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見栄えのいい背中と、使える背中は違うのか? スポーツ選手、お笑い芸人、プロレスラーにバレリーナまで。全22名の背中自慢たちが集結し、背筋力を測定! いちばん強いのは、誰だ?(雑誌『ターザン』No.846〈2022年11月24日発売〉より全文掲載)
目次
読者の皆さんは自分の背筋力をご存じか? おそらく、ほとんどの方が知らないのではなかろうか。それもそのはず、昭和の時代は中学校などの体力測定に背筋力の項目があったものの、腰を痛めるなどの理由で平成期にはいつの間にか消滅。
しかし、カラダの裏側の筋肉を鍛えることは多くのメリットがある。背筋力測定は、その成果を示す分かりやすい数値と言っても過言ではないので、知っておいた方がいいに違いない。
「背筋力測定は背中の筋肉に加え、僧帽筋や臀筋群、ハムストリングス、ふくらはぎなど背面の筋肉が全て連動するポステリアキネティックチェーン(PKC)という動作を行うため、計測結果が即ち全身の筋力の指標にもなりえる。これが背筋力測定をおすすめする理由です」
そう話すのは澤木一貴トレーナー。計測の際は、股関節をしっかり屈曲させるとより正確な数値が測れるという。ちなみに澤木さんの結果は238.5kg。驚異的数値だ。
「普段やらない動作ですが、多少なりともトレーニングを行う人なら自分の筋力レベルを知りたくなるはず。皆さんも機会があればぜひ測ってみては」
台の上に立ち、背すじを伸ばして上体を30度前傾させるのが基本姿勢。まずはその角度を保てるようにチェーンの長さを調節し、手を巻き込むようにバーをしっかり持つ。次に左右の足の拇趾球をグッと踏みしめるイメージでカラダが後傾しないようにし、膝を曲げ伸ばしせずに思い切り両手でバーを引き上げよう。
こんな計測はNG
編集部では、ガチの背筋計測器を用意。
各界のアスリートや背中自慢のタレントなど、総勢22名に正しいやり方をレクチャーしたうえで、背筋力計測チャレンジをしてもらった。意外な人が意外な数値を記録しているので、今後の背面トレーニングのモチベアップのためにも結果をとくとご覧いただきたい。
「試合中は背中を使い相手を引き寄せる動きを何度もしますが、それで実力が測れたりと、背筋はセンサー的な役割も果たしています。筋トレでは必ず懸垂をやって広背筋や大円筋を鍛えていますね。あとは肩甲骨の動きをストレッチでよくしておくのも大事。これひとつでケガしにくくなるし、代謝も上がるので試合前の減量もしやすくなります。今回初めて計測しましたけど、もっと上を目指したいです!」
「クライミングは背中で登ると言っても過言じゃないくらい、背筋は使いまくります。ただ背中を大きくするのではなく、カラダの動きをうまくコントロールできるような力をつけることが大事。実戦の中で肩甲骨をどう動かし、筋力を発揮するかを常に考えています。快さん(藤井快)に負けちゃったので、次はリベンジを!」
「昔はカラダの前面の筋肉に頼って登る癖がありましたが、近年ホールドのサイズが全体的に大きめに変わってきたら、それが通用しなくなってしまい…。大きいホールドは“背筋を使って摑む”ことが必要だと感じ、筋トレで後ろの筋肉を意識的に鍛えるようになりました。今回はその成果が出たのかも。次は240kg超えを!」
「番組の企画で夏前から4か月間鍛えまくったので、今も週2回はジム通い。背中はオーソドックスにラットプルダウンで鍛えてますけど、最初は難しかったメニューができるようになってくると楽しいですね。背筋は初めて測ったので結果にはピンとこないけど、もう少し背中を鍛えるか! とモチベーションが高まりました」
「僕も屋敷と同じくバキバキになって、せっかくなので家にあるベンチを使ってフッキンや背筋、ダンベルプレスやダンベルフライなんかを続けています。後ろ姿を見ると背中や肩まわり、結構鍛えられてるでしょ? トレーナーさんに、背中を鍛えれば羽が生えるから! と励まされながらやっていたのを思い出します」
「後ろから見たときに砂時計のようなメリハリのあるラインにしたくて、ロウイングやチンニング、あとはダンベルで肩や背中、お尻のトレーニングに日々励んでいます。マイクも、手ではなく背中で持つよう意識。ファンの皆さんから後ろ姿を褒められることが多くて、鍛えててよかったなって。今回の結果は正直悔しいので、次回は100kg出したいです!」
「リングでの見栄え的に逆三角形のボディを目指しているので、背中や肩は結構鍛えています。まだアシスト付きですが少しずつ懸垂もできるようになってきて、背中を使って投げるボディスラムの安定感もUP! 今回背筋力ではなつぽいに1kg及ばなかったけど、これからもっと伸びるはず。次は絶対負けない!」
「ファイトスタイルがスピード重視なので、そのパワーの源になる下半身と背中の筋肉は特に鍛えています。腕立て伏せも足の位置を高くして、胸だけではなく背筋にも効かせるように。盛り盛りにするのではなくシャープに使えるようにするのが目的だけど、背筋80kgは納得いかないのでもっと精進します!」
「パワーリフティングの大会で優勝経験がありますし、デッドリフトで260kgを記録したこともあるのでそれなりに自信はあったのですが、207.5kgですか。とりあえず最低限の結果は出せたから納得とはいえ、師匠の澤木よりは結構下…。いまは正直打ちひしがれています…。でもこのまま師匠には負けてられません。いずれ追い越します!」
「空中でバランスをとるためにも背面の筋肉は重要。稽古前に行う筋トレには背筋の種目を必ず入れています。稽古中は特に背すじをまっすぐ保つよう意識していて、そこからあらゆる動きに繫げていく。バレエの基本中の基本なんです」
「バレリーナは後ろ姿がきれいじゃないと舞台で美しく見えません。私の場合、左右の耳を繫ぐライン上に両肩が来るよう常に意識しています。これをやると自然と肩がほぐれ、肩甲骨が本来の位置に戻るのでおすすめですよ。背筋は初めて測りましたが、70kgくらいは余裕かなと思っていただけに残念!(笑)」
「姿勢維持のために背中の筋肉はとても重要です。ジャンプ、ひねり、着水とあらゆる場面に必須で、体幹を鍛えるようになったら、技が安定するようになりました。結果ですか? うーん、いま腰を痛めているので(笑)。リベンジします!」
「ダッシュから瞬間的にピタッと止まりジャンプをしたり、HIITのような動きが連続して続く競技なので、その中で背筋の大切さはいつも実感しています。ディスクを投げる際、全身の力を指先から伝えるために背筋を“効かせる”ことが大事。これからも背筋を鍛えていきます!」
「番組でトレーナーの山本義徳さんに教わったのを機に数年前から鍛えています。2022年に出産したばかりで、長時間抱っこ紐を着けていると巻き肩になるので、リセットするためにも背中トレは欠かせません。低負荷設定のチンニングマシンを、回数多めで行っています。ママさんこそ、背中を鍛えるべきだと思いますよ!」
「週4~5日ジムでワークアウトしています。2021年は『SASUKE』に向けて、背中は懸垂などぶら下がり系のトレーニングが多かったんですが、2022年はコンテスト向けに広背筋の下部を鍛えるべくダンベルロウイング、ケーブルロウイングを。最近は、ドラムを叩くときも背中や背骨を意識しています。200kg出せたので満足!」
「筋トレはやらず、仕事でパワーをつけました。引っ越しで最も必要なのは足腰の力や、重い荷物を持ってもバランスを保てる体幹力。僕はスピードタイプで、いかに素早く運ぶかを意識しています。思い返すと、背筋は使っていますね。筋トレなしでこの結果には満足かな?」
「スクラムは背中が丸まったら終わりなので、姿勢を維持するために背中は結構鍛えていますよ。メインは懸垂、ダンベルを使って細かい筋肉もトレーニングするようにしています。カラダを折って引く動作ってあまりやらないけれど、とりあえず200kgを超えられたので一安心…。チームのみんなに怒られなくて済みます(笑)」
「特別に背筋を鍛えているわけではありませんが、パーソナルトレーニングで猫背の解消と、正しい姿勢でカラダを動かすトレーニングをしています。ラグビーはコンタクトスポーツ。姿勢が悪いと競り負ける場面が増えてしまいます。普段、背筋力を計測することはないけど、こうやって数字を見るともっと鍛えようかな(笑)」
「アタックを打つときは、背中を鞭のようにしならせて全身の力を掌からボールに伝えるので、背中の筋肉は大切。今でも、アタックをたくさん打ったあとは、腹筋と背筋が筋肉痛になったりもします。(記録を見て)え、女性1位ですか!? 懸垂や体幹トレは習慣的に行っていますが、競技の中で培われた力だと思いますね」
「中学生の頃から腰椎分離症で、背中に筋肉のコルセットを付けてカバーしようと鍛え始めました。プレー中はディフェンスでのぶつかり合いや、下に落ちたボールを低い姿勢で奪い合う時など、ボディコンタクトでの背筋の必要性を感じます。今回とても惜しい記録だったので、次こそは必ず200kgを超えたいと思います!」
「ボールを蹴るときに背筋の“抑え”が利かないと力は伝わらないですし、相手選手をブロックする時には強い体幹が必要。サイドを駆け上がり、反転してクロスを入れたり、シュートを打つプレーが私の持ち味。ブレないカラダを作るために、チームの練習以外にも、加圧トレーニングなどをしています。次は100kgを!」
「そり投げは背中を大きく反らして投げますし、相手を引き付ける動きが多くなるので、背筋は特に大事。肩甲骨を使い、引く力を養うトレーニングは常に行っています。具体的には実戦形式と、腰に50kgのウェイトを付けての懸垂などですね。背筋測定はたまに行っているので結果は予想通り。まあこんなもんでしょう(笑)」
スペシャリストたちに背筋力を計測していただいたが、『最後にターザン』の編集部員も背筋力をチェック。
サッカー部出身の長身、20代アサクラが153kg、副編集長ホシノが134.5kgという記録を叩き出したものの、あとはぶっちゃけドングリの背比べ。なかにはバーを引き上げた瞬間にアイタタタと腰を押さえる者までいる始末。みんな、もう少し頑張りましょう!
取材・文/黒田 創、神津文人(⑫、⑮、⑰~⑲、㉑) 撮影/栗原大輔(32ページ、⑨、⑯、⑳)、小川朋央(①~⑧、⑪、⑭、⑮、⑲、㉒)、上野留加(⑩、⑬、⑰、⑱、㉑)、中西祐介(⑫)
初出『Tarzan』No.846・2022年11月24日発売