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好きな相手とのセックスを、特に“気持ち良い”と感じるのはなぜ?|脳科学と性③

食欲・睡眠欲と並ぶ3大欲求のひとつ「性欲」は、私たちが生きていくうえで欠かせないものですが、メカニズムとしてよくわからないことがたくさん。今回は「愛情とセックスの関係」について、脳科学の第一人者である岡山大学の坂本浩隆准教授に伺いました。

大切な人とのセックス「だから」幸せな理由。

愛情と性欲は別モノとはよく言われる話だが、愛するパートナーとのセックスは楽しいし、幸せな気分になれる。実はここにもの働きが関係しているという。 「大切な人とキスやハグ、セックスのような愛情を確かめ合う行為をするとオキシトシンというホルモンが脳の視床下部で分泌されます。そして、下垂体を通して血中に放出されると多幸感を得ることができるんです」(岡山大学・坂本浩隆准教授) このオキシトシンは、「幸せホルモン」や「恋愛ホルモン」など数々の異名を持つ。また、古くから母子の絆形成に欠かせない「母性のホルモン」として考えられているという。 「授乳期の子どもが乳房に吸い付くと、吸啜刺激を引き金にお母さんの脳でオキシトシンが分泌されます。それが血中に回って乳腺の平滑筋を刺激し、母乳を出すように働きかけるんです」 このサイクルが生まれることで、母は子どもを「愛おしい」と感じるようになるという。また、オキシトシンは母乳にも含まれており、母乳を飲んだ子どもの脳にも働きかける。そうすることで、「お母さんが愛おしい」と感じるようになり、再び乳房に吸い付くようになる。この現象が、オキシトシンが「母性のホルモン」と呼ばれる所以である。

母子の関係

ちなみに、ある研究では人間と犬が見つめ合うことでもオキシトシンの分泌が確認されたという。つまり、人間同士でなくでも絆が硬く結ばれていれば幸せを感じることができるわけだ。

オキシトシンと一緒に働く快楽物質・ドーパミン。

また、オキシトシンと同時に分泌されるドーパミンにも多幸感を得られる鍵があるそうだ。 このドーパミンは、物事を達成したときなどに分泌される快楽物質で喜びや感動をもたらすと言われている。 「ドーパミンは、オキシトシンと常に協調関係にあります。セックスをして気持ち良いと感じるとドーパミンがたくさん分泌され、それと一緒にオキシトシンも放出されます」 人との関係がうまくいったという達成感を得られるセックスは、“気持ちいい”“愛おしい”を同時に感じることができる。つまり、愛する相手とのセックスが特別なことは間違いなさそうだ。

教えてくれた人
坂本浩隆先生
坂本浩隆(さかもと・ひろたか)/岡山大学大学院自然科学研究科准教授。専門は神経内分泌学。特に神経ペプチドホルモンやステロイドホルモンの神経系への影響や、行動レベルで作用している神経内分泌系の仕組みに関心を持ち、研究をしている。また、科研費研究課題を対象とした先端バイオイメージング支援事業(ABiS)にも携わる。

取材・文/石川優太、村上広大 イラストレーション/村林タカノブ

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