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フルマラソン初挑戦。ターザン編集部員が試した〈ASICS〉と〈CASIO〉の《Runmetrix》

アシックススポーツ工学研究所の長年の研究データを基に、これまでパーソナルトレーナーや専門施設などに頼らなければ難しかったランニングフォームの分析と改善に誰もが簡単に取り組める。注目の〈ASICS〉と〈CASIO〉のコーチングアプリ《Runmetrix(ランメトリックス)》でターザン編集部員が初フルマラソンを目指す!

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ビギナーこそ《ランメトリックス》を使うべし

〈アシックス〉のコーチングアプリ《ランメトリックス》を試すターザン編集部アサクラ

編集アサクラ:深夜に怪談を聴きながら走るミレニアル世代。高校時代、サッカーの強豪校でセンターバック。「ヘディングで負けたことがない」と多くのプレスを跳ね返してきたが、フルマラソンのプレッシャーは跳ね返せるか?

これが本当のビギナーズ・ラック! 初マラソンで人気大会のエントリー権を獲得し、理想のランニングフォームを身につけられる。ターザン編集部・アサクラはその初挑戦を控え、現在1回5〜10kmのランを週2〜3回、カラダ作りとしてジャンプ系のトレーニングメニューやフルスクワットを日課にしている。サブ4.5を目標としつつ「まずは完走…」と不安がつきまとうなか、意識しているのは脚の負担を抑え、長く走れるフォーム習得だ。

骨格や筋肉量、動きのクセなどから走り方は人それぞれだが、カラダの動きの黄金律というのはある。ラクに走りたいと思うなら、骨盤を意識したランニングフォームを身につけることが重要。そんなランニングの本質的なフォームを誰もが身につけられるようにと開発されたのが〈アシックス〉と〈カシオ〉《ランメトリックス》

モーションセンサーの商品写真

スマートフォンアプリ《ランメトリックス》に対応したセンサーデバイス。GPS機能+9軸センサーを内蔵し、ランニング中の動きを高精細に測定。骨盤の傾きや体幹の後傾など20種類以上の指標でフォームを解析する。IPX7準拠の防水性能、約20時間の連続使用に対応。サイズ:幅43.7mm×高さ63.6mm×奥行き19.6mm。重量:約44g(サイズ、重量ともに本体カバー含む)。価格14,080円(税込み)。

フォームを分析するレーダーチャート

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の使用シーン

「カラダが重たく、スムーズに足を前に運べていません。脚への負担を考慮して負担の少ない、柔らかい接地を意識するとストライドが短くなる気が……」(アサクラ)と自身のランを評するが、ランメトリックスのフォーム診断は

「力強く、かつ姿勢を安定させて左右差なく走れているが負担がかかりやすく、動きのムダ・ムラも大きい」

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

アサクラの分析結果。カラダの各部位をバランス良く動かせているかを示す「骨盤を軸とした全身の連動」のスコアが低く、動きの左右差を表す「左右対称性」はほぼフルマーク。動きのバランスは良いが、膝の屈伸や蹴り出しの動きが大きく、膝回りやふくらはぎに負担がかかりやすいと推測される。

「100点満点中62~67点でだいたい平均点にあたり、基礎的なフォームが身についているといえますが、この得点層の人は特徴的な動きが課題となる場合があります」とアシックススポーツ工学研究所の平川菜央さんが解説してくれた。

フォーム診断は6項目のスコアで表されるが、レーダーチャートの左側は「無理なく走り続けるために重要な動き」、右側は「パフォーマンス向上に重要な動き」を意味している。

ターザン編集部アサクラが走っている

アサクラの場合、無理なく走り続けるための項目のなかで「負担の少ない接地」のスコアが低く、「安定した姿勢」は高い。これは一歩毎の衝撃が大きく、カラダへの負担が大きいが走行時の姿勢は安定。骨盤の動きに過度なねじれやブレなどはないということ。

いっぽうパフォーマンス向上に関わる部分では「動きの力強さ」のスコアは高く、「スムーズな重心移動」が低い。ストライドが大きく力強い走りではあるものの、ブレーキや左右ブレなど進行方向以外にも力がかかっていて長距離を走るには効率面でやや難ありとの評価だ。

課題は見えた。では「一体どうやって走れば…」(アサクラ)

分析結果からアプリ上で個別コーチング

そこで頼りになるのが「コーチ」機能過去90日間のアクティビティデータをもとに、速く走る「RUN FASTER」、長い距離を走る「RUN LONGER」など目標に沿って個別化したトレーニングプログラムを組んでくれる。フォーム分析ともにランメトリックスの特長だ。

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

目指すフォーム、一定期間の平均的フォーム傾向、そして最新のフォームをそれぞれ線形で表示。

 

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

走りの特長をわかりやすくコメントとして記載。

 

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

フォーム診断から目的に必要な情報が取捨選択され、個別のニーズに沿った改善ポイントを提示。

アサクラの場合、無理にストライドを伸ばそうとするより、衝撃による負荷やムダな方向に力がかかっている点を改善するメニュー方針が示される。

「(レーダーチャート左上の)“負担の少ない接地”項目のスコアを評価する要素には、地面から受ける“着地衝撃”と、蹴り出す時に地面に加える“蹴り出し加速度”があります。この2つの推定値のうち、アサクラさんは前者に改善が必要であると出ていますね」(平川さん)

目的とするランのためのカラダ作りのプログラム「からだづくりプログラム」では、よりパーソナルなフォーム改善に必要な筋トレとストレッチメニューが用意される。アサクラには、無理なくストライドを伸ばし動きの力強さと衝撃軽減を両立させるため、大臀筋やハムストリングスといった部位にフォーカスした内容。

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

アサクラの場合のフォーム改善プログラムは、身体に負担をかけず継続して走る観点から必要なメニューを理由とともに記載。

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

20種類以上の数値一覧では注目するべき具体的な数値がわかりやすく示される。改善プログラムでは目安のペースや目標値も表示。

〈アシックス〉の《ランメトリックス》の画面

フォーム改善プログラムの実施後には理想となるレーダーチャートが赤線で示され、改善の到達度もわかりやすい。

実際の動きを意識しながら筋トレやストレッチを行うことで、ランニングフォームの改善につなげていってほしい」(平川さん)との開発意図から、動きの改善ポイントがアニメーションで確認できるようになっているなど理解しやすくなっている。

アシックススポーツ工学研究所の平川奈央さんの写真

開発担当のアシックススポーツ工学研究所の平川菜央さん。「私自身もセンサーで測定される数値の左右差が大きい時は、なんとなく調子が良くないという実感もあります。ランメトリックスが示すデータは良くも悪くも事実。コンディション確認など自分に都合良く使ってもらえれば」。

改善を重ね、一生もののフォームを

ターザン編集部アサクラが走っている

フォーム改善には、パーソナルコーチングの目的に応じてスコアが低い項目など特定分野にフォーカスして改善するのもコツ。ある程度改善ができたと思ったら、改めて「フォームの改善プログラム」を作成して再度傾向分析を行えば、新しい課題やトレーニングプログラムの方向性が示され、そこでまた改善に取り組む。

こうしてランメトリックスの継続的な活用が、理想とするランニングフォームへと良好なスパイラルを作ってくれるというわけだ。

「上体のブレの左右差がほぼなかったことは意外でもあり、自信につながりました。自分の苦手な部分が可視化され、それを改善することでランニングスコアが向上していくのはモチベーションになります」(アサクラ)

意識するフォームと自分のカラダの動きの違いを知り、理解を深められるのが面白い。ランメトリックスの細かい分析から課題が明確になり、つぶさに改善していくことでランニングが“上手く”なっていく。上手くなれば、面白い。マラソンの面白さは速さや距離より、こうして取り組む“姿勢”にこそある。

INFORMATION

モーションセンサーの商品写真

モーションセンサー《CMT-S20R-AS》

https://asics.tv/Runmetrix

スマートフォンアプリ《ランメトリックス》に対応したセンサーデバイス。GPS機能+9軸センサーを内蔵し、ランニング中の動きを高精細に測定。骨盤の傾きや体幹の後傾など20種類以上の指標でフォームを解析する。IPX7準拠の防水性能、約20時間の連続使用に対応。サイズ:幅43.7mm ×高さ63.6mm×奥行き19.6mm。重量:約44g(サイズ、重量ともに本体カバー含む)。価格14,080円(税込み)。

編集・取材・文/本田賢一朗 撮影/坂本政十賜

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