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タンパク質と、何が同じで、どう違う?ジェーン・スーと〈味の素(株)〉社員が語るアミノ酸のこと。
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痩せようと決意して、まずジョギングをする自分が思い浮かぶ人は多いはず。気軽に始められるジョギングはダイエットの最強のパートナーと言える。もっと効果的に痩せ効果を期待するなら、走る環境やウェア、食事にも気を配りたい。ダイエット目的で走り始めた男女が取るいろんな行動。走る前に行う準備、痩せるのはどっち?
フルマラソンを走るのならば事前に食事を摂ってエネルギーを充塡しておく必要がある。でも、痩せるためのジョギングならば空きっ腹で走る方が効果的。
当たり前だが、空腹とは体内のエネルギーが欠乏している状態。足りないエネルギーを補充するため体脂肪が分解された遊離脂肪酸という物質が血液中にたくさん放出される。走ってこれを消費すれば体脂肪は減る。つまり痩せる。
ただし、遊離脂肪酸は心臓の筋肉にとっては毒になる諸刃の剣。血液中に大量にあると心臓に不安がある人にとってはリスクが高まることに。動脈硬化の気がある人は小腹を満たして走った方が安全。健康体だという人はお腹をグーグー鳴らして走ってもよし。
血液循環を促すためにも走る前の水分補給はマスト。その際、口にする一般的なドリンクはミネラルウォーター。でも一刻も早く効率的に痩せたいなら、コーヒーやお茶などカフェインを利用してもいい。
カフェインには自律神経の交感神経を活性化させる働きがある。交感神経は敵と戦ったり敵から逃げるときに活性化する神経。アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモン分泌が促され、これらによって脂肪分解が起こる。
その結果、戦ったり逃げたりするエネルギーが満々の状態に。この状態で走れば脂肪燃焼効率も高まる。
カフェイン効果が得られるまでには若干タイムラグがあるので、走る直前に飲むより15分前くらいに飲んでおくのがおすすめ。
サウナスーツを着て1回走ってみたら500g体重が落ちた! じゃあ2回走れば1kg減で3回走ればトータル1.5kg減?
そんなわけはない。なぜかというとその500gは確実に発汗による減量で、水を飲めばたちまち元通り、肝心の体脂肪が減ったわけではないからだ。
というか、走る際にはサウナスーツの着用はできるだけ避けた方がいい。
人が汗をかく理由は汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げるため。サウナスーツの内部に閉じ込められた大量の汗は蒸発せず、体温が下がらないので熱中症のような暑熱障害を自ら引き起こす可能性が高いのだ。
また、大量の汗をかくことで血液はドロドロ状態になり動脈硬化も促される。以上の理由でランニングウェアが大正解。
走る前には硬い筋肉をほぐすためのストレッチが当然必要でしょう。間違いではない。でも目的が痩せることとなれば、ストレッチよりも筋トレが正解。
筋トレをすることで脂肪分解を促すノルアドレナリン、脂肪燃焼を促す成長ホルモンなどの分泌が期待できる。これらのホルモンが血液中をぐるぐる回っているうちに走り出せば、脂肪が分解され、燃やされる効率が高まるというわけだ。
ただし注意点がひとつ。スクワットやランジなど下半身の筋トレを行ってから走ると、脚への負荷が過剰になって非常にシンドい。
なので、筋トレを取り入れるなら上半身を鍛える種目がベター。たとえば手軽にできるプッシュアップなどがおすすめだ。
取材・文/石飛カノ 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/石井好二郎(同志社大学スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授)
初出『Tarzan』No.851・2023年2月22日発売