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〈ナイキ〉のランニングシューズ3足を履き比べ! シューズトライアル体験レポート
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お腹は空いていないのに、何か無性に食べたくなる。これこそ、肥満の原因となるエモーショナル・イーティング=ストレス食いだ。このストレス食いを防ぐのにおすすめなのが、朝、卵かけご飯を食べること。その理由とは?
筋肉が収縮と弛緩を繰り返すように、脳も集中とリラックスを繰り返す。そのリズムが乱れると、カロリーは足りているのに、イライラして食べたくなる。これがエモーショナル・イーティングと呼ばれる現象。
いわゆるストレス食いである。
脳の集中とリラックスの切り替えには、ホルモンが深く関わる。集中時はアドレナリン、リラックス時はセロトニンの分泌が盛んになるのだ。
「セロトニン分泌が減るとリラックスできなくなり、アドレナリンが肝臓に貯蔵しているグリコーゲンの分解を進めます。グリコーゲンは、いざというときに備えて貯めている糖質。
その貯蔵量が減ると、グリコーゲンをチャージするため、食欲が増して食べすぎます。ストレス下で甘いモノを欲するのは、グリコーゲンチャージが狙いです」(管理栄養士の岩崎真宏さん)
ストレス食いを避けるのに大切なのが、ご飯などから糖質、卵や牛乳などからタンパク質を摂ること。
「セロトニンは、タンパク質を作るアミノ酸の一種であるトリプトファンから脳内で合成されます。トリプトファンは卵や牛乳などに豊富。
トリプトファンは普段は脳に入りにくいのですが、糖質を摂り、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されると、脳内に入りやすくなります。ですから、糖質とタンパク質を同時に摂ることが有効なのです」
朝食で糖質とタンパク質を補えば、セロトニンが増え、一日中ストレス食いが防げる。また、糖質とタンパク質は体内時計を整えてくれるので、代謝と食欲のリズムがシンクロして、無駄な体脂肪を溜めにくくなる。
取材・文/井上健二 取材協力/岩崎真宏(管理栄養士、日本栄養コンシェルジュ協会代表理事、医学博士)
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