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リモートワークで在宅時間が増え、家事をサボらずやるようになった人も多いはず。でも毎日やるならなおさら、楽に疲れずにササっとこなしたい。
岡田慎一郎さん
おかだ・しんいちろう 1972年生まれ。理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員。古武術の身体運用を元にした「古武術介護」を提唱し、講演や執筆活動などを行う。
リモートワークで在宅時間が増え、家事をサボらずやるようになった人も多いはず。そのナイスな習慣、もっと簡単にしない? というわけで、疲れずにもっと楽して家事ができるカラダの使い方を実践してみよう。
ヒントになるのは、「古武術」(詳しくはこちらの記事:古武術がヒント! 疲れないカラダの使い方)。古武術には日本人のカラダに合った、古くから伝わる合理的かつ楽なカラダの使い方のエッセンスが詰まっている。
重くかさばるゴミ出しや洗濯物干しは肩甲骨と背中、腕の連動の理論に沿ったもの。掃除機と食器洗いを楽な姿勢でできれば面倒じゃなくなる。また股関節からしっかりしゃがめれば、風呂掃除や雑巾がけで腰が気にならないだろう。
家事が楽ならマメにできる。サッと済ませて家を常にキレイに!
両手で持ち手を摑み、手の甲を向かい合わせに
重いゴミ袋を持つときは2つの持ち手を小指を前、親指を後ろに向けて持つ。手の甲を向かい合わせにすることで肩甲骨が広がり、背中の力を参加させることができる。袋が2つの場合もこの“逆手”の持ち方を取り入れてみよう。
爪先を広げて前傾姿勢。掃除を楽にしよう
爪先が前を向いたまま前傾して掃除機をかけると、腰に負担が集中。爪先を広げ、股関節を緩めて前傾すると腰が楽になる。本体とホースが分かれたタイプで、片手で本体を持ち上げる場合は中指と薬指を中心に持つといい。
踏み台に片足を乗せ、爪先を開いた姿勢で
洗い物の際、お腹からカラダを曲げた姿勢で行うと腰に負担が集中。基本の前傾を思い出そう。踏み台に足を乗せ、左右の爪先を開いて立つと股関節から前傾しやすくなり、腰にも負担がかからない。台は100均にあるものでよい。
⾜を踏みしめず、全⾝を動かして掃除する
足を踏みしめて掃除すると、腰から前傾、ひねるなどして、カラダが上手く使えず、腰にも負担がかかる。そこで、足元をリラックスさせることで、股関節から上体が前傾、全身も使いやすくなり、掃除もはかどるようになる。
腕と肩、背中の連動が腕の負担を軽くする
物干し竿に向かってただ腕を伸ばすのではなく、肩甲骨をスライドさせるイメージで。肩を耳につけるように腕を伸ばして干すと腕と肩、背中の筋肉が連動するので負荷が分散する。後ろ足の踵を上げるともっとやりやすくなる。
お腹から曲げてはダメ。股関節を緩めて動く
雑巾がけでしゃがむ際、腹から曲げるのはNG。片膝を立ててしゃがみ、立てた脚の膝と爪先を外に広げると股関節が緩み、拭き動作が楽になる。移動するときは股関節から膝を倒す要領で片膝ずつ。草むしり歩きを思い出そう。
取材・文/黒田創 イラストレーション/あべさん 監修/岡田慎一郎(理学療法士、介護福祉士)
初出『Tarzan』No.831・2022年4月7日発売