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疲れを吹き飛ばす食べ方のコツを伝授。今回は「血流停滞」をテーマに、摂取効率や食べ合わせを徹底的に考えた簡単オリジナルレシピを紹介します。
吸血鬼は血を吸って永遠の命を得るという。ヒトだってその活力源は血液にほかならない。血液ドロドロで流れが悪いと栄養素も酸素も行き渡らないし、疲労物質や老廃物も排除できない。当然疲れは溜まりやすい。
疲れ知らずでアクティブに動き回るには、血液がサラサラ流れる体内環境を保つべき。そのために摂りたいのが、EPA(エイコサペンタエン酸)&硫化アリルだ。
EPAは魚油に含まれているので、マグロは赤身よりも脂質が多い中トロを選ぶのが正解。ニンニクはチューブ入りだと硫化アリルが効力を失っているので、面倒でも生のニンニクをすりおろそう。相棒のニラは硫化アリル以外にも、抗酸化ビタミンACEをすべて含むスーパー野菜だ。
材料を切って混ぜて、和えるだけの超簡単レシピ。サーモンをチョイスするなら、脂が乗っているノルウェー産やチリ産のアトランティックサーモンの方が魚油も多くてEPAもリッチ。レモン汁とワサビの適度な刺激が心地よく、マヨネーズがサーモンとタマネギを優しくまとめてくれる。
なめろうとは、青魚を味噌や薬味とともに包丁で叩いた漁師町の郷土料理。味噌と薬味の風味が、青魚特有の臭みをマスキングしてくれる。新鮮なアジやイワシで作るのが定番だが、手に入りにくいなら同じ青魚のサバ缶でも代用できる。缶詰でもEPAはちゃんと摂れるから安心して。
EPAは、青魚やマグロ、鮭などの魚類に含まれる魚油の成分。酸素を運ぶ赤血球の柔軟性を高め、血液をサラサラにする。魚離れが続く日本人が、積極的に摂りたい栄養素だ。EPAは、オメガ3と呼ばれるタイプの脂肪酸。亜麻仁油のような植物油のα-リノレン酸からも体内で合成できるが、合成率は残念ながら低い。
硫化アリルは、タマネギやニンニクやニラといったネギ類に含まれる独特の香り成分。血液が固まるのを防いで、循環を促す作用が期待できる。古代エジプトでピラミッドを築くときに働いた労働者に、タマネギとニンニクが支給されたのは有名な話。エジプト人は、硫化アリルの疲労リセット効果を知っていたのだろう。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 料理製作・取材協力/美才治真澄(管理栄養士)
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売