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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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本気でカラダを変えたいなら、食事と運動の2軸で着実に一歩一歩ステップアップしながら緩んだカラダにマイルドな矯正をじっくりかけていこう。今回は3か月でカラダの土台を作る食事術を紹介。1か月ごとにステップアップしていくことで、無理なく、確実に結果が出るはず。
上田貴央さん
うえだ・たかお/総合格闘家、パーソナルトレーナー。FIGHTER’S FLOW代表。格闘家の減量メソッドをベースにした独自の食事指導を提供。誰もが確実に痩せられると絶大な支持を得る。今回はそのアレンジメソッドをご紹介。
今度こそ、本気でカラダを変えたいのなら着実に一歩一歩ステップアップしていくのが吉。食事と運動の2軸で1か月ごとにステップアップしていく“期分け方式”で進めよう。そこで、今回はカラダの土台を作る初めの3か月の食事術を紹介。
1か月目はこれまで甘やかした結果、緩んだカラダにマイルドな矯正をかける。2か月目でエンジンをかけ、3か月目でいい感じに絞り込んで仕上げる。順調に進めていけば、いつ何時、脱いでも恥ずかしくないカラダができるはずだ。
目次
最初の1か月は、ただひとつのこのお題、「動物性タンパク質を1日60g確保する」ことに専念。カラダの構成成分である必要最低限のタンパク質を摂れば、おのずと糖質や脂質との摂取バランスが整い、無用な食欲から解放される。
欲を言えば1日のタンパク質量は体重×1g分を確保したいところだが、食事コントロールに慣れていない場合、至難の業。よって60gラインを日々クリアすることに全力を注げばよし。1か月目はそれだけを念頭に食事を組み立てよう。
主食の量や調理法の制限はとくに設けず、ただひたすら動物性タンパク質に注目だ。体重が増えても気にしなくてOK。筋肉の下地を作っていく。
タンパク質食品には肉、魚、卵、乳製品などの動物性と大豆製品などの植物性があるが、ここで注目するのは前者の動物性。外食などでも確保しやすいし、動物性に絞った方がシンプルで分かりやすいからだ。
でも肉を100g食べたらそれで1日分、軽くクリアじゃん?と思ったら大間違い。実は肉100gには20g弱のタンパク質しか含まれていない。
下の食材とタンパク質含有量をご覧あれ。1回の食事で摂るポーションから摂れるのはこの程度。まずはイメージを頭に叩き込もう。
次に1日3食で60gの動物性タンパク質をどう配分するか。1食20gずつ摂れれば理想だが、朝っぱらから肉や魚をモリモリと口にできる人は少ない。
朝は卵やヨーグルトなどで10gのタンパク質を確保し、残りを昼と夜のボリュームを調整しながらカバーするのが妥当。
夜がっつりか昼がっつりかはその日の予定や体調と相談を。NGは朝トースト&コーヒーといったタンパク質ほぼ0gの食事。残り2回の食事にタンパク質を偏らせると内臓への負担が増えてしまうことにもなる。
肉や魚にどれくらいのタンパク質が含まれているかはぼんやり分かった。でも実際の食事で1日60g確保するとなると?という人も多いだろう。そこでコンビニや外食での1日3食のケーススタディをご紹介。
まずはこれらの例にできるだけ近い食事を組み立てよう。イメージが摑めればこっちのもの。1か月後にはメニューをパッと見ただけでどれだけ動物性タンパク質が確保できるか分かるようになる。
組み立て例の表の見方
朝食のサンドイッチやおにぎりは動物性タンパク質の具入りのものをチョイス。昼夜はメインのおかずで十分量をカバーできない場合、サブのおかずをプラスする。
ファストフードや定食、単品メニューに含まれるおよそのタンパク質量を頭に入れよう。カレーやラーメンは肉やシーフードが盛りだくさんのメニューを狙うべし。
動物性タンパク質摂取の習慣はしっかりついただろうか? その習慣をキープしたまま、続く2か月目の課題に移ろう。テーマはカロリーコントロール。
適正摂取エネルギーの上限と下限を設定し、その範囲をゴルフのグリーン圏とする。男性なら2000~2500キロカロリー、女性なら1500~2000キロカロリー、この500キロカロリーのエリアに毎日ボールを落とすことが目標だ。
スマホのエネルギー計算アプリを利用するなどして、今日口にしたもののカロリーをすべて割り出すことから始めてほしい。
ちなみに自分の食事でこれだけは欠かせないものは優先してよし。他の部分でカロリーを調整すれば、ストレスフリーでグリーンを狙えるはず。
朝食
品名 | エネルギー | 総タンパク質量 |
---|---|---|
ミックスサンドイッチ |
353kcal |
13.9g |
ホットドッグ |
290kcal |
8.9g |
マフィンサンド |
304kcal |
16.1g |
チーズバーガー |
310kcal |
16.2g |
鮭おにぎり |
212kcal |
7.8g |
ハム野菜サンド(カフェ) |
454kcal |
19.2g |
昼食
品名 | エネルギー | 総タンパク質量 |
---|---|---|
ポークカレー |
754kcal |
22.1g |
肉なんばんうどん |
452kcal |
19.0g |
チャーシュー麺 |
551kcal |
28.8g |
ミートソーススパゲティ |
652kcal |
22.7g |
エビグラタン |
576kcal |
30.8g |
鉄火丼 |
648kcal |
39.1g |
親子丼 |
703kcal |
28.3g |
牛丼(並) |
635kcal |
20.0g |
刺し身定食 |
517kcal |
29.6g |
にぎり寿司 |
514kcal |
25.3g |
ブリの照り焼き定食 |
677kcal |
30.7g |
鶏肉の照り焼き定食 |
748kcal |
37.3g |
八宝菜定食 |
661kcal |
21.8g |
エビチリソース定食 |
677kcal |
29.5g |
幕の内弁当 |
751kcal |
24.4g |
夕食
品名 | エネルギー | 総タンパク質量 |
---|---|---|
刺し身盛り合わせ |
153kcal |
25.2g |
サンマの塩焼き |
286kcal |
16.8g |
肉野菜炒め |
261kcal |
19.9g |
鶏肉の唐揚げ(4個) |
396kcal |
24.1g |
ホッケの干物(1尾) |
465kcal |
53.7g |
チキンソテー |
612kcal |
35.6g |
煮込みハンバーグ |
588kcal |
30.1g |
シューマイ(5個) |
294kcal |
15.6g |
おでん盛り合わせ大(コンビニ) |
521kcal |
36.6g |
お酒のエネルギー
品名 | エネルギー |
---|---|
ビール小ジョッキ |
121kcal |
ワイン100mL |
73kcal |
日本酒1合 |
196kcal |
生レモンサワー350mL |
108kcal |
ウーロンハイ350mL |
103kcal |
ハイボール350mL |
119kcal |
毎日のお酒やスイーツは絶対マスト、大好物の揚げ物は譲れない。それで大いに結構だ。優先順位をつけ、1日60gのタンパク質を確保しながらどこをどう削ればクリアなるか? そのヒントがこちら。
組み立て例の表の見方
お酒を飲むなら夕食の主食は抜き、主菜もあっさりと。
Total・エネルギー2015kcal 動物性タンパク質68.2g
カロリーが過剰になる揚げ物は、基本ランチで食す。
Total・エネルギー2149kcal 動物性タンパク質68.5g
甘党女子は主食の量と質を考えて血糖値上昇を防ぐ
Total・エネルギー1798kcal 動物性タンパク質69.6g
自分にとってどの程度の食事が適正かは頭に入ったはず。今までの食事ルールではとくに痩せることに主眼を置いてこなかった。しかし、2か月前と比べるとおそらく体重は減っているはず。タンパク質摂取の下限、エネルギー摂取の上限を守れば人のカラダは自然に整うからだ。
で、ここからの1か月がいよいよ本丸。目標は体脂肪1㎏を完全に消滅させること。体脂肪1㎏をエネルギーに換算すると7200キロカロリー。30日で割ると1日240キロカロリーとなる。この分を主食、主菜、おやつ、お酒、自分が毎日必ず摂るものから差し引くのだ。頭を使って日々返済していこう。
人が毎日口にするのは主食。1食当たりを少しずつ削れば×3のエネルギーを返済できる。朝食のパンを8枚切りに替え、ランチの蕎麦を3分の1残し、夕食のごはんを半分にすればトータル-291kcalで軽々クリア!
同じ食材でも調理法によってエネルギーは異なる。とくにノンオイルの料理と揚げ物では雲泥の差。揚げ物大好きな人もこの1か月は踏ん張って蒸し物や刺し身、グリル料理などにスイッチを。いっそ自炊に挑戦する手もありだ。
唐揚げを蒸し鶏にすると-79kcal
フライを刺し身にすると-205kcal
とんかつをとんてきにすると-167kcal
3時のおやつは何があっても死守! そんな人にはむろん食べるなとは言わない。ただ量を調節すれば大きな返済額となることを知っておいてほしい。たとえばチョコ1枚(280kcal)を5日で楽しめば、1日224kcalが返済可能。
これまでガバガバ飲んでいた人ほど、この1か月で大きなポイントを稼ぐことができる。500mL缶をすべて350mL缶にすれば、60~70kcalのマイナス。カロリーゼロのビール飲料にすれば、マイナス200kcal以上!
3か月間でお腹のハミ肉は消失し、土台は完成! となったらあとは維持するのみ。-240kcalの枷を外し、元の1日60gのタンパク質摂取と適正エネルギー摂取を続けていけばよし。借金返済から解放され、ここからはもう天国。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 取材協力/河村玲子 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/村田真弓 監修/上田貴央 参考文献/『毎日の食事のカロリーガイド第3版』『外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド』(共に女子栄養大学出版部)
初出『Tarzan』No.848・2023年1月4日発売