善玉菌とそのエサを同時に摂ろう。腸内環境を整えるシンバイオティクスという考え方
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 イラストレーション/Miltata 取材協力/大竹真一郎(おおたけ消化器内科クリニック院長)
(初出『Tarzan』No.771・2019年8月29日発売)
シンバイオティクスとはなにか。
ヨーグルトや味噌などの発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、いわゆる善玉菌の代表格。カラダに有用とされるこれらの菌そのものを腸まで届けましょうというのが「プロバイオティクス」。
一方、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチといった腸内細菌のエサになるルミナコイドを腸まで届け、善玉菌の働きをサポートしましょうというのが「プレバイオティクス」。
で、どうせなら2つを組み合わせて、有用菌とルミナコイドを一緒に摂っちゃいましょうというのが「シンバイオティクス」だ。
この概念がヨーロッパの微生物学者らによって提唱されたのが1995年のこと。ここ数年、乳酸菌やオリゴ糖を配合したドリンクやヨーグルトなども登場し、知名度は上昇中。
具体的にどう取り入れればよいのか。
次に、日々の食生活でシンバイオティクスを実践する方法。なに、そう難しいことではない。
まず、軸にするのは味噌、納豆、ヨーグルト、漬物など、善玉菌が含まれている発酵食品。冷蔵庫を覗いてみれば、必ずどれかひとつは収納されているはず。
あとは野菜室の野菜や果物、ストック棚の乾燥タイプの海藻、持て余していた高菜やなめたけや蒸し大豆。プレバイオティクス系のこうした食品をどんどん組み合わせていけば、それだけでシンバイオティクスなひと皿に。
「ただし、誰にとっても有効なスーパーフードはありません。いろんな種類の善玉菌やルミナコイドを普段から摂り続け、菌の種類を増やしたり菌を定着させることが大事。何か月も食べ続けることでようやく効果が表れるのです」(おおたけ消化器内科クリニック院長・大竹真一郎さん)
「Tarzan Web」では、シンバイオティクスを習慣化するのにいいレシピを紹介予定。ぜひ参考にしてもらいたい。