1日をアクティブにする! 背骨と体幹に刺激を入れる「朝のピラティス」

ピラティスに興味がでてきて「やってみたい!」と思ったら、まずは難しいことは抜きにして基本の動きから始めてみよう。この記事では、朝一番の眠ったカラダを交感神経を高めて活動的にスイッチングする、「朝のピラティス」を紹介する。

取材・文/黒澤祐美 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/坂内拓 ピラティス監修/菅原順二(トレーナー)

初出『Tarzan』No.796・2020年9月24日発売

「朝のピラティス」のやり方。

ピラティスのhow to

「プレピラティス」「コア」「背骨」の3カテゴリーの中から、それぞれ定食形式で好きなものをチョイスしてオリジナルのメニューを組もう。休みの日など時間があるときは、全部通してチャレンジしてもOK。

これが基本の呼吸!

基本の呼吸

両膝を立てて仰向けに。肋骨の下部を下げながら体内の息をすべて吐き切り、次に胸とお腹に空気をたっぷり吸い込む。これを3〜4回繰り返す。この息を吐き切った状態がピラティスのスタートポジション。


プレピラティス|A〜Cから1種目をチョイス。

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A|ノーズサークル(左右10回ずつ)

ノーズサークル

仰向けに寝た状態で両膝を立てる。両腕はカラダの横に伸ばし、手のひらを床につけてリラックス。その状態から、鼻で円を描くように首を小さく回す。起きたてに行う場合は、できるだけゆっくり回すこと。左右10回ずつ。

B|ニースウェイ(10往復)

ニースウェイ

仰向けの状態で両膝を立て、両脚を揃える。両膝を同時に、カラダの中心から15度ぐらい右に倒す。一度元に戻り逆も。これを数回繰り返し、胸椎まわりがほぐれてきたら、徐々に角度を大きくする。10往復。

C|ベビーロール(左右2〜3往復)

ベビーロール

仰向けで、両膝をまっすぐ伸ばす。左腕は頭上に伸ばし、右腕は天井方向に上げる。手先ができるだけ遠くを通るように、腕を先行させながらカラダをゆっくり左に回転する。うつ伏せで脱力。これを2〜3往復。左右を変えて同様に。

コア|A or Bから1種目をチョイス。

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A|ハンドレッド(10回)

ハンドレッド

両膝と股関節を曲げて仰向け。両腕は天井に伸ばして手のひらを前に。両膝を斜め前に伸ばし、同時に肩甲骨を床から浮かす。鼻から5回スッスッスッ、口から5回フッフッフッと計10回息を吐きながら両手を上下に動かす。10回行う。

B|ローリング(5回)

ローリング

両膝を立てて床に座り、両手で足首を持つ。坐骨でバランスを取りながら両足を床から離す。脊椎一つ一つを床につけるイメージで、息を吸いながら後ろに倒れる。次に、息を吐きながらお腹の力を使って元に戻る。これを5回。

背骨|A〜Cから1種目をチョイス。

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A|ロールオーバー(1回)

ロールオーバー

仰向けになり、両脚を揃えて真上に。両手は体側に沿って伸ばし、手のひらを床につける。両膝を伸ばしたまま息を吸って準備、吐きながらお尻を浮かせて両脚を頭の方へ。無理をしない範囲でストップ。息を吸い、吐きながら元へ。 

B|キャット(5往復)

キャット

肩の真下に手首、股関節の真下に膝が来るように四つん這いになる。おへそを内側に引き込むように腰から順に背中を丸め、肩甲骨を開く。次に、尾骨、仙骨、腰椎、胸椎、頸椎と順に動かし、胸椎をしっかり反らせる。これを5往復。

C|シーテッドマーメイド(左右5回)

シーテッドマーメイド

あぐらをかいて床に座り背すじを伸ばす。右手を天井に伸ばし、左手はカラダの横で床につける。カラダを正面に向けたまま息を吸い、吐きながら上体を左に倒す。下の手で床を押し、反発を感じながら右脇腹を伸ばす。左右5回ずつ。

3つグループから1つずつ種目をチョイス。

筋肉に刺激が入ることで交感神経が高まり、一日を活動的に過ごせるカラダを作る。その意味でピラティスを朝に行うのは有効だ。とはいえ目覚めたばかりの朝一番はカラダがまだまだ眠った状態。そこで、まずは頸椎、胸椎、腰椎をゆっくり動かす「プレピラティス」で、動き出すためのウォーミングアップから始めよう。

ご飯を食べてひと息ついたら、そろそろカラダが目覚める頃。起床時から1時間程度経ったこのタイミングで、あらゆる動作の基盤となる「背骨」と「体幹」にスイッチを入れるエクササイズを。

「ピラティスを始める前に、まずは自分の呼吸を見直してみましょう。普段デスクワークが多い人は姿勢が崩れて腹筋群に刺激が入らず、胸だけで浅い呼吸をしていることが多くあります。呼吸が浅いと自律神経のバランスが崩れるだけでなく、酸素運搬効率が低下し、疲れやすいカラダに。この状態でエクササイズを行っても、期待する効果は得られません。まずは基本の呼吸法で、深い呼吸を身につけておくことが大切です」(トレーナーの菅原順二さん)