むくみ予防や腸活にも。1月15日に食す「小豆粥」(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は1月15日の小正月に食べる「小豆粥」の効能についてをご紹介。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
1月15日は何の日?
お正月が終わり、成人式も済んで、でも節分の豆まきにはまだ早い。そんな1月15日はお正月に飾ったしめ飾りや門松などを燃やす日で、小正月と呼ばれます(地方によって多少の違いがあります)。
かつては台所をあずかる女性たちが、お正月を終えてやっと一息つけるということで、女正月とも呼ばれたそうです。でも女性だけと言わず、老若男女に知ってほしい魅力が小正月にはあります。
小正月と言えば小豆
さてこの小正月、小豆のおかゆを炊いて食べる習慣があります。小豆は魔除けの力があると言われ、小豆粥は無病息災を願うごちそうだったのです。一週間ほど前も七草粥を食べたばかりですが、消化のいいお粥は健康を祈願する行事の象徴的な存在だったのかもしれません。
さて小豆に話を戻しますが、現代的に分析すると食物繊維、亜鉛、カリウム、カルシウムなど、不足しがちな栄養素がたっぷりです。ポリフェノールも多く含みますから、アンチエイジング効果も期待できます。
現代人でさえ「いい!」と思える食材ですから、かつて小豆が特別なごちそうとされていたのもうなずけます。食べて実感するほどの嬉しい効果があったのでしょう。
小豆は漢方にも登場する
漢方で小豆は赤小豆(せきしょうず)といい、2000年以上も前に中国で書かれた医学書にも登場します。赤小豆を用いた処方は現代では老舗漢方薬局でしか調剤してもらうことはできませんが、精神を安定させたり消化を促す薬として伝わっています。
現代でよく用いられる漢方薬にも、もちろんこうした効果を示すものがありますが、馴染みのある食材の小豆にこれが期待できるなら積極的に摂ってみたくなりますよね。
単味でも赤小豆は排膿(解毒)作用、利尿作用にすぐれます。下半身が浮腫む方にはふだんから小豆を食べることを強くお勧めしたいです。立ちっぱなし、座りっぱなしで浮腫む方、また妊娠中で下半身がむくみやすくなったり静脈瘤を予防したい方、この小正月は小豆のお粥をぜひ炊いてみてください。
お砂糖たっぷりのあんこではなく、ここはあえての小豆粥で無病息災、健康を祈願いたしましょう。小正月を過ぎたら、普段のご飯に小豆を混ぜて炊くといいですよ。小豆は玄米ともよく合います。
小豆の食物繊維量は腸活の観点からも優秀
先に述べましたが、小豆は食物繊維が豊富です。100gあたりで換算すると、ゆで小豆8.7g、ごぼう5.7g、れんこん2.0g、レタス1.1gがそれぞれの食物繊維の量です。
食材の種類によって一度にいただく適量というのがありますから、単純にこの数字だけを比較するのも考えものではありますが、いかがでしょうか。
ゆで小豆100gは多くても、50gほどなら割と簡単に食べられる量です。少量のお砂糖と塩をまぶしたら、これだけでいいおつまみです。腸活人気が高まりいろんなアイテムが出ていますが、日本の伝統的でいいもののひとつとして「小豆」を再発見です。