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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。第6回は、上半身(背面)の筋肉の名称と、その働きについて学んでいく。
前回に引き続き、上半身の主要な筋肉の名称と働きについて。今回は背面の筋肉を解説する。
A:僧帽筋(そうぼうきん) 首から肩にかけて広がる筋肉。三角筋の働きを助け、肩甲骨を安定させる役割がある。肩こりの主な原因であることが多い。
B:三角筋(さんかくきん) 肩を覆うように付着する筋肉で、背部にあたるのは三角筋の後部。肘を伸ばしたまま腕を肩の高さに持ち上げ、真横から30度ほど後ろに引いたときに働く。
C:上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん) 「二の腕」にあたる、腕の裏側の筋肉。ボールを投げる、ドアを前方に押し開けるといった動作のほか、腕立て伏せの腕を伸ばす動作でも働く。
D:広背筋(こうはいきん) 人体でもっとも面積の広い筋肉で、肩関節のさまざまな動きに関わる。懸垂やロープクライミング、ボートを漕ぐ動作など、腕を真っ直ぐ伸ばした状態からカラダを引きつけるスポーツで使われる。
E:脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん) 腸肋筋、最長筋、棘筋からなる筋肉で、首から腰にかけて背骨の両側を走っている。その名の通り脊柱を支える働きがあり、姿勢の維持に役立っている。
カラダの中の大きな筋肉、あるいは筋の集合体を指す大筋群。上半身の背面では、人体の中でもっとも面積の広い筋肉である広背筋がそれにあたる。
広背筋は腕を伸ばした状態からカラダを引きつけるときに働くが、日常動作でそのような場面に出くわすことは数少ない。そのため筋力が低下しやすく、代謝低下に繋がりやすい。さらに広背筋は、重力に対して姿勢を維持するために使われる「抗重力筋」でもあるため、衰えると姿勢の悪さにも影響する。
ただし上腕三頭筋の筋力低下は二の腕のたるみ、三角筋の低下は腕の挙上に支障を招く恐れがあるため、小筋群だからとなおざりにしないように。
上半身の背面には、脊柱起立筋や広背筋といったカラダの中心に重心を保つという重要な役割を担う筋肉が存在する。これらを鍛えることで、重力に逆らって正しい姿勢を維持できる。つまり、選択肢3の姿勢改善は、上半身の背面を鍛える目的に沿っているということになる。
では、エネルギーの消費量はどうだろう。問2で述べた通り、背中には広背筋という大筋群があり、鍛えることで代謝が上がりやすくなる。さらに、上半身の動きの要ともいえる肩甲骨周辺には、脂肪を分解してエネルギーに変換する褐色脂肪細胞が存在する。この細胞が活性化すると体内に熱が発生し、脂肪燃焼が促される。
よって、1と4も上半身の背面を鍛える目的としては正しい。というわけで目的に沿わないのは2の腰痛緩和。腰痛は腰背部の筋肉が緊張して硬くなっていることが多いため、鍛えるよりも緩めることが先決だ。
取材・文/黒澤祐美 イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.813・2021年6月24日発売