問1. ストレングストレーニングの予防効果を期待できるのはどれか
- 肥満
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 高血圧
国際ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)では、年齢・性差それぞれに応じたストレングストレーニングを推奨している。
ここでは前回(詳しくはコチラの記事:重力に逆らう全ての人に有用。ストレングストレーニングとは何か?)で学んだ「ストレングストレーニングの目的」を受け、「抗老化」における効果に焦点を当てて解説していこう。
まず前提として、加齢とともに起こる身体組成の著しい変化は、カラダの機能障害を発生させる原因となりうる。たとえ若い頃に高度なトレーニングを積んだとしても、30歳以降は筋量が減少し、パフォーマンスの低下は避けられない。
さらに現代社会において、ヒトは年齢を重ねるほど活動量が減るのが一般的だ。その結果、カラダに必要以上に取り込んだ糖や脂質が消費されず、体脂肪(特に中年期以降は内臓脂肪)として蓄積される。
この状態が恒常的に続くと、やがて糖尿病や脂質異常症になって血管が傷害され、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を招くという悪循環に陥るのだ。
そこで行うべきが、筋力を取り戻す、または維持するためのトレーニング。
全身のエネルギー代謝が格段に高まる=糖や脂質の消費量が増えることで、これらの蓄積によって引き起こされるさまざまな障害を防ぐ。よって答えは、①②③④すべてが該当。特に中年期以降、カラダのストレングスは必須と心得ておこう。
問2. 次のうち、ストレングストレーニングで分泌されるホルモンは?
- アドレナリン
- コルチゾール
- オキシトシン
- 成長ホルモン
抗老化、つまりアンチエイジングにおけるストレングストレーニングの効果は、カラダの内面だけにとどまらない。
例えば年齢を重ねると皮膚が重力に負けてたるむのが一般的だが、日常的にトレーニングを行う人の肌は概して張り、ツヤがあるといわれやすい。これは皮膚を下から持ち上げて支えるという、筋肉の副次的な作用のためだ。
また筋量や活動量が少ない人は、自律神経の切り替えがうまく働きづらい。対して筋肉を鍛えると、活動時で優位になる交感神経がメリハリよく働く。
交感神経は内分泌系と関連が深く、これが脳の視床下部に作用して、活動エネルギーを生み出すコルチゾールや、脳の覚醒を促すアドレナリンの分泌を活性化する。
ちなみに両者ともストレスや興奮状態のときに分泌されるホルモンとして知られるが、運動で瞬間的に増加する場合はむしろ脂肪の分解や体温の上昇など、健康に対するメリットの方が大きい。さらに筋肉量はスムーズな血流にも直結し、全身の若々しさを保つのに一役買っている。
また、トレーニング後に筋肉が修復される過程では代謝を促進する成長ホルモンも出やすくなる。
これらが総合的に働くことで、トレーニングによるアンチエイジング効果が高まるというわけだ。よって答えは①②④。