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カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。運動の法則をシリーズで学ぶ2回目は、加速度をともなう「ニュートンの運動方程式」について。
物体の力学的な動きを解析し、身体の動作を理解する基礎ともなる運動の法則。今回は、その第2法則である「ニュートンの運動方程式」について学んでいこう。運動方程式とは物体の運動状態を変化させる関係式を指し、以下によって定義される。
F(力)=m(質量)×a(加速度)
ここで上記の式を見ると、物体の質量が大きいほど、これを加速させるにはより大きな力が必要となることが分かるだろう。たとえば1kgの箱と2kgの箱を同じ速さで動かそうとしたとき、後者は前者の倍の力を要するというわけだ。
つまり運動方程式は“物体にカが加わると同じ方向に加速度が生じる”および“物体は加わった力に比例した加速度を持つ”と定義される。
よって答えは①比例する。一方、この定義は裏を返せば“加速度の大きさは物体の質量に反比例する”ともいえる。次項で解説していこう。
F=maの運動方程式は、次の式に変換することができる。
a(加速度)=F(力)÷m(質量)
つまり加速度は、質量が小さいほど大きくなる(=反比例する)。例えば同じ力で物体を投げようとしたとき、質量の大きい砲丸よりも、野球のボールの方がより速く遠くへ投げられるということは、経験的にも理解できるだろう。
こうした運動方程式の概念は、物体を投げる・打つ動作を行う野球やテニスなど、またラグビーやアメリカンフットボール、相撲といった衝突をともなうスポーツにも応用できる。これらに共通するのは、加速度の大きさがパフォーマンスの向上に直結していることだ。
加速度を主として考えた上の計算式においては、F(力)が大きいほどa(加速度)も大きくなる(=比例する)ことが分かる。そのため、こうしたスポーツの競技者はトレーニングによって筋肉を増強し、F(力)の出力を大きくすることが必要とされるのだ。よって答えは①F(=力)を大きくする。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.844・2022年10月20日発売