知っていますか? 骨盤の傾きと猫背の関係
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/山口ゆうすけ へア&メイク/村田真弓 イラストレーション/山崎真理子 取材協力/伊坂忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部教授)、寺田昌史(立命館大学スポーツ健康科学部講師)、泉本洋香(立命館大学スポーツ健康科学部 伊坂研究室)
(初出『Tarzan』No.772・2019年9月12日発売)
かつての常識は近年、覆されつつある。
悪い姿勢の典型例といえば、高齢者姿勢。かつては上半身をまっすぐ保てずに骨盤が後傾する→前後バランスの乱れを背中を丸めてカバーする→さらに膝を曲げて立つ、そんなイメージが強かった。
ところが、かつての常識は近年、覆されつつある。というのは、ここ10年ほどの研究で猫背のほとんどの原因は骨盤の前傾にあることがわかってきたのだ。骨盤があまりにも前傾しすぎて腰椎ごと後ろに倒れてしまい、バランスをとるために胸椎が丸まって直立姿勢を保つ。で、猫背になるという仕組み。
カラダの軸が本来持つ大きな役割は、頭をいかに衝撃から保護するかということ。そのためにカラダはいかようにも代償作用を引き起こす。そして、問題なのは無理な姿勢を続けることで一定の部位に過度な負担がかかること。ともあれ、骨盤の前傾が猫背姿勢の原因であるということ、覚えておいてほしい。