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歯を失う3つのリスク「歯周病・虫歯・不正咬合」治療費の相場

全身の健康のみならず、生涯の医療費にも影響を及ぼす歯の健康。歯を失えばQOLの低下は避けられない。歯を失う2大要因、歯周病、虫歯に加え、これらの引き金となる不正咬合の治療法や、治療費を保険診療、自由診療別に紹介。健康を維持するために歯への投資を検討してみては? ※保険診療、自由診療の価格はあくまで目安(編集部調べ)です。

歯を失う理由① 歯周病

歯周病の始まりは、歯周ポケットという歯と歯茎の隙間に、原因菌が作る歯垢(プラーク)が溜まること。

それを放置して炎症が広がり、原因菌が深く侵入すると、歯の土台となっている歯槽骨や歯根膜をじわじわと破壊。破壊が進むと支えを失った歯が抜ける。虫歯と違い、その間に強い痛みがないこともあるから、要注意。

朝起きたときに口がネバネバする歯磨きで出血する硬いものが嚙みにくい歯茎が下がって歯が長くなったといった自覚症状があったら、いますぐ歯科医院へGO。

昔はプラークだけが原因とされていたが、現在は遺伝的素因なども影響すると判明。歯周病リスクを判定するチャートで総合的に評価することが肝心だ。

歯周病レーダーチャート

歯周病レーダーチャート

MTM(メディカル・トリートメント・モデル)では、検査と診断後、歯周病のリスクを生活習慣も含めてレーダーチャートで評価。着実な治療とメンテナンスにつなげる。

歯周病の保険診療では、プラークやそれが石化した歯石を取り除くスケーリングルートプレーニングが治療の中心となる。炎症が深い場合、歯周ポケットを切り開いて、炎症部分を除く搔爬(そうは)を行う。重度になると、歯茎を切開し、歯石を取り除くフラップ手術も選択肢に入る。

自由診療では、プラーク採取による細菌検査、全身の炎症の状態を調査するCRP検査、歯槽骨の状態を把握するCT検査などを初期段階で行う歯科医院もある。その後、体質を踏まえたきめ細やかなスケーリングやルートプレーニング、フラップ手術、失った歯周組織を再生させる再生療法などが行われる。

対策が後手に回り、歯が抜けてしまったら、そのままにしてはダメ。即座に人工歯(義歯)でカバーしよう。義歯には被せ物、ブリッジ、入れ歯、インプラントの4タイプがある(下イラスト参照)、このうちインプラントは自由診療のみ。その他は保険診療でも可能だ。

歯を失ったときの主な治療法

被せ物

歯を失ったときの主な治療法 被せ物

歯の大部分は失われているが、根元である歯根が残っている場合に選択される。人工歯と歯根に差し込む心棒(ポスト)が一体化している。

▷保険診療、自由診療から選択

  • 保険診療:約4000〜5000円/本
  • 自由診療:約5万〜20万円/本
ブリッジ

歯を失ったときの主な治療法 ブリッジ

失った歯の両隣の歯を整形してから被せ物(クラウン)を被せ、被せ物と一体化した人工歯で橋(ブリッジ)を架けるように補う方法。

▷保険診療、自由診療から選択

「被せ物」の必要本数分

部分入れ歯

歯を失ったときの主な治療法 部分入れ歯

人工歯、歯のない部分の粘膜に乗せる底(義歯床)、残っている歯に掛けて固定するバネ(クラスプ)からなる、取り外し自由な装置。

▷保険診療、自由診療から選択

  • 保険診療:約3000~1万円/本
  • 自由診療:7万円~/本
インプラント

歯を失ったときの主な治療法 インプラント

歯を失った顎の骨に、チタンかチタン合金でできた歯根部を埋め込み、その上に支台部とセラミックなどで作った人工歯を取り付ける。

▷自由診療のみ

  • 自由診療:約40万~60万円/本

歯を失う理由② 虫歯

虫歯の原因は、おもにミュータンス菌。集まってプラークを作り、食事に豊富に含まれる糖質から酸を作る。この酸が歯の表面を覆う硬いエナメル質から、カルシウムやリンを溶かし出す。これが「脱灰」。

脱灰が起きても、通常は唾液や歯磨き粉のフッ素などが、溶け出したカルシウムやリンとエナメル質に戻す「再石灰化」を行う。

だが、甘い物の過食やダラダラ食べなどでミュータンス菌による脱灰が進んだり、歯磨きが不十分でプラークが溜まったりすると、エナメル質に穴が開き、やがて内部の象牙質まで侵されてしまう。これが虫歯だ。

虫歯レーダーチャート

虫歯レーダーチャート

虫歯も、原因菌であるミュータンス菌の数、再石灰化を促すフッ素の使用状況などをレーダーチャートで評価して治療とメンテにつなげる。

虫歯の治療は、悪い部分を削り、人工的な素材で補うのが基本。部分的な詰め物をインレー、歯全体を覆うものをクラウンと呼ぶ。

保険診療と自由診療では使う素材が違う。保険で使うのはレジンという強化プラスチックか、パラジウムなどの金属合金。安価だが劣化しやすく、虫歯が静かに進行する。

「保険診療ではいずれインレーからクラウンへ進行し、同じ歯を4回削ると抜歯に至るケースが大半です」(徳真会グループ診療部門の栗林佑太郎統括医)

自由診療で使う素材の代表はセラミック。クラウンでは1本10万円ほどとかなり高価だが、半永久的に使える。あなたはどちらを選ぶ?

虫歯になった歯の一生

虫歯になった歯の一生

① 健康な歯に
② 虫歯が生じると治療が必要。
③④ まず歯の溝や窪みにインレーという詰め物を入れる。
⑤ 虫歯が広がると歯全体を覆うクラウンを被せ、
⑥ 治療が失敗すると抜歯。

  • 保険診療:約2000〜3000円(1回)
  • 自由診療:約3万〜10万円/本

歯を失う理由③ 不正咬合

歯並びや嚙み合わせの異常である不正咬合は、歯を失う歯周病や虫歯の引き金になる。

不正咬合のおもな種類

不正咬合のおもな種類 出っ歯

出っ歯:上顎の前歯が前方に出過ぎているもので、「上顎前突」と呼ばれる。前歯を何かにぶつけると欠けたり折ったりするリスクが高い。

受け口 不正咬合のおもな種類

受け口:下顎が前に出ており、前歯が反対に嚙んでいる状態。「反対咬合」または「下顎前突」と呼ばれる。不正咬合でも治療が難しい。

八重歯 不正咬合のおもな種類

八重歯:乱杭歯でとくに犬歯が飛び出しているもの。日本ではチャームポイントと捉えることもあるけれど、欧米では吸血鬼を連想する人も。

乱杭歯 不正咬合のおもな種類

乱杭歯:歯が顎に収まり切れないため、ガチャガチャに生えている状態。草木が群がり生える様子に喩えて「叢生(そうせい)」とも呼ぶ。

その治療は、一体どのように行われるのだろうか。

歯並びを直す歯列矯正は、保険治療の対象外。自由診療のみだ。

歯列矯正は、歯の表面か裏側にブラケットと呼ばれる矯正器具を取り付けて、ワイヤーで連結して力を加えて歯の移動を助けるのが一般的。近年では、マウスピース型の矯正器具で矯正を行うこともある。

「加えて舌を上顎につける正しいポジションを覚えることも大事です。舌の力はワイヤーの張力のおよそ8倍もあり、舌の位置が悪いままだと、歯をキレイに並べてもまた歯並びが悪くなることがあるのです」

嚙み合わせの治療では、歯や詰め物、あるいは被せ物を削ったり、詰め物や被せ物を作り直したりして、上下の歯が正しく嚙み合うように調整していく。

歯が抜けたまま放置すると、隣の歯が動いてしまい、歯並びも嚙み合わせも乱れやすい。その場合、ブリッジや部分入れ歯などの義歯で補う

前述のように、詰め物、被せ物、義歯は、素材などの違いで保険診療と自由診療があり、それにより嚙み合わせ治療の費用は変わってくる。

歯並びを直す方法

【ワイヤー矯正】

歯並びを直す方法 ワイヤー矯正

ブラケットと呼ばれる装置を歯に装着し、ワイヤーを通して動かしたい方向に適度な力を加え、少しずつ移動させる。ブラケットの素材にメタルとセラミックがあり、表側に付ける唇側矯正、裏側に付ける舌側矯正がある。

  • 全顎矯正:約70万~100万円
  • 部分矯正:約30万円~

【マウスピース矯正】

マウスピース矯正 歯並びを直す方法

マウスピース型の装置を使う方法。目立ちにくく自由に取り外せるのがメリットだが、1日20時間以上装着する必要があり、適応できる症例範囲が限られるのがデメリット。アメリカ製の《インビザライン》が有名。

価格:約50万~100万円

コラム:審美歯科とは?

審美歯科とは、歯と口元の美しさに焦点を当てた治療。

病気の治療ではないから、オール自由診療だが、お金をかける価値は十分ある。歯と口元に自信が持てると対人関係に前向きになり、営業やプレゼンなどのビジネスシーン、婚活などにも有利に働くからだ。

前述の歯並びや嚙み合わせの治療も、美しい歯と口元を整えるうえでは不可欠。とくに美しい横顔の条件とされる「Eライン」(下イラスト参照)を作るうえで重要だ。

正面から見た美しい歯と口元のシンボルが「スマイルライン」(下イラスト参照)。口角を上げて笑った際、上顎前歯の先端(切縁)が作る緩やかなカーブである。これも歯並びや嚙み合わせが左右する。

横から見たときのEライン

横から見たときのEライン

下顎の突端(オトガイ部)と鼻先を結ぶライン。上唇と下唇がラインにやや接するか少し内側にあるのが、理想的な美しい横顔とされる。1954年に歯科医師ロバート・リケッツが提唱。

正面から見たときのスマイルライン

正面から見たときのスマイルライン

口角を上げて笑ったときに見える、上顎の前歯の先端を結ぶライン。笑顔が美しい人は歯並びが良くてスマイルラインが優雅なカーブを描き、前歯がナチュラルに白く輝いている。

加えて大事なのは歯の白さ。タレントやモデルのように、人前に出る職業では、下顎前歯も含め、笑ったときに見える前歯すべてを白くするホワイトニングを行う人は多い。

ホワイトニングも自由診療。自宅で行う「ホーム」と、歯科医院で行う「オフィス」があり、どちらも着色成分を分解するジェルを用いる。ホームは、ジェルを塗ったマウスピースを装着するだけで手軽。オフィスでは塗布後に特殊な光を照射し、その効果を長持ちさせる。

オフィスではこの他、前歯を薄く削り、ラミネートベニアと呼ぶセラミック製の薄い付け歯を貼り付ける方法もある。これは1本10万円からと高価だが、セラミックは着色しにくいので、効果は半永久的だ。

ホワイトニング
  • ホーム:約2万~3万円(マウスピースの作製)
  • ジェル:約1500~3000円/本
  • オフィス:約2万~3万円/回
ラミネートベニア

約10万~20万円/本

取材・文/井上健二 イラストレーション/森千章 取材協力/栗林佑太郎(徳真会グループ診療部門統括医 www.tokushinkai.or.jp) 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.869・2023年11月22日発売

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