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まとめ買いで低コスト。賢くカラダを作る自炊めしの下ごしらえ

ささみとブロッコリーだけでなく、もう少しバリエーションを増やして、食を楽しみながら筋肥大に励もう! トレーニーにおすすめの「鶏胸肉」「豚ロース」「野菜3種」の簡単下ごしらえを紹介する。

筋肥大は、太ることではない。

体格を大きくしたいのになかなか体重が増えないと悩んでいる人は、1日の食事量が足りていないか、あるいは筋肉量不足、つまりトレーニング量が足りていない可能性が高い。ここでは食事について考えていきたい。程よく大きくなりたい。太りたいわけじゃない。そんなときは、何を、どのくらい食べればよいのだろう。

「一般的な日本人男性は1日平均2,150キロカロリー摂取しているといわれています。カラダに負担をかけずにエネルギー量を増やしたければ目安は+200〜300キロカロリー。おにぎり1つ、サラダチキン1枚、プロテイン1杯程度を追加します」(管理栄養士の河村玲子さん)

「盛るめし」の目標は1日約2,400キロカロリー。トレーニング後にプロテイン1杯(140キロカロリー)を必ず飲むとした場合、食事から摂る量は2,260キロカロリーが目安となる。脂肪をつけたくないからといって脂質と糖質を極端にカットする人もいるが、正しく「盛る」には食事内容も気を付ける必要がある。

盛るメシのタンパク質推奨量(1日)=体重1kg当たり2g前後
左のグラフが一般的に推奨される三大栄養素のバランス。右が「盛るメシ」の三大栄養素のバランスだ。盛るメシのタンパク質推奨量(1日)は「体重1kg当たり2g前後」。

「一般的に推奨される三大栄養素の割合は糖質が50〜65%、タンパク質が14〜20%、脂質が20〜30%。筋肉をつけながらカラダを大きくするには、全体の摂取量を底上げしたうえでタンパク質量を増やすことが大切。グラム数で言うと、1食当たり糖質は100〜120g、脂質は12〜17g、そしてタンパク質は30〜50gを目標に摂る意識を持ちましょう」

鶏肉・豚肉・野菜をまとめて下ごしらえをしよう。

コンビニ食材でカラダを絞るのも策の一つではあるけれど、上級者に必要な栄養素が摂り切れないのがやや難点。より黄金率ボディに近づくためには、ぜひとも自炊にトライしてほしい。

「自分で調理をすれば、油の量を減らしてタンパク質を増やすといった調整が利きます。お肉や野菜を買って一度に下ごしらえをしておけば、あとは焼くだけ、添えるだけ。栄養バランスが整い、健康的にカラダを盛れます」(河村さん)

ここでは高タンパク食材の鶏肉と豚肉、そして料理に彩りを出す緑野菜3種類の下ごしらえ方法を紹介する。

鶏肉の下ごしらえ・基本編。

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適度に脂質が摂れる皮付き胸肉を買う。

鶏肉の下ごしらえ

切る

鶏肉の下ごしらえ

食べる前に調理がしやすいよう、鶏胸肉は3等分に切っておく。包丁を斜めに入れて削ぎ切りすると、漬け液が浸透しやすい。

漬ける

鶏肉の下ごしらえ

肉を保存袋に入れ、漬け液を加える。全体に浸透すると絡み合ったタンパク質の線維がほぐれ、お肉が柔らかくなる効果がある。

保存

鶏肉の下ごしらえ

漬け込んだ肉は、冷蔵庫で3〜4日保存が可能。一度にたくさんの量を仕込んだ場合は、この状態で冷凍保存もできる。

鶏肉の下ごしらえ・応用編。

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ヨーグルト漬け

豚肉の下ごしらえ

無糖のプレーンヨーグルトに漬けたもの。乳成分によってまろやかな風味がアップする。塩気がないため、カレーや煮込み料理など、濃い味付けの料理向き。

ソミュール液漬け

豚肉の下ごしらえ

ソミュール液とは、水100mlに対して塩と砂糖をそれぞれ小さじ1ずつ溶かしたもの。肉にプリッと弾力が出るだけでなく、下味がついてただ焼くだけでもおいしい。

塩麴漬け

豚肉の下ごしらえ

麴と塩を混ぜたもの。自分で作ることもできるが、最近はチューブやペットボトルに入ったものがスーパーやコンビニで売られている。塩気があるためシンプルに食べる料理向き。

豆板醬漬け

豚肉の下ごしらえ

辛さを出したいときは豆板醬、中華風にしたければオイスターソース、和風にアレンジしたければ醬油と、好きな調味料に漬けておくこともできる。

豚肉の下ごしらえ。

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基本の仕込み方は鶏肉と変わらない。

豚肉の下ごしらえ

お肉全体にフォークを刺して柔らかくする。

豚肉の下ごしらえ

漬けダレに投入する前に肉全体をフォークで刺しておくと、線維の中に漬け込み液が早く染み込みやすくなる。これは鶏肉でも一緒だ。

野菜の下ごしらえ。

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料理に彩りを出す緑野菜の3兄弟。

野菜の下処理

外す

野菜の下処理

スナップエンドウは先端のヘタをポキッと折り、反対側の先端に向かって引き下ろし、側面にある筋(すじ)を取る。

切る

野菜の下処理

ブロッコリーは小房ごとに切り落とし、大きさを揃える。茎は周りの硬い皮を切り落とし、芯の部分を食べやすい大きさに切る。

切る

野菜の下処理

アスパラは数本揃えてまな板に並べ、筋っぽくて硬い一番下の根元部分を、2cm程度切り落とす。

剝く

野菜の下処理

根元にはまだ硬い皮が残っているため、3〜5cm程度ピーラーで薄く剝き取る。厚く剝きすぎないこと。

茹でる

野菜の下処理

鍋にお湯を沸かし、1〜2%の塩を入れる。沸騰したらブロッコリー、アスパラ、エンドウの順に入れて再沸騰後1分茹でる。

ざるに上げる

野菜の下処理

茹でた野菜を冷水に入れ、ざるに上げて水を切る。粗熱が取れた状態で保存袋に入れて、冷凍保存しておくことも可能。


漬けるだけで1品完成! ピクルスも作ってみよう。

ピクルス

酢大さじ6、水大さじ3、砂糖小さじ4、塩小さじ1/2、コショウ適量を耐熱容器に合わせ、600Wのレンジで1分半〜2分加熱する。粗熱が取れたらピクルス液の完成。パプリカの他に、ニンジン、キュウリなどを漬けても。

ピクルスの作り方

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切る

ピクルスの作り方

パプリカはヘタと種を取り除き、縦に2等分に切る。半分になったものを寝かせ、三角形を作るように食べやすい大きさにカットする。

漬ける

ピクルスの作り方

保存袋にパプリカとピクルス液を入れて、空気を抜いて袋を閉じる。半日〜ひと晩漬けてからが食べ頃。冷蔵庫で1週間ほど保存できる。

取材・文/黒澤祐美 撮影/小川朋央 料理・スタイリング・栄養計算/河村玲子(管理栄養士)

初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売

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