複雑な集中力の回路をインターバルで刺激
ひと口に「集中力」といっても、実は脳はとても複雑な情報処理を行っている。最初は注意を張り巡らせる「警戒」、次に注意を向ける「定位」、最後に作業の目標や計画に注意を向け続ける「実行注意力」。
この3つのステップを経て人は初めて集中力を発揮できるのだ。
集中力に関わる脳のルートは下の通り。これらの部位を刺激する最適の運動はショートインターバル。一連のエクササイズを続けて行い、30秒の休憩を入れる。これを3〜5セット繰り返す。
1セット終わって休憩している間は極力ぼんやり過ごし、2セット目に入ったら再び運動に集中する。この切り替えを繰り返すことで脳の多くの部位が刺激される。仕事を始める前に、毎回取り入れるのがおすすめ。
ココに効く!
背側前帯状皮質と前島、前頭葉が結ぶ回路。背外側前頭前野と頭頂葉を結ぶ回路。このふたつのルートを協調させることで集中力が増す。
トレーニングのやり方
- 仕事を始める前に、毎回取り入れるのがおすすめ
- 紹介する3種目を連続して30秒ずつ行う×3〜5セット
- 1セット終わったら30秒間の休憩
- エクササイズは4週間以上継続すること
① 爪先ダッシュ(30秒)
その場で爪先着地で素早く足踏みする。両手を素早く振って一定のリズムを保つ。アキレス腱に負担がかかるので違和感がある場合は行わないこと。スタート前にアキレス腱ストレッチなどウォーミングアップを取り入れるとベター。
② スクワットジャンプ(30秒)
足を骨盤の幅より広めに開いて立つ。まずお尻を突き出すようにして腰を沈み込ませ、同時に腕を前に出す。その姿勢から腕を後ろに引き、一気にジャンプして伸び上がる。膝に負担がかかるので違和感があるときは行わない。
③ スクワットジャンプ レベルアップ(30秒)
最初は爪先ダッシュとスクワットジャンプで1セットとしてもいい。慣れてきたらスクワットジャンプをアレンジしたこちらをプラス。ジャンプして伸び上がったときに素早く脚を閉じ、脚を開いて着地する。終了後に30秒休憩。紹介した3種目(計90秒)を3〜5セット繰り返す。
コラム:運動を継続するための科学的コツ
運動以外にも脳科学に基づいたやる気を出す方法がある。ひとつはやる気の出るフレーズをひとつ持っておくこと。「やればできる!」など一定のフレーズを唱えることで脳がやる気モードになる。または左足から靴を履くなどのルーティンを設定する。
決まった動作をすることが脳に調整作用をもたらし、運動に対する準備態勢を整えると考えられている。前向きに運動を続けるコツとして取り入れたい。