• 免疫力をアップさせる1日・生活習慣シミュレーション【午前編】
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2020.06.23

免疫力をアップさせる1日・生活習慣シミュレーション【午前編】

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小さな正しい習慣を毎日やり続けることで、免疫パワーは蓄えられる。24時間、免疫に優しい生活を始めよう。

免疫には、生まれつきの自然免疫と後天的に獲得する獲得免疫がある。獲得免疫は病気に罹りながら強くなるものだが、自然免疫は日常生活の工夫次第で鍛錬できる。

「自然免疫を強化する鍵は、体内時計自律神経毛細血管のネットワークです」(ハーバード大学医学部客員教授の根来秀行先生)


  • 体内時計と免疫の関わりはこちらの記事で触れた通り。太陽の動きに従って暮らし、良質な睡眠を取ると自然免疫はレベルアップする。
  • 自律神経は、交感神経と副交感神経からなる。両者のモード変更が円滑に進むと、免疫を担う免疫細胞が効率的に働ける。
  • 毛細血管のネットワークは、免疫細胞を全身に送り届けると同時に、細胞に栄養素と酸素を運び、老廃物を排除して感染症に対する物理的・化学的バリアを強くする。

以上を前提に、朝昼夜の3つの時間帯別に免疫を強くする生活習慣を具体的にシミュレーション。できることから取り入れよう。

朝をどう過ごすか。それが免疫力を左右している。

体内時計で免疫を整える最大のポイントは朝にある。まずは毎朝決まった時刻に起きて朝日を浴び、爽やかなスタートを切る。すると体内時計の指令で朝から午前中にかけて免疫細胞が増えて、活動中に出合う外敵に備える。

睡眠をたっぷり取ってすっきり目覚めると、自律神経が夜間の副交感神経から、日中の交感神経へとスムーズにスイッチする。交感神経が優位だと免疫細胞は学習モードとなり、カラダのあちこちにあるリンパ節で待機して、危険な外敵と遭遇してその情報を学び取り、経験値と攻撃力を高めていく。

免疫とリンクする腸内環境のチェックも怠りなく。好きな発酵食品を毎朝の食卓に乗せて、快食・快便で暮らそう。深い呼吸を心がけストレスを軽くして、自律神経のバランスを整える習慣もぜひ。


【7:00】毎朝決まった時刻に起きる。

毎朝決まった時間に起床

体内時計を整える第一のコツは、早寝早起きではなく早起き早寝。寝る時間より起きる時間の方がコントロールしやすいからだ。寝ている間にコップ1杯ほどの水を失う。起きたらすぐ水を飲んで脱水予防。

【7:01】カーテンを開け朝日を浴びる。

体内時計は一日24時間と10分ほどのサイクルを刻んでいるが、毎朝光を浴びると24時間ジャストの周期にリセット。体内時計は免疫システムを調整し、特に朝は免疫細胞が増える。

【7:15】 起きたときの体調で眠りを評価する。

眠りでは睡眠時間だけでなく、その中身である質も大切。眠りの質は朝起きたばかりの感覚で疲れと眠気が取れているかを評価。疲れと眠気が残っていたら夜の過ごし方を見直す。

【7:30】 朝食でヨーグルトや納豆を食べる。

朝食に発酵食品を

腸内環境を良好に保っておくと、免疫力もアップする。腸内環境を整える細菌の餌となり、元気にするヨーグルトや納豆などの発酵食品を朝食の定番メニューに取り入れよう。

【8:00】 ルイボスティー、ヒハツやシナモン入りの飲み物を飲む。

ルイボスティー、ヒハツ、シナモン入りの飲み物
【ルイボス】南アフリカに自生するマメ亜科の植物。その葉を乾燥させて煎じて飲むルイボスティーは、ノンカフェインで美味しく飲める。【ヒハツ】コショウ科の植物で、果実はコショウに似た風味があり、乾燥させてスパイスとして使われる。料理に使うほか、紅茶などに入れても。【シナモン】クスノキ科の常緑樹の樹皮を乾燥させたもの。桂皮とも呼ばれる。カプチーノやホットココアをシナモンで香り付けすると風味がアップ。

カラダのもっとも大事なインフラは血管。なかでもその99%を占めている毛細血管を強くしておくと、血流がスムーズになって免疫力も上がりやすい。

毛細血管を強くするのが、毛細血管の内側を覆う内皮細胞にあるTie2(タイツー)という受容体。ルイボスやヒハツ、シナモンなどの植物成分はTie2に働き、内皮細胞の緩みをなくして血管を強くする。

【8:15】 便通に異常がないかチェック 。

腸内環境を知るいちばん手軽な方法は、ウンチの観察。硬すぎず、軟らかすぎないバナナ形のウンチが毎日スルッと出るのが理想。便秘や下痢は腸内環境が乱れているサインだ。

【9:30】テレワーク中も30分に一度は立ち上がる。

一人でテレワークしていると、知らない間に坐りっ放しになり、血液とリンパの流れが悪くなってしまう。30分に一度立ち上がり、部屋を歩き回るだけでも免疫細胞は働きやすい。

【10:00】トイレのついでに丹田ドローイン。

お腹の奥にあるインナーマッスルの腹横筋は、お腹を引き締めるコルセットの役割がある。コルセット筋である腹横筋が衰えると腸の働きが下がり、腸内環境も悪くなりがち。

東洋医学で「氣」が集まるとされる丹田を意識し、呼吸に合わせてお腹を凹ませるドローインを行い、コルセット筋を鍛える。普段の呼吸も深まり、細胞レベルで免疫を活性化できる。

丹田ドローインのやり方
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①背すじを伸ばして立ち、ヘソの少し下に両手を重ね、その奥にある丹田を意識する。鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を大きく膨らませる。つられて肩を上げないようにする。

②限界まで吸ったら息を止め、お尻に力を入れる。お腹から空気を漏らさないように留意。

③お尻に力を入れたまま、鼻からゆっくり息を吐き出しながら、お腹全体をギュッと凹ませる。丹田を背中に近づけるイメージで行う。上体が自然に前傾するが、背中は丸めない。

④お腹を最大限に凹ませて空気を残らず吐き出したら、その姿勢をキープしたまま、浅い胸式呼吸を10〜30秒間行い、脱力して終了。

【11:00】テレカンの合間に 4・4・8呼吸。

日中の活動中は交感神経オンで構わないが、慣れないテレカンなどで緊張が続くとストレスとなり、免疫力が下がる。

一日に何度かは深い呼吸で副交感神経へスイッチし、ストレスを軽減。お腹を絞るようなイメージで行うと横隔膜が上がり、横隔膜にある自律神経センサーが反応して副交感神経のパワーが上がる。途中息を止めると二酸化炭素が溜まり、その刺激で気道も血管も広がる。

4・4・8呼吸のやり方
4・4・8呼吸のやり方

①ラクな姿勢で椅子に坐り、お腹を意識しやすいように両手を重ねてヘソの上に軽く置く。鼻から息をゆっくり深く吸ってお腹を膨らまし、鼻から息をゆっくり吐いてお腹を凹ます腹式呼吸を2〜3回繰り返し、息を吐き切る。

②手でお腹が膨らむのを確かめながら、鼻から4秒(4カウント)で息をゆっくり吸う。

③4秒(4カウント)息を止めたままにする。

④手でお腹が凹むのを確かめながら8秒(8カウント)で鼻から細く長く息を吐き出す。お腹を絞るようなイメージで。②〜④を4回。

取材・文/井上健二 イラストレーション/泰間敬視

初出『Tarzan』No.788・2020年5月28日発売

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