運動不足で腰が重い。ならば「有酸素運動×ボールリリース」でうっ血解消!

取材・文/黒田創 撮影/山城健朗 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/村田真弓 監修/小林靖(Body Refresh)

(初出『Tarzan』No.734・2018年1月25日発売)

有酸素運動とボールリリースを掛け算する。

さまざまな要因で凝り固まってしまう首や肩、そして腰まわり。とはいえ重度ではなく、普通に日常生活を送れる程度ならとりあえずはカラダを動かそう。これらの部位の凝りは、うっ血が大きな原因。積極的にエクササイズを行うことで早期改善が期待できる。

ボート競技日本代表チームのトレーナーも務める小林靖さんは、そのアプローチとして2種類のエクササイズや対処法を掛け合わせた「掛け算エクササイズ」を提案する。組み合わせによって相乗効果が期待できるのだ。

テニスボールを使った4種のリリース。

「今は痛みがないけど腰痛を防ぎたい」または「過去に発症した腰痛を再発させたくない」という人に向けた予防策。有酸素運動で筋温を高める→ほぐしやすくなったところを狙うという流れだが、痛みのレベルによってできる有酸素運動が異なるため、本記事後半で確認を。

1. 梨状筋のリリース

梨状筋のリリース
ボールを当てる位置は、お尻の深部にある梨状筋。お尻の一番高い位置から、やや内側にずれたところを狙う。両膝を立てて床に座り、ターゲットにボールを当てる。ほぐしたい側の脚を真横に開き、お尻に圧をかける。30〜90秒キープ。逆も同様に行う。

2. 腰方形筋のリリース

腰方形筋のリリース
ボールを当てる位置は、骨盤の左右に広がる扇状の骨(腸骨)と、肋骨の一番下の間の筋肉。膝を立てて床に仰向けになり、ポイントとなる場所にボールを挟む。ボールを当てている方の脚を真横に開き、床につける。30〜90秒キープ。逆側も同様。

3. 腸腰筋のリリース

腸腰筋のリリース
ボールを当てる位置は、骨盤の左右に広がる扇状の骨(腸骨)と、おへそを結んだ中央。床にうつ伏せになり、片脚の股関節を90度に曲げる。伸ばした脚側のポイントにボールを挟み、ゆっくり圧をかける。30〜90秒キープ。脚を入れ替え逆も同様に行う。

4. 大腿筋膜張筋のリリース

 大腿筋膜張筋のリリース
ボールを当てる位置は、股関節前面(鼠蹊部)のやや外側。床にうつ伏せになり、肘を立てて起こした上体を支え、狙った場所にボールを当てる。ゆっくりと体重をボールに預け、じんわりと筋膜をほぐす。30〜90秒キープしたら、脚を入れ替え逆も。

どんな有酸素運動を行えばいい?

・ウォーキング/有酸素運動を取り入れるならまずはここからスタート。

歩幅とスピードで強度を調節できるウォーキングは、たとえ腰に多少の張りや凝りがある場合でも行ってよい有酸素運動。スピードを速め、痛みが出なければランニングや自転車に移行してもOK。むしろ全身の血流を促すことになるので、積極的に取り入れよう。

・自転車/サドルの高い自転車は、前かがみで腰が痛む人に不向き。

前かがみになったときに違和感が出る人は、サドルの高い自転車に乗るのは×。サドルを下げて痛みが出ないのを確認してから乗るか、もしくはジムにあるリクライニング付きの自転車に変更するといいだろう。または、低強度のウォーキングを選択するのも手。

・ランニング/着地衝撃が腰に響く人は歩きか自転車の選択が吉。

腰を反らせて痛い場合は、いきなり走り出さないこと。足を蹴り出すときに腰が反るうえに、地面からの衝撃が腰に響く可能性があるためだ。まずは歩いてみて、違和感がなければ徐々にペースを上げていこう。次の日の張りが強い場合は、ストップ。