巧いダンベルトレ|リアレイズ(トレーナー・川本高透さん)
「トレーニングは“巧さ”で決まる!」パーソナルトレーナー川本高透さんの連載。今回は、ダンベルを使って「三角筋後部(肩の後ろ)」を鍛える「リアレイズ」をご紹介します。
肩の後ろを鍛えるリアレイズ
美しい肩と言えば、前からだけでなく、横から見ても形の整った適度に厚みのある肩ではないでしょうか。美しい肩周りをつくるには、肩の前側だけではなく、後ろの筋肉を鍛えることが大切です。
肩の後ろに位置する三角筋後部を鍛えることで、横から見たときに厚みのあるバランスの良い肩周りをつくることができます。
また、巻き肩を予防して、姿勢よく保つことができます。肩を鍛えるトレーニングはサイドレイズやフロントレイズがよく知られていますが、今回ご紹介するリアレイズは、三角筋後部を集中的に鍛えることができるトレーニングです。
鍛えられる筋肉
三角筋後部(肩の後ろ):三角筋後部は肩の後ろ側に位置しており、腕を後ろに上げる、腕を閉じる、腕を外側にねじるといった動作で使います。
リアレイズの効果
バランスの良い肩の筋肉作り
広くて形の整った肩周りを作るためには、三角筋の前部・中部・後部をバランスよく鍛えることが必要です。
肩幅を広くすることを考えてサイドレイズやフロントレイズで鍛えても、前から見ると良くても、横から見られたときに薄っぺらい上半身のまま、なんてことになってしまいます。
丸みを帯びた美しい肩をつくるためには三角筋後部を鍛えることが大切! リアレイズは三角筋後部を集中的に鍛えることができることができますよ。
肩関節の障害予防
肩周りは、筋トレでもスポーツでも特にケガのリスクが高い部位です。ベンチプレスなど、高重量を扱うトレーニングではリスクも上がります。ケガをしてしまうと鍛えることがなかなか難しくなってしまいます。ケガの予防のために、高重量を扱う前から肩周りを整えて、肩の地盤を作っておきましょう。
実践! リアレイズ
使用器具:ダンベル
トレーニングの回数:キツくなるまで20〜30回
ダンベルの重さ:20回がギリギリできる重さ
基本動作
① スタートポジション:足幅は腰幅に開いて立つ。膝は少し緩めて、お辞儀をするように背中を丸める。肩腕を脱力するようにして肩甲骨をしっかり広げる。手の甲が正面を向くようにして、ダンベルを小指に引っ掛けるようにして握る。
② 肩甲骨が動かないように注意しながら、肘を引く
③ 肘の位置が肩より少し低い位置のところまで引いたら、3秒かけてゆっくりと肘を下ろす
④ ②〜③を繰り返す
リアレイズのポイント
ダンベルは小指をひっかけるように握る
指全体でしっかりと握るよりは、小指と薬指だけで握るイメージで動作を行いましょう。指全体で握ると、前腕に力が入ってしまい、狙った部位にうまく負荷をかけることができません。
小指と薬指でダンベルを握ることで余計な力が抜け、三角筋後部を効率的に鍛えることができます。
ダンベルを下ろす時はゆっくりと
ダンベルを下ろす時は3秒ほどかけてゆっくりと下ろします。肘を下げる際に三角筋後部が収縮するので、肘を上げるときよりも下げるときに筋肉を鍛えることができます。そのため、ダンベルを下ろす動作はゆっくりと行うことで、より筋肉に負荷がかかり、効率的に鍛えることができます。
リアレイズのNG動作
・肩甲骨が寄る、首に力が入るのはNG!
トレーニング中は、肩甲骨が開いた状態をキープします。肩甲骨が寄ってしまうと、背中の力を使ってしまうので、効率的に三角筋を鍛えることができません。特に、ダンベルを上げる時は肩甲骨が寄らないように意識して、三角筋から負荷が逃げないように注意しましょう。
三角筋後部を鍛えるリアレイズをご紹介しました。肩の筋肉は前部・中部・後部をバランスよく鍛えることが大切です。形の整った美しい肩周りをつくるために、ぜひリアレイズに挑戦してみてくださいね。
正しいトレーニングとは何か?
「トレーニングを続けているのに、効果がなかなか見えない…」そんなことありませんか?
トレーニングの効果を最速で実感したいなら、“巧さ”が大切です。パーソナルトレーナーをしていて実感したことは、たくさんのお客様が、間違ったトレーニングをしているため、効果を十分に出せていないということ。
一例をあげると、狙った筋肉を動かせていなかったり、体幹を使ってしまっていたり、不必要な筋肉を使ってしまったり…。
正しいトレーニングとは何か? 一言で表すと“狙った筋肉に負荷を乗せて、その筋肉を動かす”ということ。簡単そうに思えますが、種目によって、骨盤の位置や重心の位置、姿勢、足の開き、手幅、肩甲骨の位置を丁寧に調節していくことが必要です。
「難しそう…」いえいえ、そんなことはありません! 初めは時間をかけて、一つひとつマスターしていけば必ず“巧い”トレーニングが身に付きます!
引き続き、Tarzan Webの連載では“巧い”トレーニング方法を発信していきます。これからも一緒にトレーニングを楽しんでいきましょう!