• 「僕にとっての腹筋は、“強い体幹”のことです」|石川祐希・勝負のカラダづくりvol.11(最終回)
COLUMN
2019.04.19

「僕にとっての腹筋は、“強い体幹”のことです」|石川祐希・勝負のカラダづくりvol.11(最終回)

「僕にとっての腹筋は、“強い体幹”のことです」|石川祐希・勝負のカラダづくりvol.11(最終回)

以前公開した記事ではダイナミックかつ美しい跳躍を披露してくれた、バレーボール・石川祐希選手。現在、イタリア・セリエAのチーム〈シエナ〉で活躍する彼は、自分のカラダとどのように向き合い、世界最高峰のリーグで勝負をしているのか。
『Tarzan』本誌の特集テーマをお題に、日々のカラダづくりの裏側に迫るWEB限定企画、今回が最終回です!

ウェイトを使わないトレーニングを実践中

『Tarzan』No.763の特集は「腹を割る!」です。シャープなボディラインの石川祐希選手のこと、それはもう腹筋には自信アリ! なのでは?

「腹筋と言っても、見せるための腹筋ではないので。僕にとっての腹筋は、カラダの軸がぶれずにサーブ、レシーブ、ディグ、スパイクのすべての動作を100%の力で行うための強い体幹のことです」

はあ、なんだかチャラチャラした質問で失礼しました。その強い体幹を作るたに、どんなトレーニングを?

「チームのウエイトトレーニングやアップのときに、クランチやプランクなど体幹トレーニングに近いトレーニングをしています。今のチームのアスレチックトレーナーが、ウエイトを使わないトレーニングを多く取り入れてくれるので」

バレーボール選手として体幹が強いということは、どんなメリットがありますか?

「バレーボールはプレー中の空中姿勢やボールを打つ動作で、腹筋と体幹をものすごく使います。なので体幹の筋肉が弱かったり硬かったりすると怪我に繋がります。また、体幹が弱いと空中姿勢がぶれてボールに力が伝わらず、強いスパイクが打てません。レシーブをするときも、体幹が弱いとボールの威力に負けて飛ばされたり、体勢を崩されてしまいます」

想像以上に体幹は重要なんですね。ちなみに石川選手は、今の自分の腹筋、いや体幹に満足してますか?

「いえ、満足していません。世界のトップでプレーし続けていくために、スパイクやサーブの本数をもっとたくさん打っても、プレーのレベルが落ちないようになりたい。そのための腹筋はまだ備わっていないので、そう言った意味で満足していません。もっと鍛えたいです」

その志、高すぎて眩しいっス!

石川選手が今シーズンを振り返る(後編)

前編を掲載している記事はこちら

「今シーズンで学んだことの一つに、プレーヤーとして感じた“日本とイタリアとの違い”があります。それは、チームのコミュニケーション、チームの作り方です。イタリアでプレーする選手の多くは、『我の強さ』や『プレーに対する意志』を持っています。そういう環境においては、チームや組織よりも、より個人を主体としたチームづくりが必要です」

「コートに立てば年齢や国籍、キャリアは関係ありません。試合中、声に出してボールを要求したり、ミスをすれば互いに厳しく指摘しあう。正直、日本ではあまり経験したことの無い状況に、押し負けてしまうこともありました。しかし、そこで負けずに自分を表現しなければ、周りの選手を動かすことも、チームの信頼を獲得することもできないと強く感じました」

日本とは異なる環境で奮戦した2018-19シーズンの石川選手。
日本とは異なる環境で奮戦した2018-19シーズンの石川選手。
©Emma Villas Volley

イタリアで感じた、未熟さと可能性。

「同じ目標を背負うチームだからこそ、勝つために自分がどう考えるのかを主張し合う。異なる考えや『それは違う』という意見はあって当たり前。だから、相手を否定せずに一度受け入れて尊重することも、主張するのと同じくらい重要。そして、自分が言ったことは責任をもって行動する。そういったコミュニケーションを常に繰り返して強いチームにするのが、僕の感じるイタリア式のチームづくりです」

「そういった面でも、世界のトップ選手を見ていると、自分はまだまだ足りていません。自分のプレーヤーとしての未熟さと可能性を感じた部分です。結果がすべてのプロの世界で自分が生き残っていくために、“プレー技術だけでなくやるべきだと思ったことは全部やる”という意識でバレーボールと向き合ったシーズンでしたし、これからもっともっと成長したいです」

最終回に寄せて。

「今回のコラムは、まだバレーボールを観たことや、やったことがない読者の方に、僕の大好きなスポーツ、バレーボールのことを少しでも知っていただきたいという思いでスタートしました。

文章を書くのはあまり得意ではありませんが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。少しでも興味や関心をもっていただけていたら嬉しいです。そして、一人でも多くの方が会場に足を運んでくださり、『観に来てよかった!』と思っていただけるプレーと結果を求めて、これからもバレーボールを楽しんでいきたいです」

シーズンを共にプレーした、シエナのチームメイトとの集合写真。
シーズンを共にプレーした、シエナのチームメイト。
©Emma Villas Volley

石川祐希

石川祐希選手

いしかわ・ゆうき/1995年生まれ。小学4年でバレーを始め、2014年に日本代表入りを果たす。同年から世界最高峰リーグの一つであるイタリア・セリエAのチームでプレーし、2018年4月、大学卒業と同時にプロ宣言。今シーズンは同じくセリエAのシエナに所属。
instagram:yuki_ishikawa_official


取材・文/石飛カノ 撮影/角戸菜摘

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雑誌『ターザン』765号