肉体を惜しげもなく披露
またドラマ版では、3人の経歴を活かしたアクションも話題に。たとえば、搗宮さんは特技の水泳で培ったしなやかなカラダを活かした迫力ある格闘戦を繰り広げています。
搗宮「それぞれの俳優の持ち味を田口(清隆)監督がうまく引き出してくれたんです。私は、ウェイブという戦闘術を披露しているのですが、監督からのオーダーがあって取り入れていて」
また、内藤さんは極真空手の有段者だということで、当初予定になかった空手の型を見せる機会がつくられたそうです。
内藤「私が演じたアンリも空手ができる設定ではなかったんですけれど、私が20年以上空手をやっていることを知って、道場にいるシーンをつくってくれて。芝居を通して私たちの個性が透けて見える感じになっているんじゃないかなって思います」
またテレビシリーズの第6話「侵略のオーロラ」では、ボディコンテストやSASUKEに出場した経験のある梶原さんの肉体美を見せる場面も。肥大化した胸筋や引き締まった腹筋に対して、SNSを中心に大きな反響がありました。
梶原「僕が普段から鍛えてくれることを田口監督が知って、見せ場を用意してくださったんです。すごくありがたかったですね」
搗宮「チューブを持ってきて、撮影前にパンプアップしてたもんね」
梶原「当然ですよ、大事なことですから。ただ、もう少し前から準備しておけばよかったっていう気持ちもあって。それを言ったらきりがないんですけど(笑)」
内藤「3人とも実際に得意としていることを演技に活かしているから説得力があるというか、嘘っぽくないのがいいという感想をくださる方もいて。そう言ってもらえると、頑張って取り組んできた甲斐があるなって思いますね」
ちなみに映画では、テレビシリーズ以上にそれぞれが活躍するシーンが随所に盛り込まれているとか。
搗宮「テレビシリーズだと、ヒューマンドラマが描かれるパートとウルトラマンブレーザーが戦うパートがそれぞれ10分くらいで、すごく限られた時間でお芝居をするイメージなんですね。それが映画だとヒューマンドラマのパートがたっぷり割かれているので、『これが映画だ!』と個人的に盛り上がりました(笑)」
内藤「それぞれがフィーチャーされているシーンがあって、『このキャラクターはこういう感じだよね!』って思える場面がたくさんあるので、そこは注目してほしいですね」
この映画をコミュニケーションツールにして親子でたくさん話してほしい
『ウルトラマンブレーザー』は「コミュニケーション」がひとつのテーマになっており、これまでも「人間とウルトラマン」「人類と怪獣・宇宙人」「現場と司令部」など、それぞれの立場や思考の相違から生まれる対立や葛藤、それらを乗り越えた先にある協調などが描かれてきました。
今回の映画では、「親と子」の関係にフォーカスが当たっており、見る人によっては考えをあらためる機会になるのではないかと3人は意見を一致させます。
梶原「仕事が忙しくて子供と接する機会が少ない人はショックを受けるんじゃないかな」
搗宮「私自身、子供の頃はお母さんやお父さんに言えないことがけっこうあって。この映画を観ることで親子で話し合おうって思いそうな気がする」
内藤「ウルトラマンブレーザーをコミュニケーションツールにして、たくさん話してみてほしいよね」
ニュージェネレーションウルトラマンシリーズ10周年の節目として、堂々の映画公開となる『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』。あらためて、それぞれに考える本作の見どころは?
梶原「劇場映画では、ブレーザーVS怪獣だけでなく、隊員たちもけっこう戦っているんですよ。人VS怪獣の対決も迫力あるので、ぜひ注目してもらいたいです」
内藤「ネタバレになっちゃうから詳しくは言えないんですけど、私が演じるアンリは虫嫌いなんですね。それなのに…っていうシーンがあるので、彼女の勇姿をぜひ見てほしいです。それで、よく頑張ったって言ってほしい(笑)」
搗宮「物語はもちろんなんですけれど、よかったらエミちゃんの表情にも意識を向けてもらえたらうれしいです。いろんな表情をしているので、このときはこういうふうに思っているんだろうなって考えながら見てください!」
内藤「あと、ブレーザーの戦い方もドラマ版とは少し違うというか、人間のことをだいぶ理解してきた感じがあるので、それもお楽しみに!」