肩・腰の凝りを改善!【肩関節・股関節】可動域を取り戻す3種目
肩・腰の凝りでポイントになるのは、肩関節と股関節。この2つの関節の周辺の筋肉が硬く可動域が確保できないと、それぞれの凝りに繋がるケースがある。それぞれ3種目のコンディショニングで、2大関節の可動域を取り戻そう。
取材・文/黒田創 撮影/山城健朗
初出『Tarzan』No.827・2022年2月10日発売
菅原順二さん
教えてくれた人
〈トレーニング・スタジオ・アランチャ〉代表。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、Body Element Pilatesマスタートレーナー。各種アスリートを指導。
“寄せる”動きが足りていない
「肩こりにはさまざまな原因がありますが、肩甲骨や胸郭、肩関節の動きが悪いケースが多い。それらを意識的に動かして本来の可動域を取り戻せば、支える筋肉の緊張も解けて凝りの改善が期待できます。
多くの方は日常生活で肩甲骨の可動域の半分程度しか使っておらず、特に“寄せる”動きが足りません。腕を後ろに回す動作を中心に、限られたスペースでできる肩こり解消エクササイズをやってみましょう」(菅原順二さん)
腰の痛みには、股関節が鍵となる。
「まずはアーチ&カーブの動きで腰部につながる背骨を前後に動かし、さらに広背筋や腰方形筋を動かします。
サイドベンドの動きと同時に尻を左右にずらすことで股関節まわりの柔軟性を高め、上体の捻りと膝の動きを連動させ股関節の可動域を復活。これで周囲の筋肉の緊張がほぐれるはず。毎日続けてください」
肩関節の可動域を取り戻す3種目
シュラッグ(10回)
床に正座し、腕は自然に下ろす。両肩を同時に引き上げ、肩のてっぺんを耳に近づけてそのまま後ろ→下→前へと大きく回していき、最初の位置へ。これをゆっくり繰り返す。肩を後ろに回した際に左右の肩甲骨をグッと寄せ、胸を前に突き出すようにすること。
ショルダーローテーション(10回)
床に胡坐をかいて座り、両手を開いて後頭部へ。両手を高く上げ、左右にゆっくり開いてそのまま下に回し、途中で手を返し手のひらを後ろに向け、背中の真ん中で合わせてフィニッシュ。続けて逆の動きで元に戻す。全体を通して肩を大きく動かすようにしよう。
リバースプッシュアップ(10回)
両膝を立てて床に座り、手を後ろにつく。手先は後ろに向け、肘を伸ばす。次に両手で床を押すイメージで尻を上げ、肩から膝にかけて一直線にし、床と平行になったらゆっくり下ろす。これを繰り返す。尻を上げたときに左右の肩甲骨を内側に寄せる意識で。
股関節の可動域を取り戻す3種目
アーチ&カーブ(10回)
両膝の間を開き気味にして正座し、上体を前傾させうつ伏せ姿勢に。腕は前に伸ばす。次に背骨をゆっくり曲げながら上体を徐々に起こしていき、最初の姿勢に戻る。背骨をひとつひとつ上に向けて曲げ、背骨のアーチを作りながら上体を起こすのがポイント。
ログロール・サイドベンド(左右10回ずつ)
膝を揃えて正座し、両手を開いて揃え、頭上に伸ばす。次に尻を左にずらしながら上体を右に倒し、元の姿勢に戻す。反対側も同様に。尻をずらす際、丸太を転がすように太腿を動かすと股関節が内外旋される。腰方形筋を伸ばすことで腰まわりの柔軟性を高められる。
ナインティ・ナインティ(左右10回ずつ)
膝を立てて座り、脚を開き手を胸の前で合わせる。背すじを伸ばし、爪先は立てる。上体を左に捻り踵を支点に両膝が床につくまで脚を左に倒す。膝の角度は90度。元に戻し、反対側も同様に。股関節の内外旋と背骨の回旋運動になる。