シックスパックの3条件をクリアするために、どう鍛え、どう食べる?

シックスパックの条件は「体幹部の皮下脂肪が少ない」「腹筋にそれなりの厚みがある」「アウターとインナーのバランスがいい」の3つ。では、具体的にどうすれば3つの条件を満たし腹を割ることができるのか? ジムに入ってないしパートレもいない。そもそも、誰にも頼らず自力で腹割りなんてできるのか? もちろん、できます。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/阿部伸二 取材協力/白戸拓也(フージャース ウェルネス&スポーツ)

(初出『Tarzan』No.763・2019年4月18日発売)

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筋肉の輪郭をはっきりさせてアウターとインナーをバランスよく鍛えるには、つべこべ言わずにトレーニング。

自体重トレでも堂々とした割れ腹は作れる。ただし、その際は筋肉のコンディションを保ち、筋肉の材料を確保するための栄養補給の知識も必須。

メソッドの詳細はこの後じっくり解説するとして、ここではクリアすべきトレーニングと食事の概要をざっくり摑んでおこう。あなたのパートレはこの『ターザン』、大船に乗ったつもりで!

1. まずは余分な脂質を減らす。

朝食のデニッシュは植物性油脂やバターがたっぷり含まれている
朝食のデニッシュは植物性油脂やバターがたっぷり含まれている。ノンオイルのおにぎりがベター。飲み物や間食の乳製品にも要注意。ドレッシングのオイルもチリも積もれば山。

ぼんやりした腹に喝を入れるため、今すぐできることは食事のコントロール。とくに、体脂肪増に直結する余分な脂質を減らすことは急務中の急務。

毎日の食事ではトンカツ、唐揚げ、コロッケ、天ぷら的な揚げ物など滅多に食べない。なので決して脂質を摂りすぎてはいないはず!

そう豪語するあなたも、いま一度食生活を振り返ってみてほしい。意外と知らないうちに摂らなくてもいい脂質を口にしている可能性があるかもしれない。

たとえば、下の食事日記、揚げ物は一切口にしていないけれど、ちょっと意識を変えるだけで50g以上脂質量をカットすることができる。裏を返せば、無意識の脂質補給量がどれだけ多いかという話。

ちなみに糖質を制限するなら、夕食の主食を半分に減らす程度で十分。ある程度時間をかけて腹を割っていくなら、ストイックすぎる糖質制限はおすすめしない。無理は断じて長続きしないので要注意。

食べ方の表

2. 筋トレはフッキンメイン。脂肪が落ちないときは下半身トレ。

ダンベル

自体重であろうがギアトレであろうがジムトレであろうが、腹割りトレーニングでやることは同じ。腹筋を徹底的に収縮させると同時にコア全体に刺激を入れること。さらにドローインなどでインナーに刺激を与えると、より効果的な腹割りに繫がる。

10〜15回できる低負荷のトレーニングをサーキット的に頻繁に行うもよし、8〜10回やっとできる高負荷のトレーニングをじっくり行うもよし。具体的なトレーニングプログラムは自分がなりたい腹割りタイプに従ってチョイスしてほしい。

一方、体脂肪を落とすためにジョギングなどの有酸素運動を取り入れるのはおすすめできない。というのは、長時間走ることで筋タンパクが分解されてしまったり、筋肉内で体脂肪を原料に熱を作り出すUCP3というタンパク質の活性が低下し、逆に代謝が落ちてしまうから。

脂肪を落としたいときは大筋群を鍛える筋トレで代謝アップを狙う。今回は筋トレ至上主義で行こう。

3. トレーニング前後に糖質を補給する。

糖質24gはこんな食材で摂れる!
糖質24gはこんな食材で摂れる!
トレーニング前は固形、トレー二ング後は液体。ただし糖分の入ったミルクココアやカフェラテは無脂肪タイプのものを。脂質が含まれていると糖質補給に時間がかかってしまうから。

普段の食事での糖質の摂りすぎは、体脂肪の増加に繫がる。でも、トレーニングでしっかり腹を割りたいのであれば、筋トレ前後の糖質補給はむしろ積極的に行いたい。その理由としては、筋肉内に温存されているグリコーゲンというエネルギー源を、できる限り満タンにしておくため。

トレーニング前にグリコーゲンが不足していると、エネルギー不足で十分な追い込みができない。さらに、トレーニング後一定時間以内にグリコーゲンを補充しないと、筋肉が合成されるどころか、カラダがエネルギーを確保しようとするため逆に分解を招いてしまう。

トレーニングの前後に食べるもの

というわけで、トレーニング前後の糖質補給は必須。目安としては、体重×0.4で導き出される数値をg単位にしたもの。体重60kgなら60×0.4=24gとなる。

トレーニング1時間前くらいまでに固形の糖質食品を摂り、トレーニング直後は糖分を含んだ液体を補給するのが効率的。

4. 体重当たりのタンパク質を死守する。

タンパク質を盛るプチ食材
タンパク質を盛るプチ食材
体重1kg当たり1.5g、2gとなったとき、右のようなタンパク質食材を汁物の具にしたり、副菜に取り入れたり、間食で口にしたりするのがおすすめ。手駒は多ければ多いほどよし。

シックスパックのひとつひとつの筋厚を太くしたいのなら、筋肉の材料であるタンパク質は何が何でも死守すること。

最低レベルでも体重1kg当たり1.2gのタンパク質は絶対に確保したい。体重60kgなら60×1.2=72gが1日に摂取すべきタンパク質量となる。

タンパク質量をチェック

よりバキバキに割りたいのなら、体重1kg当たり1.4〜1.6g、もっとバッキバキに割りたいのなら体重1kg当たり2gのタンパク質補給が必要になってくる。2gとなると、結構大変。小食タイプはクリアに難儀するかも。最初から無理せずに、できる範囲からスタートを。

ちなみに、100gの肉や魚に含まれているタンパク質の量は大体20g。1日3回、これをおかずで食べるだけではトータル60gのタンパク質しか補給できない。副菜や汁物などでちょいちょいタンパク質をプラスして、目標数値を着実にクリアしていこう。