あらゆる不調の元凶。浅い呼吸を深くするほぐピラ&7秒逆ストレッチ
浅い呼吸では、各器官に十分な酸素が行き渡らないだけでなく、自律神経にも悪影響が。そこで実践したいのが、筋肉をほぐしながら鍛えるほぐピラと、収縮→弛緩で緊張をほどく7秒逆ストレッチ。ほぐピラでは深呼吸とともに胸郭の可動域を広げ、7秒逆ストレッチでは、胸筋群、前鋸筋を活性化して深い呼吸を取り戻そう!
<b>ほぐピラ</b>:取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/齊藤琴絵 監修/星野由香 <b> 7秒逆ストレッチ</b>:取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/山田久美子 監修/石部伸之<br /> イラストレーション/野村憲司、今牧良治、武久真奈(以上トキア企画)
初出『Tarzan』No.853・2023年3月23日発売
胸郭の動きを引き出すほぐピラ
星野由香さん
教えてくれた人
ほしの・ゆか/パーソナルトレーナー。ピラティスインストラクターをはじめ、多くの資格を持つボディメイクのスペシャリスト。理論と実践を深め、「ほぐし」と「ピラティス」を融合した「ほぐピラ」を考案。予約の取れない人気トレーナーの一人。
呼吸が浅くなっている人は、気づかないうちに肺を収める胸郭の動きが悪くなっている。そこで「ほぐピラ」で、上体を前屈させて腹腔の可動域をあえて制限したまま、胸郭を広げて深く呼吸するトレーニングを。胸郭の背中側(後縦隔)の広がりを感じながら行うとより効果的だ。
ほぐピラローラーの作り方
食品用ラップの芯を2枚のフェイスタオルで固く巻き、輪ゴムやヘアゴムで数か所留めて固定。直径8~10cm程度のローラーを作る。
チャイルドポーズ
❶床に正座し、太腿の付け根にローラーを乗せる。❷ローラーを押し潰すように上体を倒して前屈。❸両腕を床で伸ばし、拳を軽く握る。
❹息を吸いながら、へそを見るように背中を大きく丸める。❺その姿勢で、4カウントで鼻から息を吸い、8カウントで口から吐く深呼吸を4セット。
7秒逆ストレッチで胸まわりの筋肉の機能改善
石部伸之さん
教えてくれた人
いしべ・のぶゆき/理学療法士。准看護師や介護支援専門員の資格も保持。20年以上勤務する病院で幅広い疾患のリハビリテーションを行う。『7秒「逆」ストレッチ』や『ほぐすだけボールペンマッサージ』など著書多数。
深い呼吸ができないのは、胸郭や肋骨の動きに関係する筋肉が硬くなり、十分に機能していないことが一因。大胸筋やその下にある小胸筋、肩甲骨から肋骨に付く前鋸筋を活性化させてしなやかな動きを取り戻せば呼吸もスムーズに。逆ストレッチ→ストレッチの間、常に胸まわりの収縮&弛緩を意識しよう。
大胸筋、小胸筋、前鋸筋の逆ストレッチ&ストレッチ
❶片腕を斜め前に伸ばして逆の手で摑む。斜め下に引き肘を伸ばし切り、胸筋を縮めて7秒キープ。❷壁の高めの位置に手をつきカラダを外側に開き、胸の伸びを意識して7秒キープ。反対側も同様に。
肩甲骨まわりの筋肉
前面
肩甲骨は背中にあるけれど、胸の筋肉や胸郭の筋肉といったお腹側を走る筋肉もその機能に関わっているケースが少なくない。
背面
肩甲骨の動きを左右する筋肉にはアウターの僧帽筋に隠れているインナーマッスルも多い。菱形筋や、棘下筋などのローテーターカフがその代表。