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舌の筋肉の衰えは口呼吸や代謝の低下の原因に。「舌トレ」の第一人者である今井一彰先生が伝授する舌の体操ならば、顔のたるみの解消だけでなく、血行が促進され冷えやいびきまで改善できるかも。
「二重顎は脂肪ではなく、舌の筋力の衰えた結果。そもそも、舌は出生時には上顎にくっついています。ところが、成人期には8割程度の人が離れてしまう。舌自体の筋力が弱くなって約150gの重さに耐えられなくなっているのです。作り笑いを30秒間続けられるか否かが、舌や表情筋の衰えを示すバロメーターでもあります」(内科医・今井一彰先生)
ベロの筋肉が弱くなっていくのと連動して、代謝も下がる。
「まず、舌の筋肉が衰えると開いた口で呼吸をするようになります。口呼吸はカラダの冷えといびきの原因に」
「でも、舌は筋肉なので鍛えられます。例えば、タンパク質はプロテインからではなく分厚い肉から摂取する。よく嚙んで舌を動かせば、抗菌作用もある唾液も分泌され、さらには血行も促進されます」
舌の筋肉だけでなく、表情筋のトレーニングとなり、見た目に効果あり。1動作当たり1秒間キープ×4。1日30セットが目安。お腹から声を出せるので、ストレス解消にもなる。
マスク生活を逆手にとって、TPOを選ばず鍛えられる。口中で静かに動く舌によって、脳神経は活性化。さらには血流も促されて、肩こりの改善も期待できるのだとか。
口の周りを舐めるように動かす。単純な動きではあるが、翌日に舌の筋肉痛を感じることも。唾液腺を刺激して口に潤いを与えるとともに、体温を上げる効果もあるそう。
今井一彰さん/内科医、東洋医学会漢方専門医。〈みらいクリニック〉院長。口呼吸問題を解消する「あいうべ体操」を考案。近著は『ストロングぴろぴろ「吹くだけ」超・健康法』(主婦と生活社)。
取材・文/松岡真子 イラストレーション/德永明子
初出『Tarzan』No.806・2021年3月11日発売