陰囊の温度管理が精力復活の鍵か
先進国では人口減少が問題視されているが、数が減っているのは精子も同じだ。
下のグラフにもある通り、約40年にわたり英文で発表された欧米における精子に関する185の研究結果をまとめると、精子濃度も精子数も緩やかに減少し続けていることが判明した。
「日本ではこれほど長期間にわたる調査はないですが、同様の状況なのは間違いないです」と、メンズクリニックで男性不妊の診療を行う辻村晃先生。
教えてくれた人
「厚生労働省研究事業における全国調査によれば、男性不妊の主な原因は精子をうまく作れない造精機能障害です。
以前、子作りを考えている男性を対象に精子の状態を調べるブライダルチェックを実施しました。その結果を分析すると、精液の量、精子濃度、精子の運動率において、WHO(世界保健機関)の基準値を下回る人が全体の4分の1もいました。
生活する分には何も健康上の支障がなく、今後パートナーとの子作りも視野に入れている男性にも、妊娠に関わる問題を抱えている人は少なくないということです」
加齢による減少はやむを得ないが、生活習慣を改善することで、そのペースは緩められる。
「陰囊内の温度は32〜33度が理想で、これより上がると精子の形成や質に影響します。下の図のような生活習慣に思い当たる人は見直すべき」
「また、細胞の老化を防ぐべく、抗酸化作用を期待できる亜鉛やコエンザイムQ10、L-カルニチンなどのサプリを摂るといいでしょう」
気になる精子をセルフチェック。
「完全に勃起できない人は精液所見に問題がある可能性が高いです」。勃起時の陰茎の硬さがリンゴ、グレープフルーツ、ミカン、こんにゃくの順に健康。気になる人は確認を。
TENGA MEN’S LOUPE/自宅でできる精子観察キット。採取した精液を付属のプレートに塗布し、スマホのカメラにレンズとプレートを乗せる。カメラを起動すれば精子の量や運動量を550倍に拡大して観察可能。1,650円。WEBサイト