一息つきたい時に。副交感神経を活性化するハーブドリンクのすすめ
現代は交感神経優位時代。うっかり交感神経優位を続けないためには、生活習慣を見直す一環として、食事でも副交感神経活性化にトライしたい。活用すべきはハーブだ。その香りや成分は少量でもリラックスへと誘う。今回は、一息つきたい時のドリンクにおすすめのハーブを紹介。ハーブ氷や温かいハーブティなど、その時の気分に合わせて副交感神経を高めよう。
取材・文/小沢緑子 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/矢口紀子 取材協力・料理製作・栄養監修/石松佑梨(ウェルネスコンサルタント、管理栄養士)
初出『Tarzan』No.858・2023年6月8日発売
石松佑梨さん
教えてくれた人
いしまつ・ゆり/ウェルネスコンサルタント、管理栄養士。アスリートの専属管理栄養士経験を活かして発信。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』。
一息つきたい時にはドリンクにハーブを活用!
「冷凍庫に“ハーブ氷”を作っておくと重宝します。メントールの爽やかな香りに鎮静作用があるミントで作る氷がイチ押し。水や炭酸水に浮かべて飲むだけで、忙しいときもクールダウン&リフレッシュができます」(石松さん)
ミント氷
製氷機に生のミントの葉と水を入れて凍らせて作った「ミント氷」。気持ちが落ち込んだり、気分を早く切り替えてリフレッシュしたいときに最適。ミントのほか、バジルで作っても。冷製料理に添えても涼やか。
イライラしたり、緊張が解けなかったり、眠れないときなどは、香りが立ちのぼる温かいハーブティーを取り入れよう。
「アスリートにも、気持ちが高ぶりやすいときはリラックスできるようハーブティーを楽しんでもらうこともあります。いくつかをブレンドしたり、紅茶にブレンドしてオリジナルティーにするのもあり、です」
副交感神経に効くハーブティー
バレリアン
湿った落ち葉のような独特な香り。“眠りのハーブ”として有名。
ラベンダー
ほんのり甘くすがすがしい香り。気持ちの高ぶりを落ち着かせる。
カモミール
リラックス効果のあるハーブの代表格。リンゴに似た優しい香り。
パッションフラワー
草木を思わせる香り。不眠症に有効とされるので、就寝前にも。
リンデンフラワー
ほのかな花の香りが、緊張や興奮を和らげてリラックスさせる。
ローズピンク
心を静め前向きにする甘い香り。不安なときや落ち込んだときに。
なぜ、ハーブ&スパイスが副交感神経に効くの?
ハーブやスパイスの持つ香りや色、苦み、辛みなどは、植物が外敵から自らを守るために作り出す成分。人間に有益な役割を果たすものもある。
たとえば香りの成分α-ピネンは針葉樹にも含まれていて、森林浴をすると心身が癒やされるのは、α-ピネンをはじめ、さまざまな植物由来の芳香物質の恩恵と言われている。さらにハーブやスパイスの香りには消化促進効果があるものも。食事を摂ると消化吸収機能が促され、副交感神経が活性化。
つまり、ハーブやスパイスを料理に取り入れれば香りでリラックスでき、消化も促されて副交感神経をより効率的に活性化できるというわけ。