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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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トレーニー入門者なら、候補に挙がるジム通い。しかし、何を着て、どう振る舞うのが正解なのか。独自のルールがあったらどうしようと不安な気持ちから、ジム通いを敬遠してしまっている人も多いのでは? そんな人が安心して行けるように、ジムでしないほうがベターなことを、〈レイザーラモン〉の二人に考えてもらった。
〈ラーメン二郎〉の注文方法のように、独自のルールがあったらどうしよう。そんな不安が頭をもたげ、ジム通いを敬遠してしまっている人も多いに違いない。「使い終わった器具は静かに床に置く」「重い重量を挙げてる時に雄叫びを上げない」などは思いつくが、それ以上は未知の世界だ。
レイザーラモンRGさんもそんなジム恐怖症の一人。初心者だからと老舗マッチョにナメられたくないし、お調子者のチャラマッチョと思われたくもない。
そこで助けを求めたのは、筋トレの聖地〈ゴールドジム〉を熟知し、芸人界を代表するグッドトレーニーでもあるレイザーラモンHGさん。RGさんが聞き、HGさんが答える、ジムマナーあるあるとは。
レイザーラモンHG(以下、HG):なんで脇を隠してんねん!
レイザーラモンRG(以下、RG):剃ってこなかったからだよ。これはジムマナー的にNGだろ?
HG:いや、そんなことないから(笑)。
RG:本当かな…じゃあ、まずジムに行ったら何すればいい?
HG:ロッカールームで着替えるやろ。あ、ロッカーの鍵を腕に巻くのはチャラいな。藤森(慎吾)がやっているの見たことあるけど、手首でええやん。
RG:加圧を意識してるとか?
HG:なら謝るけど(笑)。
RG:そもそも何を持っていけばいいの? 水はペットボトルでええの? やっぱりマイボトル?
HG:どっちでもええよ! ただ、持っていった水がなくなると、給水機で補給したいやん? それ自体は全然ありだけど、後ろに誰かが並んでいる場合は控えたほうがいい。老舗マッチョは常に後ろを気にしているな。
RG:プロテインは持っていかなあかんの?「あいつ、飲まないで帰りおった!」とか思われんの?
HG:誰も思わんて!「この後、プロテイン代わりの食事をしてほしいな〜」くらいやろ。でも、ロッカールームで飲むのはやめたほうがいいかも。たまに床を占領してプロテインを作ってる人がいるけど、あれは邪魔。しかも、そういうのに限って、蓋の閉め方が甘くて、シェイクするとき盛大にこぼしたりするんだよ。
RG:え、じゃあどこで飲めば?
HG:事前にシェイカーにプロテインを入れて溶かすだけならロッカーでもいいけど、ラウンジがあるなら、そこがベスト。さらに、ボトルの壁面に溶け残ったプロテインを、何度も水を入れて最後までキレイに飲んでいるマッチョを見ると、嬉しくなる。
RG:最後はめちゃめちゃ薄いやん。
HG:まぁ、美味しくはないよな。でも、無駄にしない心が大事。
RG:じゃあ着るものは? 例えば靴とか。
HG:トレーニング用なら何でもええよ。〈コンバース〉の《チャックテイラー》とか〈ナイキ〉のコラボものとかを履いている人を見ると、「どこに気を使ってんねん!」とは思うけど。
RG:そんな人いるの!? 俺はスニーカー好きだけど、コラボものなんてもったいなくて履けない…。逆に老舗マッチョは何を履いているの?
HG:〈アシックス〉とかな。
RG:それは確かに浮かれてなさそう。
HG:うん、〈アシックス〉を履いている人は好感持てる。ちゃんと日本人の足に合ったトレーニングシューズを開発してるし。
RG:じゃあ、ウェアは? ドウェイン・ジョンソンと〈アンダーアーマー〉のコラボものを着たら、「もちろん、めっちゃ重いダンベル持てるんでしょうね」みたいに思われんの?
HG:あれな(笑)。ドウェイン・ジョンソンかどうかっていうより、あれ、タンクトップの場合は、肩紐の太さにバリエーションがあるやん? どれくらい細いかは気になるかな。やっぱり、上級者ほど細くなる傾向にあるんですよ、筋肉の動きを見てトレーニングをしたいから。最終的には乳首を紐一本で隠すぐらいになるんやけど(笑)。
RG:肩紐が細すぎるのは、初心者に不向きだと。ちなみに、ドウェイン・ジョンソンと〈アンダーアーマー〉のコラボもので、袖なしなのにフードがついているやつあるやん? 俺、買ったけど。あれはなんで?
HG:それは…ドウェイン・ジョンソンの趣味なんじゃない?
RG:じゃあ、バンドTは?
HG:バンドTは…無意味な注目を集めてしまうかもな。
RG:袖を切っていればオーケー?
HG:そやなぁ…っていうか、バンドTは見たことないな。
RG:バスケジャージは?
HG:あぁ…それはチャラマッチョが着ているイメージがある(笑)。
RG:キャップは? 〈ニューエラ〉のベースボールキャップはダメでしょ?
HG:っていうか、キャップ被っていると、ラットプルダウンをしているときにつばがマシンに当たんのよ。だから、つばを後ろにして被るんだけど、それやったらいらんなって思う。
RG:キャップはカッコつけにいっている可能性があると。
HG:うん、老舗は被らない。
RG:ハゲても?
HG:関係ない。
RG:日焼けはどれくらいしたらいい?
HG:日焼けかぁ…。俺もボディメイクをやっていた頃は、サロンに行っていたけど、日焼けってやり込んでいくと自分の黒さに対して麻痺しちゃうんですよ。十分に黒いのに、まだ白いと思っちゃう。
日焼けサロンに行っている人って、どんなにガリガリでも黒かったら尊敬されるから。俺も昔の写真を見たら、ちょっと怖くなるくらい黒いもん。だから、サロンに行くのはいいけど、客観視しながらほどほどに。
RG:でも、真っ白いカラダで行ったら、ナメられるでしょ?
HG:ナメへんナメへん。逆に「こんなに白いのにしっかりカットが出てる」って尊敬されるんちゃう? っていうか、全然トレーニングの話をしてへんけど、大丈夫か?(笑)
RG:じゃあマシンの使い方のマナーって何かある?
HG:自分の使いたいマシンを、あんまり独り占めせずにやればいいんちゃう?
RG:だから、何分使ったら「独り占め」と判断されるんですかって話ですよ!
HG:それはトレーニングによっても変わってくるけど。でも、セット間の休憩中も、マシンに座っているのはよくないな。3セットやるとして、1セット目が終わったとき、並んでいる人がいたら譲る。
ときどきいるけどな、「並んでますよ」ってこっちがアピールしてんのに、構わずスマホをいじっているチャラマッチョが。何分使うとかより、そういうマナーを意識したほうがいい。
RG:使い終わったマシンの座面は拭いたほうがいいの?
HG:それは一番基本の礼儀やな。
RG:じゃあ、拭く用のタオルは持っていったほうがいい?
HG:それは基本的にジムに備え付けてある。あとは、座面に自分のタオルを敷いてから、マシンを使うとかかな。そういうところは、老舗マッチョは見ているかもな。
RG:逆にチャラマッチョは拭かない?
HG:そういう人もおるよな。あと、チャラマッチョにありがちなのが、トレーニングが終わっても、鏡の前を占領してポージングしちゃうこと。鏡で筋肉の動きを見ながらトレーニングするのは全然いいんやけど…。
RG:ちょっとだけTシャツをめくって、腹筋を見せて、写真に撮ったりするやつだろ? SNSでよく見る。
HG:あれはあかんよな。〈ゴールドジム〉なら鏡の部屋があるから。
RG:他に「こいつ、チャラいな」って思うマシンの使い方は?
HG:逆三角形のカラダが美しいとされている競技もあるから、目的にもよるんやけど、見かけだけを気にしてやってるならチャラいね。逆にデッドリフトとかスクワットとか下半身をしっかりやっているトレーニーは信用できる。
RG:そういうところでマウンティングを取るんやな、老舗マッチョは。
HG:いや、そもそも老舗マッチョはマウンティング取らへんから。真面目に取り組む初心者が、どんどんいいカラダになっていく姿を嬉しく思って見ている人ばかりだし、わからないことがあれば、丁寧に教えてくれると思うで。
RG:でも、そもそもお前が行ってた〈ゴールドジム〉って原宿のやろ? 走り屋業界で言ったら、大黒パーキングエリアみたいなもんやん。素人にはハードルが高すぎるんだよ。
HG:あー、走り屋たちが写真を撮りに来る(笑)。全然そんなことないけど、まぁ気持ちはわからんでもないな。じゃあ、まずは〈チョコザップ〉に行けば? 着の身着のままで行けるし、初心者にはちょうどええやろ。お前が気にしてる脇毛もセルフ脱毛できるらしいし。
RG:え、〈チョコザップ〉って脱毛できんの? ちょうど駅前にあるんだよな…まずはそこから始めてみるか。
取材・文/鍵和田啓介 撮影/下屋敷和文 スタイリスト/ヤマウチショウゴ イラストレーション/沼田光太郎
初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売