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どう選ぶ? どう使う? 悩み別「フォームローラー」の使い方

カラダの調子を整えるコンディニングにおいて、強い味方になってくれるギアが「フォームローラー」だ。近年は注目度も高まっているが、果たしてどう選び、どう使うのが正解か。パーソナルトレーナーの高橋史江さんに教えてもらった。

今や一家に一本の必需品!

フィットネス好きの必需品といえるフォームローラーは、背骨のケアにも重宝するアイテム。

「私が普段指導する際も、トレーニングの初めに、縦置きにしたローラーの上に寝て取り組む背骨の調整を行います。ローラーの上でただ寝るだけでも、背すじが伸びた正しい姿勢をつくるのに有効です」と、老若男女幅広い層のクライアントを持つ高橋史江トレーナー

まず背骨のアプローチに適した長さと形状のローラーを選ぶことが重要。使い方はシンプルだが、注意点も。

「背骨を整えたい時にローラーを当てる範囲は首〜肋骨まで。それより下に当ててしまうと背骨にダイレクトに負荷がかかり、腰の痛みが出ることがあります。またナイーブな頸椎付近はなるべく丁寧に当てること。あとは気持ちよくないのに無理して当てると、背骨にストレスをかけることになり逆効果です」

コロコロするのに簡単な動作を合わせると日々の不調や背骨の動き改善にも有効だ。

高橋史江トレーナー

高橋史江さん

教えてくれたひと

1994年生まれ。〈デポルターレクラブ〉所属。現職に就くまでクラシックバレエやモダンバレエ、コンテンポラリーダンスに没頭。動けるカラダづくりが専門。

Q1. 背骨を整えるにはどんなローラーが最適?

頭からお尻まで乗る長さで凹凸のないタイプがベスト

フォームローラー

頭からお尻まで全部乗せられると背骨全体に一挙にアプローチできて効率的。短いもので代用する場合は細かく丁寧にケアしましょう。凹凸のあるタイプは部位によってはケガのリスクが高く、つるりとした表面のものを選ぶのがベター」

Q2. ローラーの置き方によってどう違う?

背骨そのものか、周辺の筋肉か。アプローチする部分と狙いが違う。

フォームローラー

「背骨に縦に当てれば背骨全体の調整に。胸椎と骨盤を開いた正しい姿勢でケアできます。横方向なら気になる部位の筋肉や筋膜をピンポイントにほぐせる。ローラーを手で転がすなど補助的な使い方によって背骨を整えることも可能です」

Q3. どれくらいの頻度で行うのが理想?

毎日行うのがおすすめです。でも長時間やるのは逆効果。

「今回、紹介する方法は背骨まわりの歪みを感じた時にいつでも実践を。ただし一つの部位に当てる時間は30秒程度長くても60秒までにしてください。長時間当てて特定の筋肉だけが過度に緩むと、他の不調が生じる可能性も」

6つの不調、ローラーで一挙解決!

症状① 首こり

頸椎や首の筋肉をほぐして滞りがちな血流を一気に促進。

首こりをフォームローラーで解消
  1. 仰向けになり両手を体側に置く。
  2. ローラーを横置きにして首を乗せ、頭を左右交互に振る。
  3. ローラーが当たる部分に痛みを感じる場合は、後頭部に手を添えて行うこと。
  4. 10回。

症状② 肩こり

肩甲骨まわりの血流を促して肩まわりの動きをスムーズに。

肩こりをフォームローラーで解消
  1. ローラーを横置きにして肩甲骨を乗せ、両手を後頭部に添える。
  2. 膝を曲げて腰を軽く浮かせてから、両肘を可能な限り開く。
  3. この肘の位置をキープしたまま肩甲骨の範囲を転がす。
  4. 10往復。

症状③ 腰痛

胸椎中部〜下部を緩めて腰まわりの重だるさを軽減。

腰痛をフォームローラーで解消
  1. ローラーを横置きにして肩甲骨より下、胸椎を乗せる。
  2. 両手を後頭部で組む。
  3. お尻を浮かせてから、息を吐きながら背中を丸めると同時に両肘を閉じ、
  4. 息を吸いながら元の姿勢に。
  5. 10往復。

症状④ 猫背

胸椎の表層筋の力みを解いて深層筋が緩みやすい状態に。

猫背をフォームローラーで解消
  1. ローラーを横置きにして肩甲骨を乗せ、両手を後頭部に添える。
  2. 膝を曲げ、腹筋に力を入れてお尻を浮かせてから、
  3. ゆっくりとした呼吸を続けながら、上半身を左右交互に揺らす。
  4. 10回。

症状⑤ 自律神経の乱れ

胸椎をグーンと開いた状態で普段できていない深い呼吸を。

自律神経の乱れをフォームローラーで解消
  1. ローラーを縦置きにして頭からお尻までを乗せる。
  2. この時、ローラーを背骨に沿わせて胸をしっかり開くこと。
  3. そこから両手を組んで深呼吸。
  4. 息を吸いながら伸び、息を吐いて脱力。
  5. 5回。

症状⑥ 巻き肩

肩を正しい位置に整えたうえで肩関節の可動域アップを狙う。

巻き肩をフォームローラーで解消
  1. ローラーを縦置きにして頭からお尻までを乗せる。
  2. 両腕〜指先をピンと伸ばしたまま、両腕を同時に円状に回す。
  3. 両手で床にタッチしながら行えるとベター。
  4. 内回し、外回しの順に各10回。

より滑らかに背骨を使うエクササイズ

不調をリセットしたらあらゆる動作の根幹となる背骨を全体的に整えよう。

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フォームローラー
フォームローラー
フォームローラー
  1. 正座をしてカラダの前にローラーを横置きにし、
  2. 両手を乗せる。
  3. ローラーを前方に転がしながら息を吐いて前屈。
  4. 息を吸いながらゆっくり元の姿勢に。
  5. いずれも目線を最後まで残して行う。
  6. 10回。

取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗

初出『Tarzan』No.818・2021年9月9日発売

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