複雑な運動で脳の回路の連携を高める
オリジナリティあふれる創造性、さらには求められた瞬間にパッとアイデアを思いつく柔軟性。これらを可能にするのは脳の発想力・瞬発力の高さだ。
瞬発力のある脳は“ひらめき”に満ちている。ビジネスパーソンにとっては重要な能力。ひらめきは脳の特定の部位というより、ほぼすべての脳の回路が連携し合うことによって生まれる。よってさまざまな角度から脳を刺激する運動を取り入れることが必要だ。
おすすめの運動は複数のタスクを組み合わせるデュアル・コンプレックスエクササイズ、あるいはバランス能力や目、手、足を使った筋トレコーディネーション。ちょっと頭を使っているなという複雑な運動を行って脳の発想力の向上に繫げよう。
ココに効く!
複雑な運動は前頭葉や運動の中枢である運動野はもちろん、左右の脳を繫ぐ脳梁、学習や記憶に関わる基底核、小脳など、広い範囲を刺激する。
トレーニングのやり方
- エクササイズは週3〜4回取り入れること。
- エクササイズは4週間以上継続すること。
① キャッチ・カルキュレーションフロント(1分)
本やタオルなどを床の4、5か所に一定間隔でまっすぐに配置。ボール(タオルなどでも)を手にし、床に置いた目印をひとつ跨ぐときにボールを投げ上げ、同時に計算を行い、キャッチする瞬間に答えを出す。前進移動しながら1分続ける。
② キャッチ・カルキュレーションサイド(各1分)
今度は床に置いた目印の横に立ち、目印を跨いで反対側に移動。目印を跨ぐと同時にボールを投げ上げ、同時に計算を行い、反対側に移動してキャッチする瞬間に答えを出す。1分間行ったら、今度は小さなボールを使って同様に1分行う。ボールの重さや大きさを変えることで、脳をより刺激するのだ。
③ 筋トレ・コーディネーション(3〜5セット)
左右の手に500mLのペットボトルを持って胸の前にセット。
右足を前に踏み出すと同時にペットボトルを前に出し、元の姿勢に戻ったら今度は左足を踏み出すと同時にペットボトルを真横へ。同じ要領で上、下とペットボトルを移動。2セット目から徐々にスピードを速めて行う。
最初に戻って、スピードUPしながら3〜5セット
コラム:ゾーンに入る、の正体とは?
最大限に集中していると同時に心身ともにリラックスしていて、アスリートの場合は周囲の状況がスローモーションのように見えることもある。これがいわゆる“ゾーン”という意識状態。
ゾーン状態の脳活動を画像化した実験では、激情や恐怖を司る扁桃体やデフォルト・モード・ネットワークという雑念の回路の働きが沈静化していたという。有効なのは瞑想。多くのアスリートが取り入れていることに納得だ。