東京ホテイソン・ショーゴ、俳優・奥山かずさ…。6人に聞いた「なぜカラダを鍛えるの?」
筋トレに限らず、ラン、ヨガ、ピラティスや自分の好きなスポーツといったフィットネス。始めたい・習慣にしたいと思っても、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくないはず。そこで、既に始めている先輩たちに聞いてみました「そもそもなんでトレーニーになったのか?」。今回は〈東京ホテイソン〉ショーゴさんや、俳優・奥山かずささんなど、6名に聞いた鍛える理由。
取材・文/山梨幸輝 イラストレーション/阿部伸二
初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売
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お笑い芸人・ショーゴさん「自分を育てていく“ゲーム”だからです」
「一時期は“ガリガリの方が面白い”と信じて鍛えるのをやめていたんです。でも、自分が熱くトークできるのは筋トレだけだと気付いて、ほぼ毎日ジムに通うようになりました。
その甲斐あってか、トレーニング方法について聞かれたり、番組でいじってもらえたりと、マッチョになってからの方が先輩芸人とのコミュニケーションが増えましたね。
そしてなにより、日に日に大きくなる筋肉を鏡で見ていると自己肯定感が高まる。RPGのように自分をレベルアップさせていく達成感があるんです。こんな楽しい“カラダ一つでできるゲーム”、一生続けるしかないと思いますね」
1994年生まれ。2014年に相方のたけるとお笑いコンビ〈東京ホテイソン〉を結成。『M-1グランプリ2020』の決勝に進出する。主な出演番組に『ラヴィット!』(TBS系)、『エンタメヒーロー!7ホテ』(テレビ東京系)など。3月より単独公演『銀鼠』で全国ツアー予定。Instagram:@tokyoshogo
小説家・石田夏穂さん「仕事とは違う、“絶対正義”の行為なんです」
「2020年ごろから“運動不足がやばいな”と思ってなんとなく筋トレを始めたのですが、いつの間にか週5でジムに通うように。ラットプルダウンをしている時に“背中の筋肉を使えてる!”と成長を感じたり、ベビーキャベツのような大円筋が出てきたことに感動する日々です(笑)。
例えば仕事を頑張っている自分には“本当に一生続けてていいのか?”“社畜なだけでは?”と疑問を抱く瞬間もあったりするのですが、筋トレをする自分にはツッコミどころが思いつきません。
カラダを鍛えることだけは、絶対正義というか、完全無欠の行いと思えるんです」
いしだ・かほ/1991年生まれの小説家。著書にボディビルに挑戦する女性を描き、芥川賞候補作になった『我が友、スミス』や独自の切り口で“就活”を表現した『黄金比の縁』(ともに集英社)など。「執筆中、考えに詰まったらサイドレイズを。血流が頭に届いていいアイデアが浮かぶ気が…(笑)」。
料理研究家・だれウマさん「“当たり前”を続ける大切さを学べるからです」
「競泳をやっていたので小学生の頃から鍛える習慣がありました。そんななか、大学生時代に堕落した生活を過ごしてしまって(笑)。
みるみる細くなるカラダを見て恐怖を感じたので筋トレを再開しました。その頃から筋肉を育てる食事を研究するようになったので、今のレシピ開発の仕事にも活かされていますね。
筋トレで学んだのは、何度もウェイトを持ち上げる大切さ。たとえ地道でも、その単純作業の先に必ず結果が出ると信じることができますから。YouTubeチャンネルで料理動画を更新し続けて登録者数が100万人を突破できたのも、筋トレのおかげだと思っています」
1998年生まれの料理研究家。YouTubeチャンネルは登録者数129万人を誇る。がっつり系の“男飯”から3分で作れる“ずぼら飯”まで豊富なレシピや、時折見られるバルクアップされた肉体で話題に。節約レシピ集書籍『宇宙一ずぼら150円めし』(KADOKAWA)が好評発売中。Instagram:@dareuma_recipe
トレーナー・白戸拓也さん「人生の全てが直結するからです」
「ヤンチャだった学生時代、遊びでやったレスリングでボロボロに負けてから“俺も強くならないと”と筋トレを始めました。
トレーナーになった今は、当然ですがカラダを鍛えることが仕事です。筋肉を動かす感覚から、ウェイトがうまく持ち上がらない時のストレスまで、すべての経験が僕の武器になっています。
それに、こう見えてメンタルが弱いのですが、憂鬱な時にジムへ行くと気分が晴れますね。不健康に暴飲暴食する日もあるし、トレーニングが人生の全てではありません。ただ、全てのことはカラダを鍛えることで得られたコンディションの上に成り立っています」
しらと・たくや/1963年生まれのトレーナー。〈MS FITNESS〉に所属。大手フィットネスクラブに約30年在籍し、教育担当やプロデューサーなどを歴任しながらさまざまなエクササイズプログラムを開発する。『ターザン』のトレーニング企画に欠かせない“レジェンド”。
俳優・奥山かずささん「タイトなジーンズを穿きこなすためです」
「学生時代は体型をカバーすることを最優先で服を探していたのですが、モデルとしてのカラダ作りのために鍛え始めてからは着たい服を自由に買うことができるようになりました。
タイトなジーンズをセクシーに穿きこなせた時の“理想の自分に近づけた”という達成感はモチベーションが高まりますね。
もう一つ筋トレによって得られたことは“一度脂肪がついてしまっても元の体型に戻せる”という自信。昨年は出産を経てカラダがふっくらしてしまったのですが、そんななかでもまたファッションを楽しめる日が待ち遠しいなって、ポジティブな気持ちでいられるんです」
おくやま・かずさ/1994年生まれ。モデルとして活動する傍ら、持ち前の運動神経を活かして2018年に『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で俳優デビュー。23年公開の映画『退屈なエンドロール』では主演を務める。同年8月に第1子出産。Instagram:@kazusa_okuyama_official
編集者・うないいちどうさん「“やればできる人間”と思えるからです」
「筋トレを始めてから、自分の生活がワンランク上になりました。心地よい疲労感で夜はぐっすり眠れるし、食欲も湧いて、編集者の職業病である肩こりとも今は無縁です。
トレーニングは継続が大事ですが、継続するには新しい方法を取り入れるなどの“変化”が必要。慣れたやり方を変えるのは時にストレスに繫がりますが、定期的な変化が自らを成長させ、継続を後押ししてくれます。
そんな好循環の中に身を置いていると、自分のことを“やればできる人間”だと評価するようになります。そしたら、やる以外の選択肢はないですね。自分に認められるのが一番うれしいですから」
1983年生まれの編集者。2016年、WEBコンテンツの企画や運営などを手がけるプロダクション〈ノオト〉に入社。自身のXアカウントで平日夜に更新される、日常をゆる〜く切り取った「#本日の地味なハイライト」が人気。筋トレのモットーは“なるべく短時間で、なるべく楽しく”。X:@EinsWappa