はじめてのボルダリングで、ピンクホールドが掴めない!|フィットネスジェーン・高見奈央が行く vol.2
読者投票で選ばれたフィットネスジェーンこと高見奈央さん。第二回目のフィットネスは、彼女が以前から興味津々だったというボルダリング!
取材・文/黒田創 撮影/大内香織 スタイリスト/高島聖子
INFORMATION
この記事の撮影・取材は2020年4月7日に行なったものです。取材で伺った〈Base Camp Tokyo〉も一時休業をしていましたが、5月26日以降、営業を再開しました。〈Base Camp Tokyo〉での感染拡大防止への取り組みについてはこちら。お互いにルールを守りながら、安全にスポーツ施設を活用しましょう!
目次
訪れたのは東京・小竹向原の〈Base Camp Tokyo〉。
フィットネスジェーン・高見奈央さんの連載再始動二回目は、岩壁を模した人工の高いウォールを自分の手足だけで登るおなじみの競技、ボルダリング。『ターザン』的にみると全身の筋肉、なかでも高見さんが「鍛えたい!」と話す背筋も目いっぱい使い、それでいて無心で楽しめるフィットネスなんです。
最近は都市部にもたくさんジムがあるので、仕事の後に壁を登って汗かいてリフレッシュ! なんて使い方をしている人も多いはず。今はリモートワークで一日中家から出ないというケースも多いので、これを機に近隣のジムで新しく挑戦してみるのもオススメ。運動好きの高見さんだって、今回が初のボルダリングチャレンジです。
高見さんが訪れたのは東京メトロ小竹向原駅徒歩2分にある〈Base Camp Tokyo〉。世界的プロクライマー、平山ユージさんがプロデュースしており、東京都心からもほど近い距離にありながら、広いスペースに幅広いバリエーションのウォールが設けられた人気のスポット。高見さんも「想像していたよりも大きな建物ですね!」と第一声。期待が膨らみます!
クライミング未経験者は、知り合いの経験者に教わるか、初回インストラクションを受講するのが〈Base Camp Tokyo〉のルール。今日は店長の石渡智也さんに指導を仰ぎます!
ボルダリングは道具選びから。
動きやすいウエアに着替えたら、シューズを選びます。大抵のボルダリングジムにはレンタルシューズがあるので、ちょうどいいサイズを選べばOK! と思いきや…?
「クライミングシューズは普通のスニーカーと違い、かなり小さめに作られています。なので普段履くサイズで選ぶと、最初に足入れした時に結構キツく感じると思いますよ」と石渡さん。
ふんふんと頷きながら普段通りに24.0cmを選んで試し履きする高見さん。「ホントだ、キッツ~い! でもなんでこんなにキツキツなんですか?」
「壁に登ったとき、足の指先でもしっかりホールド(壁に取り付けられた突起物)を掴むためです。足にぴったりフィットしていないとその感覚がわからないし、途中でズルっと脱げることもあるので、その予防の意味もあります。でもあまりにキツいと動けないので、“これを履いてそう遠くまでは行けないけど、少しなら歩けるな”という程度のサイズを選びましょう」(石渡さん)
そして25.0cmをチョイスした高見さん。
「うん!まだキツいけどこのくらいならしっかり動けそう!」(高見さん)
次に石渡さんが取り出したのはチョークバッグ。「登っていると汗をかくので、ホールドを掴んでいても手が滑って落ちてしまうことがあるんです。それを防ぐために、クライマーはチョークの粉を使います。ウェアにつくと白くなりますが、洗濯すればちゃんと落ちますよ」(石渡さん)
登るときの注意&ルール。
準備ができたら、登る際の注意事項を確認。
石渡さんが説明してくれたボルダリングの注意事項は次の通り。
- 事故防止用のマットには登る時だけ上がり、休憩中はマットの外に出ること。
- 登っている人の真下には絶対に入らないこと。
- マットに着地する際は、両足で膝のクッションを利用して着地すること。片足や腰、背中から落下するとケガの恐れがある。
- マットと壁の間の隙間には十分注意すること。
- ホールドはしっかり固定されているが、まれに緩んで締めが弱くなっている物があるので、そうしたホールドは絶対使わず、すぐスタッフに伝えること。
続いてはルールの説明。
「ボルダリングは同じ色のホールドを掴んだり踏んだりしてルートを進みます。その横にはテープが貼られていて、レベル別に色や形が分かれているので、選んだルートの色のテープが貼られたホールドだけを通って登っていきます」(石渡さん)
「そっか、途中で他の色のテープが貼られたホールドに移ってはいけないんですね」(高見さん)
「〈Base Camp Tokyo〉では初心者の8級から始まり、最上級は三段までレベルを設定しています。高見さんはまず8級、ピンク色のテープの貼られたホールドからチャレンジしましょう。スタート地点はS、ゴール地点にはGと書かれているので、Gを目指して登っていきます」(石渡さん)
お手本を見たら、いざ実践!
一度僕がやってみますね、と石渡さん。
「Sのホールドを両手で掴み、足を他の使えるホールドに置いて姿勢を安定させてからスタートします。足は両足、片足どちらでも構いません。
同じ色のテープのホールドをすべて掴まないといけないわけじゃなく、ケースバイケースでスルーしてもOK。他の色のホールドを使わない、それだけ念頭に置けばどんな登り方をしても構いません。最後にGのホールドを両手で掴み、かつしっかり両足をホールドに置いたらゴールです」(石渡さん)
「うわ、すごい。石渡さん一瞬で登っちゃいましたね(笑)」(高見さん)
「ゴール後、いきなり高所から飛び降りるとケガしますので、安全な高さまでホールドを伝ってから飛び降り、両足で着地します。あとは実践あるのみ。頑張ってください!」(石渡さん)
「テンション上がってきた!」と武者震いする高見さん。8級のピンクのテープからスタートです!
「私、意外とイケるかも!」とノリノリの高見さん。最初キツキツだったシューズの履き心地は?
「実際登ってみると、すごくホールドに足をかけやすいし、足先で掴んだ時に踏ん張りが効くんですよね。このシューズじゃないといけない理由がわかりました!」(高見さん)
「今の感じを見るともう少しレベルアップしてもよさそうですね。次は7級、オレンジテープのホールドにチャレンジしましょう」(石渡さん)
「え~!いきなりいいんですか?」と言いつつも嬉しそうなな高見さん。早速ホールドを掴みにいきます。
「あれ?今度は足を乗せるホールドがすごくちっちゃい! こういうのもクリアしないと上のレベルに行けないんですね」(高見さん)
両手両足を起用に操り、順調に進んでいく。そして7級も難なくゴール!
「私ボルダリング向いてるかも! 楽しい!」と大喜びだ。
「高見さんはここまで一度も失敗せずにゴールまで登れましたが、それはすごく価値のあることなんです。他にもたくさんウォールがあるのでぜひやってみてください」(石渡さん)
高見奈央、快進撃が止まらない。
〈Base Camp Tokyo〉には合計10個のウォールがあり、それぞれレベル別に登れるようになっている。「他はどんなウォールなんだろう?」と興味津々の高見さん。場所を移動して同じく7級のルートに挑戦!
同じレベルでもウォールによって難易度が異なるのがボルダリングの魅力。「難しそうなルートは事前に登り方をある程度シミュレートするといいですよ」と石渡さん。
「こっちに行ったら次はこう…」とパズルを解くかのようにあれこれ考える高見さん。ボルダリングは知力と体力の世界なんです。
「よし!」と登り始める。でもさっきに比べると手足を頻繁に入れ替えて、進んでは戻り進んでは戻りの繰り返し。かなり試行錯誤している様子。
「あれ、ここに左足を置いちゃうと次の身動きが取れない…。そっか、こっちに置かないとカラダを持ち上げられないんだ」。そう、レベルアップするにつれ、ルート取りを間違えるとにっちもさっちも行かなくなり、ホールドを掴む手足の力もどんどん消耗していくんです。
何度かルートを修正し、もう少しでゴール! という所まで到達。でも最後の一手が難しい。脚を伸ばしてカラダを持ち上げ、一気にGのホールド(右上)を掴みたい。ここで掴み損ねたら落下してジ・エンド。高見奈央、勝負をかけます!
「どりゃっ!」。気合のひと声とともにカラダを引き上げる。Gのホールド(すごく小さい)を両手、というか全指に全神経を集中させて掴む。でもまだゴールじゃない。右足はまだしも、左足は少し無理めな場所にあるホールドにしっかり置かないとOKにならない。
左膝を思い切り曲げて足先をホールドに。見事ゴール!
「いやー、同じ7級でもさっきより難しかったー! でも色々考えながら自力で登るのがおもしろい!」(高見さん)
ボルダリングの魅力を全身で感じている高見さん。その勢いでどんどん行っちゃいましょう!
6級に挑戦、ここからが難しい!
次のウォールを探す高見さん。ピンク色のユーモラスなホールドを見つけて「これかわいい!」。シールを見れば白色の6級。お誂え向き。という訳で次のチャレンジはこれに決定~。
こんなに大きなホールドだから簡単に行けるはず…。と思いきや、そうは問屋が卸さない。
なすすべなく、スタートから速攻で落ちる高見さん。気を取り直してもう一度。
二度目もあえなく失敗(足が置けず、スタートポジションを作れない)。
「大きいホールドは握力がないと掴めないし、足を置くホールドがまた小っさい。しかもこうやってカラダを畳まないといけない。これ本当に難しいんですって!」(高見さん)
でも簡単には引き下がらない。
1つ目のホールドで、手のつき方も試行錯誤。
何度も落ちながら熟考を重ねた末、「こうすればいいんじゃない?」と攻略法を閃いた様子。
その後、何度もトライを繰り返すもなかなかうまくいかず、集中力も途切れ始めた高見さん。今回は6級を諦めることに。
「あ~悔しいな~~~! でもできないからこそ、また来たくなりますね」(高見さん)
ラストは気持ちよく7級で〆!
登れなかったまま終わるんじゃモヤモヤする。ならば再び7級に戻って気持ちよく登り終えることに。さっきのとは別のウォールで挑戦します。
その後も8級、7級のルートをいくつか楽しんで、90分間のボルダリング体験終了。汗びっしょりの高見さん、感想は?
「同じレベルでも壁の角度やルート、ホールドによって登り方が全然変わってくる。すごくおもしろかったです。自分のペースで、考えながら目標に向かってカラダを動かせる。何だか小さい頃の木登りを思い出しましたね。ただただ無心で遊べるというか…。
あとボルダリングジムの雰囲気も好き。いい意味でほったらかしだし、他のお客さんを見ていてもフラッと来てマイペースで登っている。その感じがいいなって」(高見さん)
「ボルダリングは普段使わない筋肉も使う全身運動。特に肩や腕回り、背中が鍛えられますし、バランスをとるために体幹も使う。今日の高見さんのように登れなかったルートがあればどうしても攻略したくなるので、皆さんどんどんハマっていって、いつの間にかいいカラダになっていくケースが多いですね」(石渡さん)
高見さんのボルダリングはどうでしたか?
「高見さんはセンスがあると思います。女性は握力が少ないので不利と思われがちですが、ウエイトが男性より軽く、柔軟性もあってカラダを持ち上げやすいので基本的に向いているんですよ。手や指の力は続けているうちに自然と鍛えられますし、全身にキレイに筋肉がつく点でもおすすめです」(石渡さん)
「わあ、そうなんですね。今度は家の近くでジムを探して入会してみようかな…。でもその前に、もう少し握力をつけてさっきのピンクのホールドに絶対リベンジしたい! 今日はありがとうございました!!」(高見さん)