浅野まみこさん
教えてくれた人
あさの・まみこ/コンビニ外食研究家、管理栄養士。病院などで栄養相談に携わった後、独立。著書に『コンビニ・ダイエット』(星海社)ほか。YouTubeチャンネル『浅野まみこ コンビニ外食研究室』でも発信中。
カサ増しで1回の塩分量を減らす
おでん、カレー、レバニラ…。お馴染みの家庭料理が手軽&リーズナブルに購入できるコンビニめし。
「この数年で惣菜から冷凍食品まで手に入れられる選択肢が格段に広がりました。そのためコンビニ食材をうまくアレンジすれば、減塩も可能です」(浅野さん)
そのポイントは増量にあるそう。
「1人前の惣菜を2人で分けられるくらいまで、ボリュームアップさせるのです。カリウムを含む野菜やナッツ、カルシウムも豊富な大豆製品などナトリウムの排出を促す食材でカサ増し。ゴマ油やオリーブ油を足して満足感を得られるように旨味を加える。一人暮らしであれば作った量を2回の食事に分けて食べるのがおすすめ。そうすることで、1回当たりの塩分量を減らす仕掛けです」
5つのコツ
- カリウムの多い野菜で増量させる。
- 味の濃い惣菜に、野菜や大豆製品(塩分なし)を加える。
- スープはとろみ(小麦粉、片栗粉、おろし、卵など)をつけることで味を固める。
- ナッツやゴマなど香ばしい素材を加える。
- 油を入れて旨味を感じやすくする。
増量たまごサラダ
卵サラダ+ブロッコリー&ナッツ
アレンジ前:卵サラダ 263kcal/NaCl 1.1g
アレンジ後:総カロリー 263kcal/NaCl 0.5g
たっぷりと振りかけた黒胡椒の爽快な香りが食欲をそそる。定番の卵サラダが歯ごたえを楽しむ一品に変身。
「カリウムだけでなく動脈硬化の予防が期待できるα-リノレン酸が豊富なクルミと、血圧を下げる効果のあるリノール酸を含むアーモンドの黄金コンビをイン。さらに冷凍のブロッコリーを混ぜるとシャキッとした食感も堪能できます」。
調理時間はたったの3分です。
材料(2人分)
- ブロッコリー(冷凍)…150g
- 卵サラダ…1袋
- ナッツミックス(無塩ノンフライ)…30g
- 黒胡椒…少々
- オリーブオイル…小さじ1
作り方
- ブロッコリーはふんわりとラップをかけ、レンジ加熱する。ナッツミックスを粗めに砕く。
- ボウルに[1]、卵サラダを加え、ざっくりと和える。
- お好みで黒胡椒、オリーブオイルを回しかける。
唐揚げと厚揚げの煮浸し風
唐揚げ+厚揚げ&おでんスープ
アレンジ前:唐揚げ 215kcal/NaCl 1.8g
アレンジ後:総カロリー 194kcal/NaCl 1.1g
ホットスナックのスターである唐揚げと、冬のレジカウンターを彩るおでんが創作系の惣菜になった。
「レンジでチンするだけで完成する和風のおかずです。おでんスープに鶏肉の脂が加わるので、旨味が増します」。
ひたひたになった唐揚げの衣を口にするたびに滋味深い味わいが広がる。おでんスープを飲み干すと減塩の工夫をした甲斐がなくなるので、ここは残そう。
材料(2人分)
- 唐揚げ…4個
- 厚揚げ(おでん)…2切れ
- おでんスープ…適量
- 輪切りネギパック…ひとつかみ
- 七味唐辛子…お好みで
作り方
- 厚揚げは一口大に切る。唐揚げは半分に切る。
- 耐熱皿に厚揚げ、唐揚げを盛り、おでんの汁を入れる。
- 輪切りネギパックを乗せ、レンジ600Wで3分加熱する。お好みで七味をかける。
豚の角煮とキャベツのキムチ炒め
豚の角煮+キャベツ&キムチ
アレンジ前:豚の角煮レトルトパック1袋 総カロリー 345kcal/NaCl 2g
アレンジ後:総カロリー 157kcal/NaCl 1.5g
「トロトロでコクのある豚の角煮にキャベツとキムチを加えて、ゴマ油でさっと炒めます」。
ピリ辛の味わいはまさにごはん泥棒!「塩分の排出を助けるカリウムはホウレンソウなどの緑黄色野菜で補給を。彩りにもなるうえに野菜自体の味も濃いので、主張の強い食材と見事にマッチします」。
こちらの調理時間もわずか3分。余ったら弁当箱に詰めて昼食にしても。
材料(2人分)
- 豚の角煮レトルトパック…1袋
- カット野菜(炒め物用キャベツミックス)…100g
- ホウレンソウ(冷凍など)…30g
- ゴマ油…小さじ1
- キムチ…30g
- 黒胡椒…適量
作り方
- フライパンにゴマ油を入れ中火で加熱し、カット野菜、ホウレンソウを炒める。
- 豚角煮、キムチを加えさらに炒める。
- 全体が馴染んだら、お好みで黒胡椒で味を調え、火を止める。
具だくさんトマトチキンカレー
レトルトカレー&サラダチキン+トマトジュース
アレンジ前:レトルトカレー 319kcal/NaCl 2.5g、サラダチキン 1/2個 114kcal/NaCl 1.1g
アレンジ後:総カロリー 363kcal/NaCl 2.3g
トマトジュースを混ぜることで奥行きのある味わいに進化する。
「ルーにトマトの旨味や酸味が加わります。そこにサラダチキンとブロッコリーを入れるとゴロゴロの具だくさんに。レトルトのごはんは雑穀米を選ぶと、マグネシウムなどのミネラルの補充もできます」。
デトックス力が強くタンパク質もたっぷり含んだ一皿は、鍋でさっと温めるだけで完成する。
材料(2人分)
- レトルトカレー…1袋
- サラダチキン…1/2個
- トマトジュース(無塩)…200ml
- ブロッコリー(冷凍)…60g
- 醬油…小さじ1
- 雑穀米(レトルトパック)…2パック
作り方
- レトルトカレーに、一口大に切ったサラダチキン、トマトジュースを加え加熱する。
- 解凍したブロッコリーを加え、醬油で味を調え、火を止める。
- ごはんを温め、[2]をかける。
レバニラの卵とじ
レバニラ+もやし&卵
アレンジ前:レバニラ炒め1袋(冷凍) 174kcal/NaCl 1.5g
アレンジ後:総カロリー 158kcal/NaCl 0.9g
「冷凍のレバニラ炒めは卵でとじることで増量してもしっかり味わいを感じます。さらにもやしを足して歯ごたえをアップ。シャキッとした食感によって咀嚼の回数も増えるので少量でも満腹になれます」。
ゴマ油の香ばしいにおいに包まれて、レバー特有の臭みもやわらぐ。アレンジされてもビールやハイボールとの相性の良さは変わらない。要する時間は2分程度。
材料(2人分)
- レバニラ炒め(冷凍)…1袋
- もやし…1袋100g
- 卵…1個
- ゴマ油…小さじ1
作り方
- フライパンにゴマ油をひき、レバニラ、もやしを炒める。
- 全体が温まって加熱されたところに、溶き卵を回し入れ、火を止める。