バスケ界の新星・田中力。期待の学生アスリートは、どう回復しているのか
世界的トップアスリートを数多く輩出している全米屈指の巨大スポーツアカデミー、IMGアカデミー。『ターザン』が潜入したスポーツ研究の“聖地”からのレポートの最後は、IMGアカデミーに通う学生の視点から。バスケ界期待の17歳にリカバリーの大切さを聞いた。
取材・文/徳原海 撮影/田中大海
(初出『Tarzan』No.774・2019年10月10日発売)
中学時代からすでに日本代表合宿に招集されるなど、今季からNBA入りした八村塁選手らとともにバスケ界の将来を担う存在として期待されている田中力選手。現在17歳。昨年、高校からのIMGアカデミー留学を決めたのはこんな理由からだった。
「バスケを始めた頃からいつかはアメリカでプレーしたいと考えていました。IMGアカデミーのことは小学6年の頃に兄と一緒にYouTubeで見て知ったのですが、その時に、冗談半分で“俺、いつかここでプレーするから”って言ったのを覚えています。そして中学3年になって、高校から海外でプレーすることを決めたタイミングで誘いを受けて。IMGアカデミーがアメリカの中でもトップの学校であることを知っていたので迷いはなかったです。むしろここしかない!と思いました」
いざ入学してみると、充実した施設に驚きの連続だったという。
「想像以上でした。ネットなどで見て、知ってはいましたが、ここまでとは!という感じでしたね(笑)。それに他の選手たちのプレースキルの高さも普通にすごいなと思いました。やはりこちらの選手は手足が長く、身体能力が高いので、日本で普通に入っていたシュートがブロックされることも多いんですよ」
リカバリーなどカラダのコンディショニング面においては、アメリカに来て自主性が芽生えたそうだ。
「毎日の練習後には必ずアイシングをしますし、部屋に戻ってからもストレッチは欠かさないようにしています。また、自主練なども疲れている時は思い切って休むようにもなりました。コンディショニング面ではチームからこうしなさい、ああしなさいという指示はありません。アメリカではカラダのマネジメントは全て自分の責任ですから。あと、IMGでは勉強もしっかりやらなくてはいけないのでそことのメリハリやバランスも考えるようになりました」
アスレチックトレーナーが常駐するパフォーマンスセンターにも頻繁に出入りしているとか。
「リカバリーは自分の部屋で行うストレッチがベースではありますが、筋肉に疲れが残っている時などは行きますね。トレーナーとはよく話しますし、メールでコミュニケーションを取ったりもしています。トリートメントルームでは、空気で脚全体の筋肉をほぐす“リカバリーブーツ”が好きでよく使っていますね。アイシングバスは…すごく効きますけど、めちゃくちゃ冷たいのでなるべく入りたくないです(笑)」
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