【糖質オフのキーワード④】週末は「間欠的ファスティング」に挑戦だ!
具体的にどう糖質オフに着手していけばいいのか。亀川ひかるクリニック院長、亀川先生自身が実践し、患者さんに向けて指導もしている糖質制限メソッドをご紹介します。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/浦上和久 取材協力/亀川寛大(亀川ひかるクリニック院長) 参考資料/『糖質制限の外食ガイド』(亀川寛大著、マキノ出版刊)
初出『Tarzan』No.783・2020年3月12日
3つのメソッドがあるが、まず最初は「ガチ糖質制限」からスタートするのがおすすめ、と亀川先生。その後、よきタイミングで「マイルド糖質制限」へと移行し、週末、できるときに「間欠的ファスティング」を導入。このスライド方式を活用し、着実に結果に繫げてほしい。
ステップ① 「ガチ糖質制限」
基本は主食抜きでカラダにリセットをかける。
何度目かの挑戦という人も初心者も、最初に試してみてほしいのが「ガチ糖質制限」。糖質摂取量の目安は1日60g以下。1食当たりで20g以下に抑える。ごはん1杯の糖質は約50gなので、1日でごはん1杯強。結構ハードなハードルだ。
「節煙している人がなかなかタバコをやめられないのと同じで、少しの糖質がより多くの糖質摂取に繫がります。一回思い切ってリセットすることに意味が出てきます」
食事例は表の通り。
朝、昼、夜の炭水化物は抜いて主菜や副菜をがっつりいただく。これらのメニューにも糖質は含まれているが、主食をカットすれば1日60g以下はクリアできる。
これで眠っていた糖新生の回路が蘇る。同時にこれまでの糖質無制限ぶりを新たに自覚できるはず。水分はたくさん摂るべし。3日続ければむくみが取れて顔の輪郭はスッキリ。
これを弾みにして次のステップへ進もう。
ステップ② 「マイルド糖質制限」
3食のどこかで主食をカットし、糖質摂取にメリハリを。
ガチ糖質制限を3日から3週間くらい行ったら、続いて「マイルド糖質制限」にシフトしていこう。1日の糖質摂取量の目安は130g。ガチでは1日3食すべてで主食を制限したが、マイルドでは3食のうちどこかのタイミングで主食をカットするのがセオリー。
ちなみに1週間以上「ガチ糖質制限」を体験している場合、すでにケトン体回路が発動しているはず。でもマイルドに移行した時点でこの回路が働かなくなることは理解しておこう。
食事例は表の通り。
「朝は卵料理にパンやオートミール、ランチの主食は少なめ。そして夜は自炊できるならおかずだけ。飲む人は居酒屋で糖質量が少ないハイボールとつまみを食べる。朝、昼で調整、夜は抜くのが基本。僕も好きですが、たまにはラーメンを食べてもいい。でもそのとき2食分くらいの糖質を食べたなという自覚を持って、以後2食の主食は封印。そういう意識を持つことが重要です」
ステップ③ 「間欠的ファスティング」
週末はインスリンの分泌時間をできるだけ短くする。
ローマ人のごとく飽食の限りを尽くし、インスリンを日がな一日ダラダラ分泌し続ける。いや、まさかそんな人はいないだろうが、週末に似たような状況に陥ってるケースはあるかもしれない。
朝昼兼用のブランチを食べて、小腹が空いたので昼過ぎにスナックを口にし、夕方からダラダラ飲み始めてつまみを食べつつ、夜中にユーチューブを見ているうちにお腹が空いてピザ食べちゃった。この間、インスリンは休むことなく出っ放しのはず。
そこで、インスリンの過剰分泌を防ぐため、取り入れたいのが「間欠的ファスティング」。これはものを食べない時間をできるだけ長く設けること。
「おすすめは最初に食事をしてから8時間以内に食べ終わること。1日24時間のうち、ものを食べない時間は16時間ということに。週末に習慣化していけば、インスリン抵抗性が改善する可能性は十分あります」
食材リストを参考にメニューを選び、失敗なき糖質制限を。
ごはん1杯の糖質量は約50g、6枚切りパン1枚は約25g、そば1玉は約40gでうどんのそれは約50g。
主食に含まれる糖質量を踏まえたうえで、ガチ、マイルドともに主菜と副菜をセッティングしていこう。主食がカットされる分、カロリーは減る。なので具体的なメニュー例で示した通り、今までより多めの主菜&副菜を摂るイメージだ。
ただし、血糖値が上がりにくいもの、インスリンの過剰分泌を招かないもの、体脂肪として合成されにくい食材を選ぶことが重要。以下、積極的に食べていいもの、ほどほど食べる分にはOKなもの、できれば避けたい食材のリストを参考に。