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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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レース中の計測データに基づいて、スタートからゴールまでのランニングフォームやペースの変化などを振り返り、さらなるステップアップに向けたアドバイスやトレーニングをおすすめしてくれるサービス《アシックスレースレポート》が2022年10月にスタート。その魅力を深掘りしてみよう。
目次
ランニングの大きな魅力のひとつがレース。
そこには10km、ハーフ、フルマラソンなどのカテゴリがあって、タイムを追求する人、景色を楽しみながら走る人、また遠方のレースに参加して「旅ラン」を兼ねる人など楽しみ方もさまざまだが、参加する全員に共通しているのは「気持ちよく、楽しく走りたい」ということだろう。
でもレースを「走りっぱなし」にしているランナーは少なくない。
レースに出場し、完走すれば一定の満足感を得られるが、それに加えてレースの反省点を可視化して振り返り、次のレースに備えることができれば、レースはもっと楽しく、より魅力的なものになるはずだ。
そんな「走りっぱなし」を回避してレースを振り返るために活用したいのが《アシックスレースレポート》なのである。
レースや大会などのランニングを、ペースやフォームから振り返ることができる。ランナー自身がデータを計測するため、場所やレース形式を問わず、5kmからフルマラソンまで好きなレースやランニングを分析対象にできる。
なんとユーザー個別にアシックスの専門コーチからのコメントやアドバイスも貰える。料金は1回につき5,500円:税込。
この《アシックスレースレポート》、いったいどのようにして計測するのだろうか。試してくれたのは近々フルマラソンに挑戦し、初のサブ4達成を目指す、モデルの山下晃和さんだ。今回は事前練習の30km走で計測することに。
計測に必要なものは2つ、デバイスとアプリだ。
アシックスとカシオ計算機が共同開発した《モーションセンサー『CMT-S20R-AS』》(14,080円:税込)を購入し、ランニング向け無料スマートフォンアプリ《ランメトリックス》をダウンロードして利用登録を行う。
《モーションセンサー》を装着し、両者を接続して走るだけでもランの基本データに加えてカラダの傾きや骨盤の回転、着地の衝撃といったフォームに関する指標が算出され、わかりやすい項目に置き換えて可視化することが可能だ。
この《ランメトリックス》のサービス自体普段のランにおいてよき道しるべとなってくれるが、これを元にさらに細かな分析とレポートをしてくれるのが《アシックスレースレポート》というわけ。
専用サイトにて《アシックスレースレポート》のチケット(5,500円:税込)を購入後、アシックスの無料会員サービス《OneASICS(ワンアシックス)》に登録を行い、《ランメトリックス》のIDと連携。これで準備はOKだ。
レース当日(今回の場合は練習の30km走当日)、《モーションセンサー》を腰に装着し、《ランメトリックス》のアプリと接続。自分でデータを計測しよう。
ちなみに、対象となる距離は5km、10km、30km、35kmの各距離と、ハーフマラソン(21.0975km)およびフルマラソン(42.195km)。
5キロ未満のレースや、ウルトラマラソンなどのフルマラソン以上の距離は対象外となるので注意しよう。レース終了後、購入チケットの有効期限内にレポートを作成したいデータを指定し、分析を申請する。
データ分析の申し込み後、およそ10日ほどするとオリジナルレポートが届く。山下さんのレポートは下の通り。
距離とタイムに加え、ストライドやピッチ、ペースなどの指標や独自のフォームスコアといったデータ(詳しくは後述)により、レースの全体像をわかりやすく振り返れるようになっている。
さらにはアシックス専属コーチによる総評コメントまで。まるで専属コーチについて貰っているような、至れり尽くせりのサービスなのだ。
そんな《アシックスレースレポート》の活用方法について、開発を担当したアシックススポーツ工学研究所の平川菜央さんに聞いてみよう。
平川菜央さん(ひらかわ・なお)/アシックススポーツ工学研究所所属。スポーツバイオメカニクスや運動生理学の観点から、ランニングをはじめとしたスポーツ愛好家向けの各種計測サービスやモバイルアプリ、ウェアラブルデバイスなどを開発。
「2021年にカシオ計算機社との共同開発で《ランメトリックス》のサービスを開始しましたが、アプリのレビューやSNS上でのユーザーからの声を拝見すると、他のランナーと比較するのではなく“自分の走りの変化やデータをどう解釈するか”といったことに関心が高い方が多くいらっしゃいました。
レースに参加することは特にランナーにとって大切なことですので、単にタイムだけではなく、それ以上の価値を提供したいと考え《アシックスレースレポート》を開発しました。データ満載のプレミアムな完走証としても捉えて頂ければいいと思います。
好タイムで走るランナーはもちろん、走り始めて日が浅いランナーでも10kmレースやハーフマラソンなどで活用いただくケースも増えていますよ」(アシックス平川さん)
「レースレビューでは、レース全体を序盤、中盤、終盤の3つのフェーズに分割。それぞれのペースやランニングフォームを振り返ることができます。
実際のペース配分を独自のアルゴリズムに基づいて分析し、個々のユーザーのポテンシャルを推測することで推奨ペースなどを算出。初心者にとってはフルマラソン挑戦時の推奨ペースを把握することが可能です。
ランニングフォームは区間ごとの平均フォームスコアが6つの観点によるレーダーチャートで表され、正六角形に近く面積が広いほどバランスのとれた良いフォームということになります」(アシックス平川さん)
「ポイント解説画面では、スタートからゴールまで測定し続けたモーションセンサーのデータから、ランニングフォームの変化が詳細に示されています。どのタイミングで、どのようにランニングフォームが変化したか、また左右差が出たかまでがわかります。
こうした分析は《ランメトリックス》によるデータの蓄積によって可能となりました。自分一人でランニングフォームを客観的に分析することは難しいので、走り方の特徴や伸び代を知るためのきっかけに活用いただければと思います。
またポイントを3つに絞ってレポートしていますが、それぞれにコーチからのコメントもついています」(アシックス平川さん)
「最後は今回のレースを通じてのペース戦略、ランニングフォームの特徴から、さらなるステップアップにつながるトレーニングを動画つきで提案します。
自己記録を更新したい、もっと長いレースにチャレンジしたいなど、ユーザーひとりひとりの今後のランニングのサポートにつながります」(アシックス平川さん)
今回の30km走のレースレポートを見た山下さんは、どのように受け止めたのだろうか。その感想を聞いてみた。
「ゴール(30km地点)に向けてペースを上げることができ、ペース配分はまずまずだったと思います。フルマラソンでの想定タイムをはじめ、実際のフル本番にも応用できそうなデータも豊富で、自分の走りを客観視できました。
前日からの上半身の疲れによって腰の沈み込みを感じていて、そのこともしっかり分析されていたのでそこは課題かなと。
腰の沈み込みが大きいと1歩ごとの膝の曲げ伸ばしも大きくなり、レース後半の脚の関節の痛みにもつながるので、おすすめされたヒップリフトやレッグランジなどのトレーニングをラン練習の合間に行って、本番では腰の高さや一定の歩幅をキープできるようにしたいと思っています」(山下さん)
時は流れて、山下さんが《アシックスレースレポート》で計測をした、およそ1か月後。惜しくもサブ4にはあと一歩届かなかったものの、実際に出走したフルマラソンでは、自己ベストを大きく更新した4時間3分52秒でフィニッシュ。
なんと約26分ものタイム短縮を実現した!
「事前に自分のフォームを分析できたことで、走り方を意識してレースに臨めたと思います。非常に悔しい結果でしたが、自己ベストは大幅に更新できたので良しとしたいと思います。いつかまた、サブ4にチャレンジしたいですね」(山下さん)
フルマラソンを2時間台で走るようなランナーであれば、自らのフォームをある程度理解し、分析や調整、弱点強化も自身で行える人も多いが、そんなエリートレベルたちにも《アシックスレースレポート》は多く利用されているという。
それ以外だと自分のフォームを把握できていないケースがほとんどではないだろうか。そうしたランナーに対しても、データに基づいて的確な分析とわかりやすいアドバイスをしてくれる《アシックスレースレポート》は実に頼りになる存在だ。
一見、上級者向けサービスと思われがちだが、エリートからビギナーまで、活用できるランナーは幅広い。初心者ランナーでも、10kmのランを分析してみればそこからわかることはたくさんあるのだ。
レースに出て、好タイムが出たら終わり、ではなく、そのレースにじっくり向き合うことで次に走るレースがより充実したものになる。《アシックスレースレポート》を活用しない手はない。
取材・文/黒田創 撮影/山本嵩