【忍耐力】を高めるための運動|エスカレーション筋トレ

“脳力”は大人になった今からでも十分に鍛えられる。そこで最も有効な手段が運動。近年の研究で、運動の種類によって鍛えられる脳の部位、脳力が異なることがわかってきた。今回は「忍耐力」を鍛えるのに効くエクササイズを紹介!

取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/村田真弓 監修/久賀谷亮(医師、医学博士) トレーニング監修/中野ジェームズ修一 参考文献/『脳を最大限に活かす 究極の運動法』(朝日新聞出版)

初出『Tarzan』No.850・2023年2月9日発売

【忍耐力】を高めるための運動|エスカレーション筋トレ

同じ部位を徐々に強度を上げながら刺激する

すぐにキレてしまう原因は脳の粘り強さが不足しているせい。この粘り強さに関わっているのが脳の前帯状皮質という部位。

前帯状皮質は脳の上層部の前頭葉と大脳辺縁系という感情を司る部位を繫ぐ、いわば中間管理職。この部位が鍛えられていないと、痛みを感じたときに負の感情や意味づけが起こり、感情に振り回されやすくなる。

また、島という身体感覚を脳に伝える部位も忍耐力に関わっている。感覚をモニターして上層部に送る役割を果たすので、運動で鍛えておくことが忍耐力アップには欠かせない。

おすすめは同じ筋肉に負荷を与え続けながら、強度を上げていくエスカレーションという運動。最近怒りっぽいなという人はこのブリッジ&クランチを!

ココに効く!

忍耐力のための運動

前帯状皮質は知性と情動を司る脳の部位の連携役。島はカラダで感じる感覚を脳の上層部に伝える伝令役。どちらも鍛えることで粘り強さが養える。

トレーニングのやり方
  • 各エクササイズは週3〜4回取り入れること。
  • エクササイズは4週間以上継続すること。

エスカレーション・ブリッジ 

STEP① ブリッジ

忍耐力のための運動 ブリッジ

床に仰向けになり、両手をカラダの横に置いて両膝を立てる。左右のお尻を締めるようなイメージで腰を持ち上げる。胸、お腹、太腿が一直線になるまで持ち上げたら下ろす。30秒同じテンポで繰り返し。

STEP② 片脚ブリッジ

忍耐力のための運動 片脚ブリッジ

今度は仰向け姿勢で片足を反対側の腿の上に引っ掛ける。基本のブリッジと同じ要領で腰を持ち上げる。膝を立てている側のお尻と腿裏により負荷がかかる。15秒繰り返したら脚の左右を変えて15秒。

STEP③ 脚上げパンプ

忍耐力のための運動 脚上げパンプ

片脚を天井に向けて持ち上げる。膝はまっすぐ伸ばさなくても構わない。そのままブリッジして胸、お腹、軸脚の腿前を一直線に保って15秒キープ。脚を変えて15秒キープ。終了したら、続いてクランチへ。

エスカレーション・クランチ 

STEP① ベーシッククランチ

忍耐力のための運動 ベーシッククランチ

床に仰向けになり両膝を立てる。両手は頭の後ろで組む。このとき腰が床から浮かないように。そのまま肩甲骨が床から離れるまでゆっくり上体を持ち上げ、ゆっくり下ろす。30秒繰り返し。

STEP② 90°クランチ

忍耐力のための運動 90°クランチ

クランチの姿勢で両脚を揃えて上げ、膝の角度を90度に保つ。そのまま肩甲骨が床から浮くまで上体を持ち上げる。両足で床を押すという踏ん張りが利かないので、腹筋にさらに負荷がかかる。

STEP③ レッグレイズクランチ

レッグレイズクランチ

さらに負荷を上げるために両脚を揃えて持ち上げ、膝をできるだけまっすぐに伸ばす。そのまま肩甲骨が床から浮くまで上体を持ち上げる。脚のポジションが前後しないようにしっかり揃える。