「今日は働いたなぁ…」という日の夜は、ベッドで“寝ながら”ストレッチ

デスクワークや立ち仕事など、同じ姿勢で長時間働いていると、どうしても偏った筋肉が凝ってくる。その疲れを翌日に持ち越さないためにも、比較的時間を確保しやすい就寝前に、寝ながらストレッチで全身をほぐしてあげよう。

取材・文/黒澤祐美 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修・指導/小原まどか(Hi美scus)

初出『Tarzan』No.793・2020年8月6日発売

そのまま眠ってしまってもOK!

仕事開始から終了まであっというまに時間が過ぎて、気づけば全身の筋肉が硬直状態で一日が終了。そのままベッドに倒れ込み、翌朝も疲労困憊…なんてことはできれば避けたい。一日の終わりにベッドの上で疲れをリセットしよう。

「眠る直前のストレッチは凝り固まった筋肉を緩めるだけでなく、寝つきがよくなるというメリットがあります。ストレッチにより血液循環がよくなると、リラックスした状態である副交感神経が優位になる。すると深い眠りにスムーズに入れて、翌朝も気持ちよく目覚めることができます」(パーソナルトレーナーの小原まどかさん)

リラックスが目的の夜に最適なのが、1ポーズを20〜30秒キープする静的ストレッチ。高まった心拍数を静めるように、深い呼吸をしながらゆっくり伸ばすのがコツ。

ベッドで全身を伸ばす10ポーズ。

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1. 背伸びストレッチ

背伸びストレッチ

まずは上半身のストレッチでデスクワーク疲れをリセット。ベッドに浅く腰掛け、頭の上で両手を組む。掌を天井に向けて両肘を伸ばし、目線は手の方向へ。脇腹と腕が気持ちよく伸びているのを感じながら20〜30秒キープ。息は止めずに深い呼吸を続けよう。

2. 肩甲骨まわりストレッチ

肩甲骨まわりストレッチ

ベッドに浅く坐り、骨盤を立てて背すじを伸ばす。右腕を上げて頭の後ろで肘を曲げ、左手で右肘を包むように持つ。左手の重みを使って右肘を軽く引き、二の腕、脇腹、肩甲骨をストレッチ。その状態で20〜30秒キープして、逆側も同様に行う。

3. 下腿・腿裏ストレッチ

下腿・腿裏ストレッチ

ベッドの上に坐り、両膝を軽く曲げる。両手で両足の爪先を摑み、おへそを突き出すようにして骨盤を立てる。ふくらはぎから腿裏にかけてが痛気持ちいい程度に伸びているところで20〜30秒キープ。伸びが足りないときは両膝を少しずつ伸ばして調整を。

4. 腸腰筋ストレッチ

腸腰筋ストレッチ

両手で右膝を抱え、胸に向かって膝を引き寄せる。伸ばしているのは左脚の付け根にあたる腸腰筋。布団派の人は、お尻の下に枕かバスタオルを丸めたものを入れて高さを出した状態で行おう。逆脚も同様。

5. 腰・胸ストレッチ

腰・胸ストレッチ

両脚を伸ばして仰向けに寝る。右膝を曲げて、その脚が左脚の外側に来るように倒し、腰をひねる。このとき右肩が浮かないように、ベッドにつけたまま行うこと。左手で右膝を支え、腰全体と右胸を伸ばしながら20〜30秒キープ。ゆっくり戻り、逆も同様に行う。

6. お尻ストレッチ

お尻ストレッチ

仰向けになり両膝と股関節を90度に曲げる。左膝を外に開き、右脚の腿の上に左の足首を乗せる。両手で右脚の腿裏を摑み、上体に向かって引き寄せる。このとき伸びているのは左のお尻。余裕がある人は左膝をさらに開き、20〜30秒キープ。逆脚も同様に行う。

7. 内股関節ストレッチ

内股関節ストレッチ

両膝を立てて仰向けになる。足の裏同士を合わせて、両膝をゆっくりと外に倒し、踵をお尻に近づける。両膝をできるだけベッドにくっつけるように股関節を開き、内腿から脚の付け根にかけてを気持ちよく伸ばす。自然な呼吸を続けながら20〜30秒キープ。

8. 腿裏ストレッチ

腿裏ストレッチ

両脚を伸ばして仰向けになり、右脚を垂直に上げる。右膝を軽く曲げ、両手でふくらはぎを持つ。左脚がベッドから浮かないように気をつけながら、右脚を上半身に向かって引き寄せ、太腿の裏側を伸ばす。20〜30秒キープしたらゆっくり戻し、逆脚も同様に行う。

9. 脇・背中ストレッチ

脇・背中ストレッチ

両脚を伸ばして仰向けになる。右膝と股関節を直角に曲げて、右脚を左脚の外側に倒す。左手で右膝を支え、右腕は耳よりも顔の前側を通るようにして頭上で楽に垂らす。右の脇腹から背中にかけて伸ばし、20〜30秒キープ。体勢を入れ替え逆も同様に行う。

10. 首ストレッチ

首ストレッチ

両脚を伸ばして仰向けになり、できるだけ全身の力を抜く。顔は天井に向けたまま首を左に倒し、左手を頭に添える。手の重みで頭を軽く引き、右の首すじを気持ちよく伸ばす。その状態で20〜30秒キープしたらゆっくり元に戻り、逆も同様に行う。