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人の関節の多くはこの動き。筋トレで「第3種テコ」を学ぶ

テコの原理 第3種テコ

カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。今回のテーマは「第3種テコ」。人体の関節運動は、すべてテコの原理に基づいて行われる。このうち、人体で作用する多くが「第3種テコ」に分類される。

問1. 次のイラストで、A~Cに当てはまるものをそれぞれ選べ

テコの原理 第3種テコ

  1. 支点
  2. 力点
  3. 作用点

人体の関節運動は、すべてテコの原理に基づいて行われる。このうち、人体で作用する多くが「第3種テコ」に分類されるものだ。

テコの種類はレバー(アーム)に対する回転軸(=支点)・力(=力点)・抵抗力(=作用点)の位置関係によって分類され、支点と作用点の間に力点が位置するものが第3種テコとなる。

その最大の特徴は“運動の速さ”に対して有利であること。力が加わるアームの距離が支点のより近くにあることで、筋力は抗力以上に力を発揮する必要がある。そのぶん、先端に位置する作用点に速度をもたらすことができるというわけだ。

身近な道具としては、ピンセットやトングなどが第3種テコの働きを応用したものとして挙げられる。

テコの原理 第3種テコ

「支点」から見て、「力点」が「作用点」との中間に位置する第3種テコ。トングの例では支点に近い力点に力を加えると、その力が速度を伴って作用点へと伝わる。

人体における分かりやすい例としては、冒頭の上腕二頭筋がある。これが収縮することで筋の停止部である橈骨粗面に力が加わり、肘関節を支点とした回転運動によって、作用点にかかる抵抗(ここでは前腕部の重み)を持ち上げるのだ。よって答えはA=③、B=②、C=①

問2. 以下のうち、第3種テコの原理を応用したトレーニングは?

  1. アームカール
  2. レッグエクステンション
  3. サイドレイズ

人体の関節のほとんどは、第3種テコの構造をなす。例えば問1で例に挙げた肘の屈曲動作において、上腕二頭筋を鍛えるトレーニングが①のアームカールだ。

この場合、手に持つダンベルと前腕部の平均重心が作用点となり、負荷が重くなるほど、力点にはより多くの筋出力が必要とされる。

人体における動作の中では「外転」も第3種テコによる特徴的な動きだ。例えば肩関節を外転させるトレーニングには、三角筋を強化する③のサイドレイズがある。

ここで作用点となるのは、上腕からダンベルを持つ手先までを含めた重心部。そして上腕の真横にある三角筋の停止部(三角筋粗面)が力点となり、筋の収縮によって肩関節、つまり支点の外転運動が行われるというわけだ。

また大腿四頭筋を鍛える②のレッグエクステンションでも、第3種テコの働きが機能している。

ここでは膝関節が支点、下腿から足先までの重心部が作用点、大腿四頭筋の停止部である脛骨粗面が力点となって、筋収縮により膝の伸展動作が行われる。

よって答えは①②③のすべて

テコの原理 第3種テコ

負荷の軽いチェアレッグエクステンションでは、手を太腿に乗せて、支点となる関節をグラつかせないのがコツ。自宅トレではそのほか、ダンベルを両足に挟んで行う方法もある。

取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)

初出『Tarzan』No.842・2022年9月22日発売

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