夢の舞台・国立競技場へ抱く想い
オリンピックレガシーの象徴である国立競技場に対して抱く想いや、未来を担う世代へ向けた活動。新旧それぞれの国立競技場で活躍した2人に話を聞いた。
「高校球児が甲子園を目指すように、サッカー少年は国立競技場を目指す」と話す藤田俊哉さんがこの場所をはじめて訪れたのは、高校2年生のとき。プロデビュー後もたびたび試合でこの地を踏んだ。
「以前よりスタジアムが大きくなり、変化した部分も多々ありますが、やはりここでしか味わえない高揚感や緊張感があると感じます」(藤田さん)
一方で、髙田千明さんは東京2020パラリンピックでこの場所へと足を踏み入れた。コロナ禍の開催で戸惑うことも多く、正直、満足のいく結果は 得られなかったのですが、新たな自信につながりました。次のパラリンピックに向けて今は練習を重ねたいと思っています」と話す。
次の世代へバトンを渡すために動く
現役引退後に選手の育成やマネジメントに関わる藤田さんと、都内の小中学校でパラスポーツに関する講演会を行う髙田さん。次世代を育てる活動において、互いに共感する点も多いよう。
「海外で監督を目指したとき、指導者になるためのハードルが想像以上に高くて。しかし、一流の選手を生むためには指導者を育てる必要があると思うんです。実は、渋谷区のサッカー事業に参加した経験も。地域を盛り上げ るために、僕は区のクラブチームを作るべきだと考えています」と藤田さん。
髙田さんは「最近は部活動に外部コーチを招く学校も増えていますし、専門性のある指導はやはり重要ですよね。私も学校から依頼があれば、できる限り訪れるようにしています。子どものうちに障がいのある人と接した経験がある人とない人では、周りを見る目や対応力がまったく違うので。やはり、実際に対話して理解してもらうことは大切だと感じます」と話す。
選手と指導者、そして彼らを 取り巻くサポーターやボランティア。全員が一丸となって活動してこそ、地域のスポーツが盛り上がり、多様性の輪が豊かに広がっていくのだ。
INFORMATION
渋谷区制90周年記念サイト『渋谷区のちから。』をウェブサイトにて公開中! “ちがいを ちからに 変える街”。渋谷区は1932年10月1日に誕生し、2022年に90周年を迎えました。「シブヤ」は今もなお、多種多様なトレンド、カルチャーの巨大なインキュベーション装置です。
そんな渋谷区の「ちがい」とは? 渋谷区の「ちから」とは? 渋谷区は住む人、働く人、訪れる人、あらゆる人々にウェルカムな街を徹底解剖。過去も現在も未来も、いつだって可能性に満ちている。渋谷区制90年の物語を紹介しています。