ダイエット中でも工夫すればOK! 5つの“正しい”スイーツの食べ方

ダイエット中、スイーツは口にしない! それって、無駄な努力というものです。食べ方を工夫すれば、大丈夫なんですよ。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/河村玲子(管理栄養士)

初出『Tarzan』No.795・2020年9月10日発売

① 100キロカロリーなら甘いものもOK!

ダイエットの正解に辿り着きたいのなら、間食のスイーツなんてもってのほか。小腹が空いたらスルメを齧れ。ブブー! それ不正解。

一般的に1日のエネルギー摂取量の10%以内の間食であれば、栄養バランスは崩れないといわれている。つまり、1日の摂取エネルギーを2000キロカロリーとしたら200キロカロリー以内の間食ならオッケー。カラダづくりを意識している人たちはもうちょい低めに設定するのがおすすめ。

ただし甘いもの限定となると、やや縛りはキツくなる。WHOの基準では吸収が早くインスリンが急激に分泌される砂糖などの二糖類の推奨値は全体のエネルギーの5〜10%。下限値の5%をとると、一応の目安は100キロカロリー。砂糖以外の炭水化物も含まれていることを加味して、100〜140キロカロリー程度までならよし。

これが甘いものの正解その1。

100kcalの市販菓子
お馴染みの市販のお菓子を例にした100kcalのポーション。ポッキー10本とすると「案外食べられるんだ!」と思うのでは?

② ベストタイミングは運動後かランチの後。

甘いものはダイエット中でも楽しめる。では、いつでもどこでも食べていいのか? これは、ぜひ知っておきたいところ。

まず、最もおすすめのタイミングは運動後。筋トレでもランニングでもいい。運動中は食事由来の血液中の糖質(グルコース)や筋肉に蓄積されている糖質(グリコーゲン)、この両方が動員される。

運動後は減った分のグリコーゲンが自動的に補充されるので、甘いものを食べても筋肉にガンガン送られ、糖質が余る心配がない。ただし、筋トレならある程度追い込みが必要だし、ランなら1時間程度行うことが望ましい。

もうひとつのタイミングは食後。すでに食事でインスリンが分泌されているので、デザートで甘いものを食べても急激にインスリンが上昇することもなく脂肪合成が起こりにくい。午後にエネルギーを消費するランチの後がおすすめ。

③ 3時のおやつは乳製品や大豆入りを狙う。

いやいや、おやつの時間といったらやっぱり午後3時。仕事の合間の午後のひととき、甘いものでホッと息抜きしたいんです。そんな日もあることでしょう。絶対ダメ!とは言わない。ただし、食べるのならば頭を使って。

午後3時という時間帯は昼食で分泌されたインスリンが低空飛行の基礎分泌レベルになるタイミング。ここで吸収の早い甘いものを口にすると、一気にインスリンの追加分泌が起こって脂肪合成がされやすい。

そのリスクを理解のうえ、もしどうしても3時のおやつを食べたいなら、糖質以外の栄養素が含まれているものを選ぶこと。ヨーグルト、牛乳、きなこ、大豆などが使われているスイーツが狙い目。タンパク質やカルシウムが補給できる。

他の栄養素のカロリーが加わる分、100キロカロリー程度のポーションであれば砂糖の量もセーブできるはず。

④ 満足感を得たいなら洋菓子より和菓子。

ひと口に甘いものといってもジャンルは広い。そこを敢えてざっくり分けると、和菓子か洋菓子という2大ジャンルに分類される。

コンビニなどでよく見かける洋菓子の三大栄養素の比率を見てみよう。1包装分の平均はタンパク質が3.7g、脂質が15.7g、炭水化物が24.2g。一方、和菓子のそれは、タンパク質が2.9g、脂質が0.7g、炭水化物が39.4g。つまり、洋菓子は脂質が多く、和菓子は炭水化物が突出している。ウーム。脂質をとるか、糖質をとるか、それが問題だ。

正解は糖質が多い和菓子。糖質は1gにつき4キロカロリー、脂質は9キロカロリー。脂質の量が多いほどカロリーは当然高くなる。ならばダイエット中、100キロカロリーで甘いものを堪能するなら断然、和菓子の方が有利。糖尿病予備軍でなければ、洋菓子より和菓子を狙った方がお得である。

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洋菓子のカロリー
洋菓子の1包装当たりのカロリー(コンビニスイーツの表示を参考に算出)
和菓子のカロリー
和菓子の1包装当たりのカロリー(コンビニスイーツの表示を参考に算出)

洋菓子は完食できるものはひとつもないが、和菓子のもなかなら1個丸ごと食べて問題なし。どら焼き半分を食べるのとシュークリーム3分の1を食べるのとでは前者の方が満足感あり。

⑤ 砂糖不使用スイーツは短期間で賢く利用する。

ダイエット中、罪悪感なしに安心して口にできるのが0キロカロリーやノンシュガーのスイーツ。

甘みの正体は人工甘味料。脳は甘さを感じるが、砂糖ではないのでインスリンの追加分泌はされないという説がある。仮にインスリンが分泌されたとしても、そこに余分なエネルギーがなければ脂肪が合成される可能性はまずない。

ただし、脳は甘さを感じているのでインスリン分泌の準備は万端。同時に糖質が入ってきたら通常より盛大にインスリンが分泌される。ノンシュガーのチョコシロップをかき氷にかけるならOKだが、パンに塗ったらOUTということ。

0キロカロリーやノンシュガーのスイーツは、短期的なダイエットで賢く利用するなら有効な手段のひとつになる。ただ常習すると舌が甘さに慣れてしまうので、ノーマルなスイーツに物足りなさを感じてしまうかも。